ジャカランダ(Jacaranda)の開花研究

2004年5月、アメリカのカリフォルニアで木に咲いた紫色の花を見た。
桐の花を細かくした様な花で、日本の桜を思わせる様な華やかさがあった。




栽培開始

帰国して、2004年7月、観葉植物として売られていたものを取り寄せて育て始めた。
品種は不明だが、高い木に成長したので、普通のミモシフォリア(Mimosifolia)だろう。
当時の、Webでの調べでは、種から8年、幹が手首の太さくらいになると花が咲くとあった。
ところが、日本ではそう簡単には咲かないのである。

日本での栽培

花を咲かせているのは、
宮崎県日南市南郷町
静岡県熱海市東海岸町
が有名。
愛媛県松山市御幸町一丁目でも立派に咲くらしい。

ここまで大きくなったが咲かない



ただ1度だけの開花



この年は、東商の「花咲く肥料」を正月に施肥した。
ホームセンターで見かけて、名前の通りなら効果あるかもと思ったのだ。
この肥料のせいかは分からないが、この肥料を与えた年だけ花が咲いたのは間違いない。
2株のうち1株、さらに3本に別れた枝の1つだけ。

寒さで落葉するから咲かないのか

落葉については、大きなロスになるのではないかと思う。
霜が降りず、新芽が寒さでやられない方が花を咲かせやすいだろう。
しかし、一度だけ花をつけた時も、花芽をつけたのは落葉後だし
横浜某所で見つけた何度も花をつけている木も落葉後に花を咲かせている。


開花の条件の諸説

・日照
・気温。暖冬。(出来れば寒波で落葉させない方が良い)
・木の幹が手首くらいの太さ。(高さが3m程度)
・品種
・水をやり過ぎない(乾季説)
・肥料
今のところ信憑性があるのが、肥料。
どうもリン酸肥料が重要なのではないかと思う。
まあ、物事複数要素が整わなければ成立しないことは多いが。
・葡萄などはチッソ肥料をやりすぎると花がつかないと言われている。
・マグネシウムは、リン酸の吸収を高める。
・シンビジウム(洋ラン)に花をつけさせるため、骨粉を与える

矮性品種

2019年頃から、園芸店に出回り始めたみたいで高さ50cmくらいの
苗で花が咲いているものを見かける。
矮性品種と呼ばれているが、どういったものか詳しい事は分からない。
2021年に花が咲いている苗を買って、鉢植えで冬越しした。
2022年、2月に雪も降り、3月も冷え込んで、普通のジャカランダは、
花芽をつけない年だが、この苗は、寒さで葉を落としたけれどしっかりと花芽をつけた。(2022.5.7)


新たに考えられる開花の条件

幹の太さが直径10cmを超えても花が咲かない。
ところが、ある場所で高くなりすぎた為に、中間くらいでばっさり
木を切った所、その翌年かその次の年に、開花したという。
ジャカランダの苗を育てると、大抵は一本だけ葉芽があって、
あまり枝を作らずそれが真っすぐ伸びる。
芽は、通常は葉芽だが、花が咲く芽は花芽だ。
葉芽が途中から花芽に変化するかは分からないが、恐らく花芽は花芽として
葉の根元辺りから出てくるものと思われる。
ジャカランダは、脇芽が出にくい植物だと思う。
10cmくらいの苗で、葉が弱っている時にその一つだけの芽が虫にやられて
枯れてしまったことがある。
葉芽が少ない状態で、芽の候補を花芽にすることは、ジャカランダにとっては
枯れてしまうリスクとなるようだ。
咲かない大木を切った事で花が咲いたというのは、一つの仮説として
切ったことにより、沢山の脇芽が出たのが原因だと考えられる。
横浜で毎年のように花を咲かせている木があるのだが、その木も
2mくらいの高さの所で細かく枝分かれしている。
ジャカランダは、早い時期に主葉芽を摘んで枝分かれさせる事が、花を咲かせる
可能性を高める様に思う。
条件は一つではない、気候も関係している。
2021年は、比較的暖冬ではあったが春先の気温が低すぎて日本の木々も開花が
1ヶ月くらい遅れるものがあり、ジャカランダの去年咲いた木(3ヶ所くらい)も
予想通り咲かなかった。 (2021.7.22)

余談

セミがジャカランダの木に好んで卵を産んでいた。
他の常緑樹と同じで、葉を取るとそこまで養分が行かなくなり枯れる。
挿し木は難しい。


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