アレルギーのページ

NHKスペシャル「アレルギーを治せ!」の感想

卵アレルギーについて

2011.11.20
卵アレルギーの1つの原因は、「卵の消化不良」
と言われているのだが、番組はそのことに触れていなかった。
私の弟は、小さい頃卵アレルギーだったのだが、中学生くらいになったら
卵アレルギーは消えていた。
卵アレルギーの解消も減感作によるものかと思っていたのだけど
子供のときアレルギーを起していたのに自然と治るというのは、
ちょっとそれでは説明がつかないのだ。
減感作療法は、本当に慎重に少しずつ量を増やして行かなければ
ならないのだが、そんなことしなくても自然に慣れて行く感じなので
減感作療法とは違うのだ。
また、卵アレルギーでない自分が、シュークリームのシュー皮の生地を
作るのに失敗して、多量に食べた時、普段卵アレルギーでないのに
軽い卵アレルギーを起したという経験が、2回程ある。
卵アレルギーでない人が、多量に卵を食べる事で一時的に
卵アレルギーになるのだ。しかも、症状が出てしばらくしてから
普通の量の卵を食べても全く問題ない。

さて、
・子供の卵アレルギーの自然解消
・卵アレルギーでない人が多量に卵を食べた時の一時的な卵アレルギー
この2つの事象を、卵の消化不良説を当てはめると納得出来る。
子供には、卵をうまく消化出来ない人が居て、成長とともに
消化出来るようになって行くそうだ。
自分が卵を多量に食べた時も、消化不良が起きていた可能性が高い。
タンパク質は、消化されるとアミノ酸になるのだけど、消化の過程で
中途半端に分解されたペブチド鎖が出来る。
これが、そのまま体内に取り込まれて皮膚などを作るのに使われたら
その部分で、免疫反応を起こしてしまう事は、十分に考えられるのだ。
韓国ドラマ「大長今」(宮廷女官 チャングムの誓い)で、チャングムが
マラリヤのような病気を牛肉を使って治す場面があるのだけど
あれは、牛肉を大量に食べさせて消化不良を起こし、それによる
アレルギー反応で原虫を退治するというものだ。
同じ原理だと思う。

悠香の石鹸・茶のしずく(旧製品)

2011.11.20
番組では、製品名など出していなかったけれど、
加水分解小麦でアレルギーが起こるというのは驚き。
しかし、これは卵アレルギーに似ていると思うのだ。
恐らく、タンパク質を完全にアミノ酸に分解していれば
アレルギーは起きなかったのだと思う。
加水分解で中途半端に分解されたペプチドのあるパターンに
免疫が反応した可能性が高い。
石鹸のアルカリ性で皮膚の角層が溶かされ損傷を受けたと
見なされた場所で、特定のペプチドのパターンがマクロファージに
よって抗原提示されたのだろう。

アトピー性皮膚炎とステロイド使用について

2011.11.20
何か、とても無責任な放送に思えてならない。
アトピー性皮膚炎の第一の原因が、角質の損傷によるものであれば、
もっと保湿クリームを使うとか、スキンケアの観点で治療方法が
述べられるのが普通ではないか。
ステロイドを使えば万事OKと聞こえる、安易過ぎる。
そりゃあ、ステロイドは、炎症を抑えるとても強い薬だから、
つけているうちは、間違いなく効く。
それに、あの患者さんのアレルゲンが何か調べていなかったし。
ステロイドを使い始めて間もない段階で、良くなったね・・・
という放送をするのは、安易過ぎる。
もしも、現時点で既にステロイドを全く使っていなくて、良くなりました
という放送ならば、問題ないと思うが、そうではないだろう。

アレルギー以外でステロイドを一時的に使うのは、私もそんなに
問題だとは思わない。
痔の薬などは、ステロイドでないと間に合わない場合もある。
しかし、アレルギーが関与した症例で、ステロイドを使うのは、
自分なら勧めない。
ステロイドを使うとき一番問題になるのが、使うのをやめた時に
急激にアレルギー症状が出てしまうリバウンドの問題。
皮膚細胞は、免疫による炎症があるとうまく成長出来ない性質がある。
そこで、ステロイドによって免疫作用を抑えてやると皮膚細胞が
増殖して傷を塞いでくれる。
ところが、アレルギー疾患でステロイドを使うと、
ステロイドで無理矢理皮膚細胞を増殖させるものだから
アレルギーの抗原物質を皮膚に抱えたまま皮膚細胞がつくられ、
ステロイド薬をつけるのをやめると、復活した免疫作用が、
皮膚に蓄積されたアレルギー物質と反応して強い炎症が起きる。
それは皮膚内のアレルギー物質が代謝されて無くなるまで続く。
もし、あの医師がこの点を考慮していなくて、ただステロイド剤を徐々に
減らせばリバウンドが起きないと考えているならちょっと問題だ。
そんな気がするのだけど。
番組では、アトピー性皮膚炎に限っては、大丈夫と言いたいのだろうけど
色々な疾患がある中で、誤診を含めて考えると危険。
また、飲み薬でなければ問題ないと言っていたようだけど、副腎皮質ホルモン
というホルモン剤なので少量でも効果は大きい。
そもそも取りあえず、ステロイドで炎症を取って様子を見ましょう
という皮膚科医が多い中、皮膚科医の啓蒙活動も本当に進むのだろうか。
皮膚科医に言いたいのは、
「根本原因をつきとめずに、ステロイドで炎症を抑えて表向きだけ治すな、
 ちゃんと診断しろ。」
ということだ。
これが出来ない限り、医療の顧客満足度は上がらない。

それで、もし仮にリバウンドが怖くてステロイド薬を使い続けると
どうなって行くかというと・・・
長期間使用し続けると次第に皮膚の弾力が失われ
顔に使用した場合、ボコボコした感じの厚いの仮面のような皮膚になって行く。
自分がステロイドをやめてから、頬の皮膚が弾力を取り戻すのには
数年を要したから、やはりこの点も注意しないと。

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