GLASGOW REPORT -Gillianに逢いたい...4,000マイルの旅- By Stubb Cetus 6月17日(金) ■8:00 p.m. (approx.) カンタベリーのコーチステーションからロンドン行きのバスへ乗り込む。 気分は浮かれぎみだったが余り実感は湧かない。 これから「5年間待ち続けた人」に会いに行くというのに、なぜだろうか。 ただ、多少の興奮のせいかバスの中では眠ろうとせずに、友人と最近 内輪ではやっていたカードゲームをして二時間を過ごす事になった。 その後町並みが明るくなり、ロンドンに着いた事を認識する。 ロンドンのコーチステーションに着き、時間までを近くのバーで過ごす。 一杯お酒を引っかけながらまたもカードゲームをして時間をつぶす。 ■11:00 p.m. (approx.) そうこうしているうちに、30分前になりバスへと乗り込む。 今度は長い時間を車内で過ごす事になるのだ。やや緊張した面持ちで入っていく。 もう既にほとんどの席が埋まっており、友人と二人隣に並ぶ事が出来る席はなく、 仕方なく通路を挟んで隣という席を選んだ。8時間を狭いバスの中で過ごすのは かなりの苦痛を要するため、おまけに時間も遅いこともあり、お互い明日のために 寝ることにした。乗り物に酔いやすい体質のために飲んだ酔い止めが効き出した 頃はもう既に眠気が襲ってきた。ちょうど約4時間後、パーキングエリアに 停まり休憩時間となる。寝ぼけながらも起きてドーナッツと紅茶を口にする。 そしてまた狭い空間へと身を運ぶ。 ■7:00 a.m. (approx.) 朝日が眩しくて目を覚ますと、バスはグラスゴーの市内に入っていた。 眠い目をこすりながら降りる準備を始める。数十分後、グラスゴーの コーチステーションでそのバスは停車する。到着の喜びとこれから待ち受ける 「世紀の大イベント」とで気分はだんだんと高ぶっていく。バスを降りて まず始めに、地元の地図を購入する。そして、その地図を手掛かりに 最寄りの駅へと足を進める。B&B(ベッド&ブレックファースト)が 最寄りの駅から電車にゆられ20分という位置にあり、荷物を置きに行くには 時間がかかるとの判断でコインロッカーに預けることにした。 早朝であったので、お店も開いておらず唯一開いていたバーガーキングで 朝食をとりお店の開く時間まで待つことにする。 ■9:00 a.m. (approx.) ようやく観光案内所が開く時間になり、足早で入り口に向かう。 まず始めに訪れなくてはならない場所は、トレーラーが停まっている所。 この情報を仕入れたGAWSのサイトには場所が詳細に記されていたため、 地図を頼りに行動を開始した。 ■「フィールド」にて(ここから先は時間は不明のため明記しません) トレーラーがあるとされた場所がフィールドとしか頭になかった私たちは、 地図上に見つけた一つへ行ってみることにした。最寄りの駅へ向かい、 電車にゆられ無人駅へと到着。こんな所にあるのだろうかと不安になりながらも 急ぐ足。道が分からなくなると通行人に容赦なく尋ねる。南に住む人間には 北の人々がいかに温厚であるかを実感させられる瞬間である。皆、嫌な顔 ひとつせずに笑顔で返してくれた。やっと「フィールド」へと着くと、 そこはもぬけの空。とりあえず、また聞き込み作戦。ワーカーらしき人に、 映画の撮影があったか聞いてみる。『そんなものは見ていないよ。』との 答えが全員から返ってくる。仕方がないので、もう一度出発点へ戻ることにした。 ここのシティーセンターには、撮影に使われる予定の市庁舎があるため 聞き込みと偵察に行ってみることにした。 ■市庁舎にて 1883年に建設されたものでグラスゴーでは最も有名な建築とされる。 ルネッサンス様式で、内部はすべて大理石で出来ているとか。 さすがに中は厳格な雰囲気が漂う。どこまで見ることが出来るかと問うと、 一階のフロアーのみだけだと言われ、多少落胆したものの写真を撮って 満足感に浸る。別段見るものもないので帰ろうとしたが、その前に 尋ねなければならないことがあった。「ここは映画の撮影に使われる予定と 聞きましたが。」と控えめな言い方で聞くと、『ここはあしたから四日間 閉鎖されるんだよ。』「えっ、それって明日から撮影が始まるって事ですか。」 『なんて言う映画かは詳しく知らんがね、そういうことだよ。』と答えてくれた。 信じられない、何というタイミングの良さ。まさかちょうどその時期に 当たるとは...。それなら話は早い。明日一日中張っていればいいのだから。 明日には必ず一目でも見れることは出来るはずだ。そう思ったら気が楽になり、 もう一ヵ所行ってみる気力が出た。そして向かうはグラスゴー大学。 ■グラスゴー大学にて 大学内にあると思われるクイーン・マーガレット・ホールというところの 向かいに撮影隊がテントを張っているという情報があったのでとりあえず そのホールというものを探すべく聞き込みを始める。学生なら分かるだろうと 思ったのだが、何人かに聞いたが分からないとの答え。ビジターズセンターに 行った方がいいとのアドバイスを受け、大学の地図で場所を確認して向かう。 落ち着いたムードの漂うカフェの窓口がそれだった。地図を広げると、 ていねいに印までつけてくれた。後はその地図を頼りに足を棒にさせて 歩き回るだけ。 ■クイーン・マーガレット・ホールにて 一見大学の事務所にしか見えないその建物の向かいには、フットボールピッチが 見えた。が、しかし車の一台すら停まっていない。がっくりと肩を落とし、とにかく また聞いてみる。『昨日まではいたのにね、今日は何処かへ行ってしまったわ。』 との言葉にまた愕然とする。明日の場所は完璧なんだから、と云う友人の言葉に 慰められ、とぼとぼとその「跡地」へと足を踏み込む。と、確かにたくさんの車が 止まっていたと思われるタイヤの跡が見える。確信を持った私は半分しょぼくれ ながらもその「跡」と共に記念撮影。 初日のジリアン探しはこれでお開き。空腹の私たちはおいしいイタリア料理に 満たされ、明日に備えB&Bへと向かった。 6月18日(土) ■7:30 a.m. (approx.) 起床 ■8:00 a.m. (approx.) 二人のスコットランド人らしき宿泊客と共に朝食。ほんの少しの間だが、会話を楽しむ。 腹ごしらえが終わると、いざ出発の準備。駅まで歩いて電車にゆられ、市庁舎近くの駅に到着。 ■市庁舎にて 駅に着くと興奮状態となり、走って市庁舎まで行く。するとそこには、何やら クルーらしき大型車が何台も止まっている。とにかくまた、聞き込み作戦。 「フィルムクルーの人ですか?」『そうだよ。』「ジリアンはもう来てる?」 『そういうことはよく知らないんだ。向こうにいる人に聞いてみたら知ってるかもよ。』 という事でもう少し先を歩き、また尋ねてみる。「ジリアンはいつ来るの?」 『まだ来てないけど、そろそろ来るよ。でも今日は室内の撮影だから会えないかもよ。』 なに、まだ来てないということは、入るのを見張っていればジリアンにあえるかも...。 と言うことで暫く近くのカフェで入り口の見えるところに座り、見張ることにした。 何分雨が降っているものだから、外では待っていられなかったのだ。 ■カフェにて ジリアンが乗っている車種が分かっているから入ってくる車を片っ端からチェック。 1時間ぐらいが経過して、もう一度クルーの人に尋ねに行くと『もう来てるよ。』 との返事に愕然。ただ、その人はジリアンのドライバーだったため少し話し込むと、 『ランチタイムにはまた出てくるから、その時に会えるかもよ。大体1時ぐらいかな。』 ありがとう、おじさん。 ■市庁舎にて ということで、12時45分頃から雨の中、外で待機。びしょびしょになりながら、 ジリアンを待つこと1時間だったろうか。クルーの人達が続々とランチへと出掛けて行く。 そして、また30分くらいが経過して中からコルセット姿の女優さんが出てくる。 背格好からして、ジリアンではないことに気づく。するとその後に続き、紺の コルセット姿に身を包んだ小柄な女性が車に乗り込む。一瞬の出来事であった。後ろ姿しか 見れずとも、確実にあれはジリアンであった。私たち二人が近づこうとする余裕もなく 車は反対方向へと走って行ってしまった。唖然としていたところに、クルーの 現場アシスタントらしき人が『今は忙しいけど、帰るときには会えるよ。4時か5時頃 になると思うけど。』というまたしても有力な情報をくれた。 ■カフェにて 先程の感動の一瞬が冷め止まぬまま、また同じカフェへと腰を落ち着かせた。 お昼時ともあって、窓際の席が埋まっていたため他の席へと座り、友人と共に 余韻に浸っていた。 ■バーにて 4時までまだ時間があるので、バーで暇つぶしにまた例によってカードゲームをする。 髪の毛がびしょ濡れだった為、トイレの温風機で乾かす。そして15分前に、バーを出る。 ■市庁舎にて 何十分かまた待っていると、スタッフの一人が、長引いてしまって、終わるのは6時頃と 教えてくれた。仕方がないので、また近くのカフェ(先程のカフェよりやや奥の)で またもや、待機。 ■カフェにて  先刻の興奮はやや冷めていたが、時間が余っていたため友人や親戚などに葉書を書いて 時間を過ごした。そして6時15分前にお店を出て向の市庁舎へ急ぐ。 ■市庁舎にて 映画の撮影が時間どおりに終わる訳もなく、また寒い中待ち続ける。中には一般人らしき人が 三人ほどいた。1時間ぐらいが経ったころだろうか、わたしたち二人が少し距離を離れた ところで待っているのを見つけ、その一般人の一人が話しかけてきた。強いスコティッシュ 訛りで聞き取りづらかったが、とてもフレンドリーな人だった。『サインを貰いたいんだろう? 何をもってきたの?』り聞かれたので、"Playing By Heart"と"X-FILES"(初期)のポストカード を見せると、興味津々で『("Playing..."の方を指して)このポストカードはどこで手に 入れたんだい?』ときく。「日本にいる友人が送ってくれたものだよ。恐らくアメリカからの 輸入品だろうと思う。」と答えた。そして、彼の連れだろうと思われる中年男性にそれを もって行き見せていた。すると、その中年男性が持参してきたジリアン及び他のキャストの 写真やら切り抜きやらを見せてくれた。とりわけ目に付いたのは、ジリアンの生写真だった。 『ロンドンで撮ったものだよ。』と教えてくれた。そうこうしているうちに外が騒がしくなり、 ジリアンが乗っていた車が中へと入ってきた。そろそろだ。中からようやくキャストらしき 人が続々と出てきては車に乗ってゆく。私が、その中年男性とはなしていると友人が 袖を引っ張り、『いるよ、ほら、ほら。』と注意を引かせた。すると、ドア越しには ジリアンらしき人物がスタッフと話している様子が目に飛び込んできた。心臓はバクバクと 鼓動を打ち、全身が凍りつきそうなくらい緊張し始めた。そして、ついに中から白の コルセットに身を包んだジリアンの姿が...。あまりの緊張に足が動かなくなっていると、 友人が背後から私を押してその勢いでちょうど出てきたジリアンの目の前へと立ち尽くす。 焦りと緊張で声があまりでなかったが、辛うじて「Can I have...」が発せられるとジリアンは チューインガムを噛みながら、『もちろんよ。』と言って私の差し出した6年前の写真に サインをしてくれた。『後ろに人が待ってるから。』と素早く他の二人にもサインをし終えると 車に乗り込んでしまった。あっと言う間の出来事だった。全く現実味がない一瞬。 しかも、驚いたのはジリアンのアクセント。呆然としていたために、明確には思い出せない のだが、スカリーのそれとは全く違った、可能性としては北の訛りのようなそれでいて柔らかい、 なんとも言えない喋り方だった。 ■イタリアンレストランにて うれしさと興奮のあまり、雨の中を駆け出し市庁舎をあとにして食事をとることにした。 行き先はもちろん昨日行ったイタリアン。店員も覚えてたらしく、笑顔で席へと案内して くれた。まずは乾杯ということで、お酒を一杯注文した。食事の方は、こしのあるパスタを 頼んだのだが、あまり喉に通らない。幸福感に満たされた私には、今は食欲なんてものが 存在しなくなっていた。私が頼んだ方のサインと友人が頼んでくれた方のサインとで私は 何と、直筆のサインを2つもいっぺんに手にすることができたのだ。 (補足:友人はそれほどのファンではないため、私のためにサインをしてもらったのである。) 2つのサインをまじまじと眺め悦に入っている私たち。あの一瞬の幻想的な出来事が 頭の中でグルグルと回り続け、ニヤニヤしながら一時を過ごした。 イタリアンレストランを後にすると、真っすぐにB&Bへと向かった。その日はいつになく ぐっすりと眠ることができた。 6月19日(日) ■B& Bにて 8:30起床。9:00朝食。帰り支度をして、B&Bを後にする。親切な女将さんが、 駅まで車で送ってくれる。 ■シティーセンターにて 今回の旅行の目的を、もう既に果たしていた私たちは観光と買い物をメインにすることにした。 ただ、グラスゴーには特に見たいというものはなく(あったとしても遠かった)、ぶらぶらと町中を 歩いてお土産を買ったりした。そのうちお昼時になり、ランチをまたあのイタリアンレストランで とることにした。お店へ向かいながら歩いていると、昨日の優しいスタッフの一人と出会い、 向こうもこっちを見て覚えていたらしく手を振ってくれた。奇遇だなと思いながら、歩き続ける。 やっとレストランの前に来ると休みであった。仕方がないので、近くの違うイタリアンレストラン に入り空腹を満たすことになった。食事を終えて店を出て、また来た道を帰っていると なんだか人だかりができている。おまけにそこにはカメラとレールが見えるではないか! これは映画の撮影だと確信したその矢先、ジリアンの乗った車が到着。黒のコルセットに 帽子をかぶり、ベージュのストールを巻いて車から出てくるジリアンの姿を認め、凝視する。 もう、こうなったら終わるまで見て行くしかない。反対側の歩道の真っ正面の位置に立ち、 一時も目を離さずに、撮影の進行状況を見守っていた。コルセット姿やタキシード姿の エキストラと演出家と思われる人が何やら打ち合わせをしている。ジリアンは室内に入ってしまった きりだが、映画の撮影を生で見るのは初めてで二人ともかなりの興奮気味。色々と説明を終えると、 今度はジリアンが登場。余りよくは見えないが、コルセット姿、本当に様になる。 リハーサルを何度か繰り返した後、ようやく本番へとはいる。『Back--Action!』カチンコの音が 鳴り響き、撮影が始まる。やじ馬もさすがに静かだ。シーンとしては、ただジリアンが 年輩の男性にエスコートされ、ホテルらしき所へと入って行くというものだが、何度も モニターチェックをして、撮り直しを繰り返していた。一時日が出ていた為かジリアンが 『...sun...』と叫んでいるのを聞いた。声が、とってもスカリーチックだ。いったん休憩が入り、 そのときには微笑みながらコーヒー(恐らく)をすすっている場面を見かけることができた。 スタッフの人と楽しそうに話しているシーンもしばしばあった。そして、漸く何度目かで OKが入り撮影終了。ジリアンは車に乗って行ってしまった。初めて見る、実際のロケ、 おまけにジリアンが主演のコルセットもの。感動は冷め止まぬまま、駅へと向かった。 その途中、市庁舎のそばを通りかかり、そう言えばと思い走って行くと、門の前で ジリアンの乗った車が止まり、中からジリアンが出てくる。またもや偶然で、見ることが できてしまった。もーうれしくて、やり場がなくなるくらい。 ■カフェにて 再度、人の少ない昨日のカフェで祝福をする。ゆったりとしたカウチに腰を据え、 アルコールで乾杯! 昨日のサインと一緒に記念撮影。程よく酔い、閉店までいたカフェを 後にする。 ■市庁舎にて 駅に荷物を取りに行き、コーチステーションへと向かう。コーチステーションで、もう一度 荷物を預け近くのバーを探す。その途中で、もう一度だけジリアンを見れたらとの私の要望に 応えてくれた友人と市庁舎へ。すると何やら、またやじ馬が集まっている。 どうやらまた外ロケらしい。とそこにはジリアンの姿が...。コルセットの上にスタッフの ジャケットをはおい、待機している。やがてリハーサルが始まった。雨のシーンらしく、 スタッフが壁に水しぶきを浴びせていた。待ち時間が長く、ジリアンはずっと門の前に 立ったままだった。私たちはやじ馬の中のファンや、スタッフとおしゃべりをしていた。 そのうちジリアンが壁にもたれている姿を見た。コルセットは必要以上に身体を締め付けるうえに 撮影が長引いていた為だろうか。そして、しゃがみこんでしまった。するとスタッフがやっと 椅子を持ってきた。そこに座ると、ちょうど死角に入って私たちから見えない位置へと椅子を 動かした。本番に差しかかると、スタッフが窓に姿が映るからと私たちは移動させられてしまった。 そして、待っていた私たちに、『今日はこれで撮影は終わったよ。残念ながら彼女は車で もう戻ってしまったんだ。』と言った。ジリアンの疲れている様子は、スカリーの辛い様子も 見れない私にとってはかなりの衝撃だった。昨日はあんなににも明朗な姿を見せてくれたのに。 なんだか、気分が落ちてしまった。 ■バーガーキングにて 何か食べようと思い近くのファーストフード店へ入る。だが気分は晴れない。友人が気晴らしにと カードゲームを始めるが、乗り気ではない。一人暗くなっている私に『元気を出して。』との 友人の言葉が耳に入らずにいた。 ■コーチステーションにて 出発時間よりかなり早く着いてしまい、2時間ほど待ち、ようやく来たバスに乗り込み グラスゴーをあとにする。酔い止めを飲んだお陰で、即睡眠に入りパーキングエリアで起こされる。 ■パーキングエリアにて 寝ぼけながらも、紅茶を飲み休憩をとる。時間が来て駐車場へ向かう。と、私たちの乗っていた バスがない。やっとの思いで見つけ入っていくと、今度は席がない。『君たちのバスは前のだよ』と アラブ系の男性が教えてくれたが、そのバスは目の前で発車してしまった。焦る私たち。 もう一度番号を確認すると、確かに合っている。そのバスの行き先を聞くと、グラスゴーだと言う。 ほんの数分遅れただけで、まさか置いて行かれたのでは...。とにかく歩いている人に 聞いてみる。分からないという答えが返ってくるだけ。頭はもうパニックに陥る。中に戻り、 入り口はここだけかと問いているとキャシアーの女性が『あなたたちのバスは、反対側よ。』と 叫ぶ声がした。やはり...。外で聞き回っている友人にその事を告げ、反対側へ行ってみると 運転手が私たちを捜していた。その瞬間に安堵感を覚えたが、まだ心臓の鼓動は早かった。 バスへと戻り、自分たちの席に着きバスは間もなく発車した。 ■ロンドンコーチステーション 眠気が覚め止まぬまま降り立ち、また数時間待つ。もう既に日付は20日になっていた。 ゲートへ行くと既にバスは来ており、列に並び乗り込む。 ■カンタベリーコーチステーション 強い日差しのせいで重い目を開けると、見慣れた風景を目にする。降り支度を始め、 数分後にはバス停に到着。南はやはり暖かい、と言うより厚着をしていた私には、暑いぐらいだ。 タクシー乗り場へ行き、カレッジへと帰宅。 THE END −あとがき−  ジリアンに会ったときの詳細よりも、私たちの行動を隅々まで記しました。旅行の記念にも なると思ったので。それでも、最後まで読んで頂いた皆様に、感謝の気持ちを捧げます。 尚、感想・質問等がございましたら、下記のメールまでご連絡ください。 <メールアドレス> Ahabs_pegleg@yahoo.co.uk