スピード・スケートの考証


スピード・スケートは、ブレードを見ても分かる様に、直線のスケートだと言えます。
湾曲した刃によるキャーリングなどのカーブは、エッジの摩擦が大きく速度が低下します。
クロスオーバー・スケーティングは、両方の足を円周の外側に向かってスラストするため
カーブ中にも加速することが可能なのですが、直線のスケーティングを接いでカーブを曲がるため
摩擦もキャーリングに比べると少ないはずです。
私はフィギュア・スケートに興味があったのですが、最初に目指したのは摩擦が少ない
高速なスケーティングです。僅かな力で、長く速く移動できること、
それが、スケートの一番の魅力だと思います。
そして、速く滑るためには、足首を始め体の柔軟性がとても大切だと実感しました。

私は、スケートの本で初歩的な知識を学んだのですが、スピード・スケートの滑り方は、
オリンピック選手の映像を見たり、自分のフィギュア靴による高速滑走した時の感じからすると
どうもプレーン・スケーティングの滑り方とは違っているようです。
一般に正しいとされるV字ストロークによる前進滑走は、原理的に無理があるように感じます。
ある程度、トレースがカーブすることが前提の滑り方だと思うのです。
スピード・スケートは、乗り足に体重を乗せるのではなく、スラスティング・レッグに
体重をかけて滑っている方が長いというのが私の見解です。
また、乗り足を出す時には斜めに出しますが、スラスト動作に入る頃には、
ほとんど進行方向と平行にブレードを向けて、ほとんど真横とも思える方向に
体重をかけてスラスティング・レッグに乗って滑っているのです。
乗り足は、空中で振り出し、かなり前の方で着氷するため、実際に乗り足に体重を
乗せている時間は僅かです。
滑ることによる移動が基本ですが、スケーティングレッグを踏み出す時、歩行したり
走ったりする時と同じように、片足を軸にした空中での移動も重要だと思います。
カカトが外れるスラップ・スケートは、一般には、普通のスピード・スケート靴より
ブレードを氷につけていられるから速く滑れると言われます。
この点をもう少し突っ込んで考察すると次の様に考えられると思います。
1. カカトが外れることで、スラスティング動作、特にその後半でブレードを
  進行方向とほぼ平行に保てるので摩擦が少なくなる。
2. エッジと氷が平行でないと力が片寄ったかかり方をして摩擦を大きくするが
  スラップの場合は、ブレードを氷に対して平行に保てるので力が分散して
  摩擦が減る。

今年(1998年)、エムウエーブには、氷筍(ひょうじゅん)と呼ばれる特殊な
氷が張られたそうです。

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