******************************************  D−1                                                                by kei   僕は足早にエレベーターに乗り込んだ。   階を表示する液晶をぼんやりと見つめながら、僕は貴女との会話を   思い出していた。         僕たちの次の出番には、まだかなりの時間があった。   僕はトレーラーに戻るとドアのノブにかけてある上着のポケットから   携帯電話を取り出した。   これは僕と貴女のつながりの象徴。   どちらかがこれを放り出してしまったとき、僕たちはきっと終わって   しまうだろう。   もう暗記している貴女の番号を押しながら、僕は不安に襲われる   もし貴女が出てくれなかったら・・・    ”もしもし?”   嗚呼、貴女の声    ”Gill?僕だ”   何の返事も返ってこない。      その沈黙が恐ろしくて僕は貴女を呼ぶ。    ”もしもし、聞こえる?” *************************************** ああ、短くてごめんなさい。 もうそれしかいえません。 ごめんなさい。