暗い昏い空間に、真っ赤な血飛沫が散る。
普通の人間には見えねぇ赤と黒が、俺の目には素晴らしく鮮やかに見える。
俺が俺の目で見ているのか、エボニィが感覚の目で見たものが俺の脳に届いているのかはわからねぇ。
だがそんなコタぁどーでもいい。俺は医者でも科学者でもねぇからな。
俺は殺し屋だ。
殺し屋は、ただ殺しを心から楽しんでやればいい。
俺は震える。
肉を引き裂く感触に。
俺は吼える。
骨が砕ける手応えに。
俺の全身が脈動する。
命が潰えるその瞬間に。
俺の身体の数箇所から這い登ってくる灼けるような痛み。
あぁ、痛ぇ。たまらなく痛ぇ。
痛くて痛くて、笑いが止まんねぇよ。