一年半くらい放置してたものを漸く。
なんか、描いても描いても上手くいかなかったんですわ。
しかい、漫画と手ブロと絵茶ばっかやってたら、本格的にイラストソフトの使い方が・・・
昔は主線じか描きも下書きPCも問題なかったのに・・・アナログでGペンなれるとすごく楽でいかんです。あと手ブロの気軽さは魔性の魅力ですね。はみ出さないで色を塗る、余計な線を消すという基本作業がめちゃくちゃめんどくさくなってました。
ギアス本の執筆に取り掛かるまで、少し真面目に絵描こうかなぁ・・・
今年はJOJOオンリーに出たい。
そしてデーボさん本を出したい。
漫画か小説かは分からないけど、エロ本書きたい。

『時には安らかに』

いつものように特に用もなく訪れたデーボの部屋で、ホル・ホースは世にも珍しいものを見た。
ベッドで眠る部屋の主、通称呪いのデーボである。
デーボがデーボの部屋で眠っていること自体は珍しくもなんともない。むしろ冷蔵庫で爆睡してるほうが余程おかしい。
にも関わらず、ホル・ホースは珍奇な生き物を見るような目で、深い眠りから醒める気配もないデーボを感慨深げに見下ろしていた。
一糸纏わぬ姿で眠るのはいかにも彼らしかった。きっちり上までボタンをかけたパジャマを着こんで眠るデーボというのは想像しにくい。
はいだシーツを抱きしめ、身体を丸めた姿も、動物的な部分のある彼には似つかわしいように思える。
デーボとそういう仲であるホル・ホースにしてみれば、傷だらけの異様を通り越して異形と成り果てた彼の身体も今更な話だ。

(ガキくせぇ顔だなおい)
起きている時のデーボは、傷を差し引いても凶相、贔屓目に見ても強面だ。それがこうして眠っていると、年相応以上に幼くいっそあどけなく無垢ですらあるのだ。
付き合いのそこそこ長いホル・ホースは、デーボの寝顔など幾度となく見てきていたが、こんなにも穏やかな寝顔は初めてで少し戸惑った。

(なんだってんだよ)
陽だまりで心地よさそうに眠る裸の男の前で、ワケのわからぬ居心地の悪さを感じながらホル・ホースは無意識にポケットをまさぐり煙草を咥え火をつける。
習慣化した煙を味わい不健康に肺を満たし、ホル・ホースはもう一度落ち着いてデーボの寝顔を観察し、あることに気づいた。
今日の彼の顔は苦痛に歪んでいない。
たったそれだけのこと。しかしそれは、決定的な常との相違点であった。
デーボは警戒心が強い。プロの殺し屋としては当然のことなのだが、相手が誰であれ不用意に他人の前で眠ったりはしない。そんな彼がホル・ホースの前で不本意ながらも寝顔を晒すのは、手酷く傷ついて半ば失神するようにして眠りに落ちる時だけだ。そして傷を癒すためのその眠りは常に健やかさとは無縁であり、デーボの意外にも華奢な作りの顔は異常回復の代償である発熱と激痛に歪むのだ。

「可愛いじゃねぇか」
額にかかったデーボの黒髪をそっと払い除けながら、ホル・ホースは目を細めた。傷だらけで凶悪な人相をした柄の悪い大男でありながら醜男ではないと心中密かに思ってはいたものの、苦痛・警戒・攻撃性・殺傷本能から解き放たれた彼がここまで一般受けしそうなハンサムだなどと誰が予想しえただろう?

「女にゃ見せたくねぇなぁ」
美しい女、可愛い女は一人でも多く自分がモノにしたい。それがホル・ホースの男の性であった。

(キス・・・したら起きちまうだろうなぁ、流石に)
敏感なデーボが、ココまで目覚める気配も見せずにホル・ホースの接近を許していること自体奇跡的なのだ。キスなどしようものならば、たちどころにキツイ目を見開き逞しい腕を振るってホル・ホースの顔面を躊躇いなく狙ってくるだろう。

(しばかれるのはゴメンだぜ・・・それによぉ)
起こしたくない。
純粋にホル・ホースはそう思った。眠る男の邪気のない姿にあてられたワケでもないが、ホル・ホースはデーボにとって今この時間がどれほど貴重なものであるかかなり正確に理解していた。
苦痛に声を枯らし身を捩りながらの睡眠が日常と課している男なのだ。ただひたすら穏やかな心地良さに包まれて貪る深い眠りは何物にも変えがたい至福の時であるに違いないのだ。

「ぐっすり寝とけ」
微かに疼く下半身に苦笑しながらホル・ホースは昼酒を求めてキッチンに向かった。