風呂の排水口にできる渦の研究


動機

風呂の水を抜くと、排水溝のところで竜巻のような渦ができることがある。
しかし、滅多にこの渦はできない。
これを確実に再現する技術を確立したい。

この研究について

小学校レベルの自由研究といったところ。
はっきり言って、実用性はないだろう。
「くだらない」と言われればそれまでだが。
それでも、科学研究に共通したプロセスをたどれていると思う。

始める前の認識


・棒でかき回せば渦はできるだろう。
・渦が排水口のところに出来れば、渦が持続する。
・台風と違いこの大きさでは、時計回りも反時計回りも関係ない。
・水をかき回しても結局浴槽の中心を周回する流れに収束しそう。
・四角い浴槽で丸い渦を作ってもすぐ減衰しそう。
・中心から偏った位置に渦を作るのは難しそう。

実験(1)

(1) 偶然できた時の状況を再現する
風呂から出る時に湯をかき回してないのに渦ができた。
これは、水中に大きい物を沈めておいて引き上げる時
物が占めていた空間を埋めるように周囲から水が流れ込む。
このとき渦状に水が流れ込んだのだろう。
実際に渦ができた時の状況は大きな手掛かりになるとはいえ、
渦ができる原理は想像でしかなく、この方法はコントロールしづらいので却下。

(2) 湯を抜きながら浴槽中央を中心に棒でかき回す


(3) 湯を抜きながら排水口の辺りを棒でかき回す


結果と考察(1)

風呂の湯を抜くのは、1日1回しかチャンスがない。
合計で10日ほど試行したが、渦ができることはなかった。
ただし、排水口が流れる水の音が変わることがあり、その場合は明確な渦は出来ないものの
弱い渦流が排水口近くにできていたと思われる。

実験(2)

まず、強い渦を作るのが重要だと考え排水口から湯を抜かずにかき回すことにした。
(1) 浴槽中央付近でゆっくりかき回す
(2) 浴槽中央付近で速くかき回す
(3) 排水口近くでゆっくりかき回す
(4) 排水口近くで速くかき回す
かき回す方向は、反時計回りだけにすることにした。

結果と考察(2)

湯を抜かないので、1日で色々試せた。
渦は、弱いとほとんど見えないが、強い渦になると渦中心の水面が下がったり
水面の動きが照明で風呂底に投影され、何となく回転が見える。


棒を垂直に立てて、速くかき回した方が強い渦ができることがわかった。
また、渦はかき回したところにとどまるのではなくて、かき回すと浴槽に沿って
緩やかな周回流が生じて、渦はその流れに流されて移動することがわかった。


中央付近でかき回した場合周回移動はあまりないが、それでも移動している。

実験(3)

周回流と渦の移動が分かったので、排水口の周回方向手前でかき回して
周回流を打ち消すように棒で反対方向に水をかくようにした。

渦が排水口に来たところで排水口の栓を抜く。

結果と考察(3)

周回流を打ち消すときの水のかき方は、加減が必要で少し難しい。
渦が排水口のところで止まるようになって、狙って渦が作れるようになった。

まとめ

・試行する回数を増やす工夫をすると問題解決の早道になった。
・現象が、目で確認できることも大きな助けとなった。
・渦とは別の全体流が生じていたのに気付いたことが決め手となった。


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