コーヒーの木の凍傷予防

コーヒーの木は、熱帯の高地の植物なので、0度以下になることはなく
凍結に対する耐性を持たない。
だから、日本で栽培すると霜が降りると枯れてしまう。
ところが、みんなが飲んでいるコーヒーの中には、不凍物質が含まれるらしい。
これが対策として使えないかというのだ。
不凍物質には、不凍糖、不凍蛋白質等があり、機能種別でも
抗氷核活性不凍物質と、結晶成長阻止不凍物質がある。
コーヒー液に含まれるのは、抗氷核活性不凍物質らしい。
普通の糖や塩類も単純に濃度が高くなると凝固点降下で凍りにくくなるが、
これよりも積極的に核となる種結晶が出来るのを防ぎ過冷却状態を作るらしい。
地球温暖化に伴う気候変動で、コーヒーの木の絶滅を危惧する専門家の報告がある。
絶滅という意味では、熱帯の高地でない領域で生き残るのではないかと思うが
これだけ寒さに弱いとなると、栽培しているコーヒー農園は大打撃を受けるだろう。
これを防ぐ方法としては、遺伝子操作で糖や蛋白質の一部を不凍物質にすることが
考えられるが、これは果たして可能なのか分からない。
しかし、あるテレビ番組で枝豆(大豆)にコーヒーの抽出液を与えて、出来た枝豆を
凍結させないで冷凍庫に保存しているのが紹介された。
(関西大学の河原秀久教授がコーヒーかすから不凍物質を発見)
なるほど、不凍物質を肥料のように与える方法があるとは。
大豆が、不凍物質をそれ程吸収し実に蓄えるとしたら、コーヒーの木も吸収して
葉等に送られ冷害に耐えられるのではないかと思い実験してみた。
下の写真は、右側がコーヒーの抽出液(2番煎じ)をコーヒーカップ1杯分を3回与えたもの。



同じ環境に置いたので、明らかに効果があることが分かる。
どれくらいの量与えればいいかや、零下何度まで耐えられるかは分からないが、
氷点下1〜2程度なら乗り越えられそうだ。

その後

1度目の寒波を乗り越えたものの、ダメージは0ではなく、
一度ダメージを受けるとそこから水分が抜けるし、冬の乾燥に勝てない。
かといって水をやると気化熱で凍ってしまう可能性が高くなる。
結果、2本とも2月末には冬を乗り越えられず枯れてしまった。

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