
果実酒の作り方
私は、甘党で酒は基本的に苦くて嫌いですが、口当たりの良い
上等の日本酒や果実酒は大好きです。
果実酒は元々甘い上に5年も経つとアルコールの
刺すような刺激が取れて、とても味が丸くなります。
はっきりしたことは分かりませんが、アルコールが有機酸や糖と
結びついて何か別の物質に変わっているのではないかと思います。
ここで取りあげた果実酒は、ワインなどの様な果実酒を指すのではありません。
ホワイトリカー(焼酎)に果物を浸して作る酒の事です。
アルコール醸造をしないので、酒造法に触れることはありません。
果実酒に適した果物
とにかく、酸っぱいものが適しています。
砂糖やはちみつを加えるので、果物が甘いかどうかは大した問題ではありません。
何といっても代表は「梅」でしょう。梅酒は、果実酒の代表選手です。
この他に、杏(あんず)、いちご、さくらんぼ、リンゴ(紅玉)、ザクロ、
プルーン、カリンなどが適しています。
杏は、黄色く熟してしまうと適さないので注意が必要です。
強い酸味が重要なので、梅と同様に青いうちに仕込みましょう。
仕込み方
酒屋さんで、ホワイトリカーを買ってきます。
紙パックのものは、匂いがついているので、出来れば一升瓶に
入ったものがいいでしょう。
仕込む瓶は、蓋ができる広口のものがいいですが、梅酒用のものなら
どこでも手に入るでしょう。
私の場合、分量は適当で
原材料 |
分量 |
ホワイトリカー |
1.8P |
果物 |
1kg |
砂糖 |
200g |
が目安です。
砂糖は、氷砂糖かグラニュー糖を使います。
砂糖を入れることで浸透圧により果物から成分を吸い出しを促進します。
果実は仕込んでから、数ヶ月後に取り出した方がいいものもありますが、
そんなに神経質になって取り出さなくてもいいでしょう。
梅などはそのままでもいいと思います。
果実を取り出す時は、果物を絞ると果実酒が濁ってしまうので、そのまま
取り出して、果実酒の方はガーゼで漉して口の狭い瓶に移し換えてもいいでしょう。
熟成
待てば待つ程、まろやかになります。
1年もの、2年もの、5年ものを比べると明らかに違いが分かります。
楽しみ方と薬酒としての効果
食前酒、デザート、その他お菓子に入れたりと色々工夫してみると楽しいでしょう。
クエン酸などを沢山含む果物で作った果実酒は疲労回復効果があると言われます。
この他、タンニンなど渋みを持ったものも体にいいとされます。
適度なアルコールは、体を暖め、血行を良くします。何事も取り過ぎないのか肝要かと。
こういった成分は、種子や皮に沢山含まれるので、果物は種を捨てないことと
皮ごと漬けた方がいい様です。
漬けた果実の後処理
梅酒のシワシワになった梅が好きだという人は多いですね。
これと同様に漬けてエキスが抜けた果実も美味しく食べられたりします。
特にいちごの場合は、美味しいジャムに出来ます。
いちご酒の場合、私は3ヶ月〜半年後に取り出します。
いちごの表面は色素が抜けて白く見えますが内部には赤い色素も抜けないで残っています。
当然アルコールが染みていますが、煮る事でアルコールが飛んで、普通のジャムになります。
取り出したいちごを軽く潰して煮て、砂糖を加えて出来上がりです。
市販品と果実酒の親戚
言うまでもなく、梅酒は店で売られています。
杏酒は、中国酒に、「杏露酒」(シンルチュー)というものがあり、
酒屋や中華街で売っています。
杏酒については実験的に何度か作りましたが、熟していない果実もあまり
売っていないし、満足出来る市販品が安く手に入るので自分では作りません。
その他、西洋のリキュール類は果実酒の親戚と言っていいでしょう。
ホワイトリカーの代わりにブランデーやラム酒をベースに使って
作られるものです。洋酒、菓子材料として売られています。
代表選手は、グランマルニエというオレンジ・キュラソーでしょう。
これは、甘くて豊かな風味を持ちます。コニャックがベースだそうです。
牛肉のステーキとてもよく合い、私はオンザロックで楽しみます。
ワインとはまた違った料理とのコンピネーションです。
後書き
誰にでも簡単に作れるので試してみてはいかがでしょう。
ただ、美味しく頂くには、仕込んでから数年待たなければならないので
気長な楽しみになります。
参考文献
有紀書房 病気・症例別 果実酒・薬酒108酒
医学博士 小谷英三著
ISBN4-638-00457-1 C2277 P600E
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