ドゥが好きで始めたコンテンツなのに、自分ちでマトモに彼を描くの初めてだ!いや、これも女装だけどさん・・・
ドレスのデザイン考えるの楽しかったです。
ファションセンスはないけど考えるのは好き。
ほとんど見えてないホルは魔女の○急便な黒のワンピに紫とオレンジのシマシマハイソックスはいてると脳内で補完してくださるとベネです。
最近デーボさんが好きで仕方ないです。もともと傷モノキャラ大好きですから。きっとこの三人の組み合わせが増えるんだろうなぁ・・・・
てか、曹牙はどうも三角関係が成り立ってない三角関係好きみたいです。
脳内ではホルデボホル+ドゥ(肉体関係はなし、可愛がられるというか構われるというかからかわれてる)
かな?ホルはあわよくば食う気満々だけど、ムリ強いはしないナイスガイ設定ですね(あくまで基本)


カマ描くのに一番時間掛かったのは秘密v
だって、無機物難しいんだもん・・・図形ツールとか超苦手です。

「ドゥドゥ〜♪」
「喧しい」
「おいおい、いきなりそれかよ。相変わらずつれないねぇ」
「おまえはいつも騒々しい」
ハイテンションでノックもなしに自室のドアを開けてきたホル・ホースに、ンドゥールは思い切り眉を顰める。,足音からしてホル・ホースの横に無言で立っているのはデーボだろう。職業殺し屋同士馬が合うのか、ラバーソールとダンほどではないがこの二人は一緒に行動していることが多い。
彼のことが殊更嫌いなわけではない。むしろ執事などに比べればはるかにマシな相手だとすら思う。しかし、だからといって好きというわけでもない。奇人・変人・社会不適応者の巣窟のこの屋敷において、比較的分かりやすくマトモというだけの話だ。
そもそもンドゥールには一般的にいう仲間意識というものが希薄だった。それは彼が自己中心的であるが故ではなく、ただ単に『仲間』というものに不慣れであるが故だった。物心つくころから誰にも頼らず頼れず、一人きりで生きてきた彼には、『仲間』というものがどうにもしっくりこないのである。『友達』と泥だらけになって遊んだ記憶すらないのだから、これはもう彼の非ではなかろう。
第一、自己中心的などと言い出せば、この屋敷の住人は主を初め全員が激しく該当する。

「何の用だ?」
どうせロクでもないコトだろうと思いながら、一応は聞いてやるあたりンドゥールは大人だ。というか、知らぬ間に大分丸くなっている。

「ん〜?このカッコ見てわかん・・・痛っ・・・・」
隣にいたデーボに脇腹を思い切り肘で小突かれ、ホル・ホースは悶絶した。2m近い長身を見事な筋肉で覆ったデーボの一撃は渾身でなくとも効く。否、効きすぎるのだ。

「悪ぃ」
悶絶するのに忙しいホル・ホースに替わって何故かデーボが言葉少なに詫びた。

「おまえが謝ることはない」
対するンドゥールは酷く素っ気なかったが、だからといって腹を立てているわけでもなかった。
言葉に出さぬだけで男として苛烈なまでの矜持を持つンドゥールは、他人に侮られること哀れまれることを極端に嫌う。そんな彼だが、どうしたわけかホル・ホースの言動には不思議と深刻な不快感を覚えないのである。
軽薄で女たらしで嘘つきで不誠実で不真面目な職業殺し屋など、ンドゥールの感性から言えば大嫌いな部類の男であるはずなのに、彼にはどこかしら憎みきれない何かがあるのだ。あるいはその何かとは、彼だけが持つ独特の『自然さ』かもしれない

「あ〜ドゥドゥ?怒ってないよな?」
脇腹を擦りながら立ち上がったホル・ホースはまだ涙目だった。デーボの的確な一撃が相当こたえているようだ。

「おかしな名で俺を呼ぶな。用があるならばさっさと言え」
要求と用件を単刀直入に突きつけるンドゥールは、物静かな外見に似合わずなかなかに気が短い。

「じゃ、手短に言うぜ?」
「そうしてくれ」
「これ着ろ」
「は?」
手短過ぎて意味不明な説明に、思わずンドゥールは見えぬ目でホル・ホースの顔を凝視した。

「いきなり何だ?意味がわからんぞ」
「いいから、それ着ろ。それから俺らとちょっとした外出だ」
「一体なんだというのだ?」
ブツブツと口の中で呟きながら、ンドゥールは手渡された布の塊を手探りで検分する。『着ろ』というからには洋服なのだろうが、それは彼が日常的に来ている衣服に比べやけにかさばる造りをしている。服飾に凝る趣味のないンドゥールの私服が極めて質素であることを差し引いても、それは明らかに異質であった。

「ホル・ホース・・・・コレは、女物の衣服のように俺には思えるのだが?」
慎重に、しかし直截な問いを投げかけるンドゥールの『らしさ』に、ホル・ホースは片頬を歪めて破顔した。

「そのとーり!女の子の着るドレスだ」
「貴様・・・・・俺を馬鹿にしているのか?」
ホル・ホースには陰湿な悪意や敵意といったものはない。しかし、しばしば悪ふざけが過ぎるのも事実だ。
さすがにムッとしたンドゥールは威嚇するような形のゲブ神をホル・ホースに向けた。もし目の前に立っているのがホル・ホースでなくテレンスであれば、威嚇なしにスタンドもしくは本体でブン殴っていただろう。

「おいおい、物騒なモン人に向けんなよ。おまえのは洒落になんねぇーんだからよ」
「安心しろ。洒落のつもりはない」
「安心できねーっての」
真面目に怖いことを言うンドゥールに、ホル・ホースはやれやれと肩を竦める。

「あのな、何も俺はおめぇに嫌がらせがしたくてこんなモン持ってきたんじゃないんだぜ?」
「・・・・・嫌がらせでなもなくお前は男に女物の衣服を差し出すのか・・・・・・・・・俺は、変態は嫌いだ」
ンドゥール、心からの一言であった。自分に付きまとってくる変態は執事一人でたくさんだ。何せ一人で50人分くらい濃いのだから、もうお腹イッパイ胸イッパイなのである。

「人を執事みてぇに言うんじゃねぇっ!」
どうやらテレンス=変態は、ここの住人たち共通の認識らしい。ダニエルの苦労が偲ばれるというものだ。

「今日はな、ハロウィーンだろうがよ」
「ハロウィーン?」
聞き慣れぬ言葉をンドゥールは繰り返した。
言われてみれば毎年この時期にそんな単語をチラホラと耳にはしていたが、それが何を意味するのかは知らなかったし関心もなかったのだ。

「何だ知らねぇのか?」
「悪かったな」
知らなくとも構わない。興味も感心もない。どうせ下らないことだ。
けれど、皆が『普通』に知っていること。
今更『普通』の暮らしがしたいともできるとも思わない。ここに集った連中も皆『普通』をかなぐり捨てた人間ばかりだ。
なのに、その『普通でない』集団の中にあってすら自分はあまりに『普通』を知らなすぎる。『普通』に対するコンプレックスなどないが、それとは別にやはりある程度の社会常識がないのは問題かもしれない。
最近、ンドゥールはそんなことを考えるようになっていた。

「悪かぁねぇさ。おまえぇが知らねぇことは俺が教えてやるからよ」
馴れ馴れしくンドゥールの肩を抱きながら、ホル・ホースはっここぞとばかりにアニキ風を吹かす。bQがいいだの面倒は嫌いだのと言いながら、彼はかなりのお節介焼きだ。

「ハロウィンってなぁ、要は祭りだ」
「祭り?」
祭りならばンドゥールも一応知っている。参加したことはないが、その最中を杖を片手に仕事帰りに通り抜けたことが幾度かあった。

「女物の服を着る祭りなど聞いたこともない・・・・異国の風習なのか?」
「まぁそんなとこだ」
「嘘を教えるんじゃぁない」
「うがっ・・!」
デーボの膝蹴りを太股に喰らったホル・ホースが再び蹲る。

「嘘・・・だったのか?」
「全部じゃねぇが一部は嘘だ」
「俺をからかって楽しいか?」
「楽しいんだろうな」
デーボの答えは身も蓋もない。厳つい外見そのままに、根本的に言葉を飾ることの出来ない男なのだ。そしてそれ故にンドゥールはデーボに対し親しみに近いものを覚えてもいる。

「ハロウィーンは女装祭りってわけじゃねぇ。キリスト教のなんだかの祭りだ」
「異教の祭りか」
何気なく異教と口にしたものの、ンドゥール自身が特定の宗教を持っているわけではない。それは恐らくデーボとホル・ホースも同様であろう。

「そうだ」
「その祭りは本当は何をする日なのだ?」
「俺の知る限り、ハロウィーンってなぁガキ共が化け物のナリして街中を練り歩いて、菓子を寄越せと大人を脅迫する日だ」
「・・・・物騒な祭りだな」
デーボの説明にンドゥールは眉を寄せた。異国の風習はどうにもわけがわからない。

「脅迫といっても、悪戯程度の可愛いモンだ。人死には出ねぇ」
「そうか」
ホル・ホースより幾分マシなだけでデーボの説明もかなり偏っていると言えよう。

「どちらにせよ大人の俺には関係のない祭りだな」
ンドゥールはそう結論付けて悪趣味(と思える)ドレスをデーボにつき突き返そうとしたが、それはしぶとく復活したホル・ホースに阻まれた。

「ハロウィンは何もガキだけの祭りじゃねぇよ。てめぇこそ嘘教えてんじゃねぇぞ?」
デーボを横目で睨みながら、ホル・ホースはさり気無くンドゥールの両手をドレスごと握っていた。歴戦の女たらしは相手が男でも抜け目がない。

「さすがに大人は菓子はねだらねぇが、化け物の扮装して遊ぶくらいはするんだ」
「一部の物好きだけがな」
「なるほど。そしておまえはその一部の物好きというわけか。そんなモノに俺を巻き込むな」
ンドゥールは溜息混じりにホル・ホールの手を振り切った。無駄に陽気な男が異国の子供の祭りに参加することに異議を差し挟む気はないが、それに付き合う気は更にない。

「そうつれなくするなって。俺とデーボもちゃんと魔女のカッコしてんだぜ」」
「おまえたちも女物の服を着ているのか?!」
あっさりとなされたカミングアウトに、まさかだろ?!とンドゥールは見えぬ目を見開いた。
煙草と女の匂いを常に身に纏っているこれでもかと男クサイホル・ホース。ンドゥール以上に上背のある筋骨逞しい身体を傷で覆っているようなデーボ。
そんな二人が揃って女物の衣服を纏っている・・・・それは考えるだに恐ろしい地獄絵図に違いない。
見えなくて良かった。
ンドゥールは心底そう思った。

「だからおまえも着ろ」
「断る」
何がだからなのかわからない。わかりたくない。

「何で?俺らも着てんだからいいじゃねぇか、なぁ?」
「俺と衣装を替えるか?」
デーボの申し出は彼なりの親切心からなのだろうが、根本的なポイントがズレている。

「ええ〜俺ぁシャイなドゥドゥのために露出度低いドレス選んでやったんだぜぇ〜?」
「やるなら徹底的に派かもしんねぇだろうが」
「うお!男らしいっ!!さすがドゥドゥ」
「ちょっと待て!勝手に話を進めるな!」
明らかに間違った方向性の『男らしい属性』を付けられそうになり、ンドゥールは激しく否定した。

「デーボ・・・おまえは一体何を着ているんだ?」
「ドレスだ」
剥き出しの広い肩。際どい所まで露出した逞しい大胸筋から腹直筋。大胆なスリットから覗く鍛えこまれた脚。
それらを惜しげもなく曝け出し。堂々と胸を張って答えるデーボはある意味とても男らしいと、衣装調達係を買ってでたホル・ホースは幾ばくかの畏敬の念を覚えた。

「ホル・ホース・・・おまえは?」
「あ?俺は黒のワンピース。チャーム・ポイントはシマシマ靴下だ」
にこやかに答えたホル・ホースは、彼お気に入りのジャパニーズ・アニメーション『魔女の○急便』の魔女っ子をイメージした地味な黒のワンピースを着ていた。

「おまえら・・・いい年をした男が恥ずかしくはないのか?」
自主的にこんなコトを仕出かす連中に聞くだけ無駄と知りつつも、ンドゥールは聞かずにはいられなかった。

「別にぃ〜?いつもしてるわけじゃねぇし。たまならいんじゃねぇの?」
「一年に一度くれぇなら別にかまわねぇな」
どうやら彼らとンドゥールの感性は基盤からして別規格らしかった。

「とにかく俺は・・・・」
「DIO様も参加するんだぜ?しかもありゃぁかなりノリノリだったな〜」
「あぁ、何か気合が入っていたな」
「そういう冗談は・・・!」
敬愛する主を引き合いに出され、ンドゥールの端整な眦が吊り上った。

「いや、マジだ」
「あぁ。こいつぁ嘘じゃねぇ」
「まさか・・・・」
そう否定しながらも、ンドゥールは内心で否定しきれぬものを感じてもいた。
彼の主は気まぐれで酔狂で、他人(主に部下)に迷惑をかけるというか嫌がらせをするというか・・・そうした些か困った趣向の持ち主なのだ。

「で、おめぇどーすんだよ?せっかくDIO様が参加する祭りに出ねぇのか?」
「それは・・・」
DIOから直接参加を命じられたわけではないのだから、ここで何も知らなかったことにしてスルーしてもお咎めはないだろう。だが、知ってしまった事実は事実。実直なンドゥールに聞いて聞かぬフリは難しい。
そこにつけこんで、ホル・ホースはさらなる追い討ちをかけた。

「ほら、あの人って昼は表出らんねぇだろ?だから夜に開かれる化け物祭りなんて聞くとちょっとハイになっちまうんじゃねぇのか?まんま吸血鬼だし」
「確かにそうかもしれんが・・・」
暗闇の中でしか生きられぬ人外の主を思い、ンドゥールは少し胸が痛んだ。
同情ではない。悪の救世主たる主に同情できるほど自惚れてはいない。
共感、でもない。人を超えた高みにある主と、ただの人間でしかない己を同列にするなど不敬の極みだ。
なのにホル・ホースの言葉がやけに胸に響くのは何故なのか。

「な?たまにはオフザケに付きあえや」
「・・・・」
「ドゥドゥなら似合うぜ?俺が保障してやる」
「そんな保障はいらん」
反射的に言い返しながら、ンドゥールは手にしたドレスを握り締めてしばし逡巡していたが、やがて決意したかのように頷いた。

「わかった。だが、今夜一晩だけだ。二度は着ないからな」
「よっしゃ!」
ホル・ホースは嬉しそうに手を叩いた。
ンドゥールの女装という世にも珍しいものが見られる上に、彼にドレスを着ることを承諾させた報酬として、DIOから多額のボーナスが支払われるのだから、嬉しいのは当然であった。

「悪党だな、てめぇ」
「おまえだってイイヒトじゃねぇだろ?」
「違いねぇ」
不承不承着替えを承諾したンドゥールを玄関先で待ちながら、デーボは傷だらけの顔を微かに歪めるようにして苦笑した。