個人自立活動の内容
活動の実施
- 家事全般
- 投資
- 学習・趣味・娯楽
- 地域・サークル・ボランティア活動
- 仕事(非推奨)
自立した生活のためには、全ての家事を自分でこなすことが重要である。掃除・洗濯・自宅のメンテナンスのみならず料理も積極的に行う。家事をアウトソースすることは、十分な経済的余裕があってもお勧めしない。使わないスキルは次第に退化し、いざという時に何もできなくなってしまう。家事を「めんどくさい作業」ととらえずに、「掃除で奇麗になった室内や玄関」「片付けや断捨離ですっきりした居室」など、家事でやりがいを感じられるように工夫する。
世の中に出回っている個人的自立やFIREに関する書籍の内容は、ほとんどが経済的自立、特に投資の指南書である。デフレ脱却後は、インフレで資産は確実に目減りする。株や投資信託などのリスク資産にある程度投資することは避けて通れない。
サラリーマン時代のような毎月安定した収入がなくなると、その代替として、毎月分配型の投資信託に魅力を感じるようになる。しかし毎月分配型では複利による資産の増加のメリットがない。新NISAでも毎月分配型は対象から外された(隔月分配型は選べる)。個人的自立生活では見かけの毎月安定収入よりもトータルな金融資産の運用を心掛ける。
2024年8月初頭に日本株が大きく下落した。過去にもバブル崩壊やリーマンショックなどがあったが、株式や投資信託はリスク資産であることを再認識し、冷静に判断して行動することが必要になる。
個人自立状態では、資格取得やツールとしてのプログラミングの勉強を除き、キャリアアップのための学習はもう必要ない。学習は趣味や娯楽と同じく、愉しみとして行う。一般に理系の学問は組織人としては重要だが、一個人の愉しみの学習は文学・地理・歴史などの文系学問である。特に、美術や仏教・神道について学習すると、博物館・美術館・神社仏閣巡りに役立ち、学習が立体的なものになる。理系学問の中では唯一数学が本と紙とペンがあればできるものであり、やり方次第では愉しみにもなり得る。数学書を読む上で大事なことは、「式展開の省略されている部分を補うようにノートに書き写していく」「定理などを抽象的に理解しようとせず、必ず具体例を作って確認してみる」である。
仕事をしない者にとって、これらの活動が社会との接点である。自治体の地域センター主催の行事をこまめにチェックしたり、「タウンニュース」などの地域情報紙やケーブルテレビの地域情報番組で地域のイベントの情報を入手する。ボランティア活動も、自治体のホームページにさまざまな案件が載っている。しかし、スキルや資格を必要としない活動には枠に対して希望者が殺到して、やりたくてもできずにかえってストレスとなるケースも出てくる。報酬がなくても自身にとって十分なメリットやインセンティブがあるような活動は、時間をかけて探したり準備したりした方がよい。
昔でいう「内職」、今でいう「副業」的な仕事を行って家計の足しにする、という考え方もある。しかしこのような「ちょっとした稼ぎ」は以下の点で問題がある:(1)正式な雇用でない「ギグワーク」は最低時給がなく、拘束時間が長いわりに収入が少ないケースが多い、(2)「稼げる副業」といった甘い言葉に乗せられて始めて見たものの、実際は詐欺まがいの重労働で薄給というケースもある、(3)「クラウドソーシング」がもてはやされたこともあったが、クラウドソーシングは労働供給側のオークションであるため、働く側は買いたたかれ、労働単価は非常に安くなる。
活動の管理
- 健康管理
- 資金管理
- 個人活動指針(標語・道しるべ・教訓)
年を重ねるにしたがって様々な病気にかかるリスクが増大する。ラジオ体操などの軽い運動、ウォーキング、筋肉を維持するエクササイズなど。定期健康診断を受けることも重要。
財産管理や日々の出入金管理は面倒であるが、「マネーフォワード」などのアプリでかなり自動化できる。資産や支出の状況がいつでも手軽に確認できることが極めて重要。
今後の財産見通しは、年間の出入金実績をベースにエクセルシートを作っておく。
「迷惑老人」にならないように:(1)セクハラ、カスハラ、ストーカーをしていないか。サービス業務として接している(特に若い)女性従業員と必要以上の無駄話をしたり、電車やバスの中で女子学生に「席空いてるのに座らないの?」といった余計なおせっかいをするのは慎むべき。(その接している)相手が男性であっても同じ事をするか考えよ。(2)難聴を予防する:難聴になると、女性の高い音声が聴きにくくなったり、大声で怒鳴るように話したりするようになる。マグネシウムを摂る(海藻・ココア・アーモンド等)[1]。
身の安全の確保:難聴になると道路を走る車の音が聞こえにくくなる。道の右端を歩くことを意識する。
[1]新版老人の取扱説明書