【 チェコ語のカレンダー 】


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参考のために、ポーランド語・ロシア語・英語・ドイツ語・フランス語・日本語を併記してあります.
ロシア語はキリル文字 (ギリシャ文字) をそのままラテン文字に置き換えてあります.
なお、大文字・小文字については、確信がありません.


【季節】


 

チェコ語

ポーランド語

ロシア語

英語

独語

仏語

ラテン語

日本語

主語

〜の

〜に

jaro

jara

na jaře

wiosna

весна (vesna)

spring

Fruehling

printemps

ver

léto

léta

v létě

lato

лето (leto)

summer

Sommer

été

aestas

podzim

podzim

na podzim

spaść

осень (osen')

autumn

Herbst

automne

autumnus

zima

zimy

v zimě

zima

зима (zima)

winter

Winter

hîver

hiems

 


「〜に」を表す前置詞は春・秋 (na)≠ニ夏・冬 (v)≠ナは異なります.

英語で秋は "autumn" 以外に "fall" が使われることがあります.

季節については、いまのところ 「うんちく」 はありません.

夏と冬については、同じスラヴ系のポーランド語・ロシア語と非常に近いことがわかります.


【月の名称】


 

日数

チェコ語

チェコ語の由来

〜月の

〜月に

1月

29 > 31

leden

ledna

v lednu

「氷 (led)」から

2月

28 > 28

únor

února

v únoru

「氷の滴り」 らしいが、確認できていない

3月

31 > 31 > 31

březen

března

v březnu

「樺の木 (bříza)」から

4月

30 > 29 > 30

duben

dubna

v dubnu

「樫の木 (dub)」から

5月

31 > 31 > 31

květen

května

v květnu

「花 (květ)」から

6月

30 > 29 > 30

červen

června

v červnu

「虫 (červ)」から

7月

31 > 31 > 31

červenec

července

v červenci

「果物の実り」 らしいが、確認できていない

8月

30 > 29 > 31

srpen

srpna

v srpnu

「鎌 (srp)」から

9月

30 > 29 > 30

září

září

v září

「輝く (zářit)」から

10月

31 > 31 > 31

říjen

října

v říjnu

「動物のさかり (říjet)」から

11月

30 > 29 > 30

listopad

listopadu

v listopadu

「葉 (list)」 が 「落ちる (padat)」 から

12月

30 > 29 > 31

prosinec

prosince

v prosinci

「祈り (prosit)」から

 


 

チェコ語

英語

ラテン語

ラテン語の由来

1月

leden

January

Jānuārius

ヤヌス (二つの顔の神) の月

2月

únor

February

Februārius

フェブルウス (贖罪の神) の月

3月

březen

March

Martius

マルス (軍神) の月

4月

duben

April

aprīlis

アプロディテ (愛の女神) の月

5月

květen

May

Māius

マイア (豊穣の女神) の月

6月

červen

June

Jūnius

ユノ (女主神) の月

7月

červenec

July

Quīntīlis > Julius

第5月 (quīnque) > ユリウス・カエサル

8月

srpen

august

Sextīlis > augustus

第6月 (sex) > アウグストゥス・カエサル

9月

září

September

September

第7月 (septem)

10月

říjen

October

Octōber

第8月 (octō)

11月

listopad

November

November

第9月 (novem)

12月

prosinec

December

December

第10月 (deems)

 


 

チェコ語

ポーランド語

ロシア語

1月

leden

Styczeń

yanvar' (yanvar')

2月

únor

Luty

фйевраль (fjevral')

3月

březen

Marzec

март (mart)

4月

duben

Kwiecień

апрель (aprjel')

5月

květen

Może

май (maj)

6月

červen

Czerwiec

июнь (ijun')

7月

červenec

Lipiec

июль (ijul')

8月

srpen

Sierpień

август (avgust)

9月

září

Wrzesień

сентябрь (sjentyabr')

10月

říjen

Październik

октябрь (oktyabr')

11月

listopad

Listopad

ноябрь (noyabr')

12月

prosinec

Grudzień

декабрь (djekabr')

 

月名に関しては、同じスラヴ系のロシア語とは近くないことがわかります.

 


 

チェコ語

和名

読み

和名の由来

1月

leden

睦月

むつき

「睦び月 (むつびつき)」

2月

únor

如月

きさらぎ

「中国での二月の異称」

3月

březen

弥生

やよい

「木草弥や生ひ月 (きくさいやおひづき)」

4月

duben

卯月

うづき

「卯の花月 (うのはなづき)」

5月

květen

皐月

さつき

「早苗月 (さなへつき)」

6月

červen

水無月

みなづき

「水月 (みなづき)」から.
「水無」は水がないという意味ではなく、カタカナもひらがなもない時代の当て字です.

7月

červenec

文月

ふみづき

「穂含み月 (ほふみつき)」

8月

srpen

葉月

はづき

「葉落ち月 (はおちつき)」

9月

září

長月

ながつき

「夜長月 (よながつき)」

10月

říjen

神無月

かんなづき

「神のいない月」

11月

listopad

霜月

しもつき

「霜が降る月」

12月

prosinec

師走

しわす

「師 (神官・坊さん) がお札を配るために各家庭を巡る」


【月の変遷】


紀元前753年 (紀元前745年説あり) に古代ローマで採用されたロムルス暦は、Martius (いまの3月) から第10の月までの10ヶ月間を農耕にあて、残りの約2ヶ月は休みとする暦でした.この暦での年間の日数は304日です.(日数欄の一番左)
1年の始まりは3月1日でした (3月25日という文献もあります).

紀元前713年、ローマ国王ヌマ・ポンピウスによって改暦が行われ、Jānuārius (ヤーヌアーリウス / 29日間)、Februārius (フェブルアーリウス / 28日間) がつけ加えられ、暦は12ヶ月にするとともに小の次の日数を29日にしたが、ヌマ王は偶数を嫌ったので1年の最後の月は29日とせず28日とし年間の日数は355日でした.(日数欄の真ん中)
1年の始まりは依然3月1日でした (3月25日という文献もあります).

 

すべての次の日数を奇数にすると1年の日数は偶数になるし、といって、1日だけの月を作って1年を13ヶ月にすることはできなかったのでしょうね.

紀元前153年に1年のはじまりをヤーヌアーリウスの1日に変更する改暦が行なわれました.
このときから、数字に由来する月名と数字とのズレが始まりました.

 

英語を習いはじめたころは月名と数字とのズレには気がつきませんが、有機化学で化学物質の名称は炭素の数から定めていると習ったときから月名と数字とのズレに気になるようになりま した.

紀元前44年に、7月がローマ皇帝ユリウス・カエサルの誕生月だったので 「ユリウス」 と改名しました.

紀元前8年に、8月がローマ皇帝アウグストゥス・カエサルの誕生月だったので 「アウグストゥス」 と改名するとともに、小の月から大の月にしました.
また2月に1年の日数を調整する改暦を行ない、現在にいたっています.


「オクトーバー」の「オクト」は「10」の意味で、蛸は元々10本足でした.2本を自分で食べてしまった8本足の蛸と元のままの10本足の蛸とがいましたが、いまでは8本足の蛸だけが生き残っています.
蟹もすべての種類が元々は10本足でしたが、10本足の蟹と8本足の蟹とが並存しています.(真偽のほどは定かではありません.)

「ボージョレ・ヌーヴォー」 の 「ヌーヴォー」 から 「ヌーヴォーベンバー」 > 「ノーヴェンバー」 になりました.(真偽のほどは定かではありません.)


【曜日】


 

日本語

チェコ語

英語

ラテン語

ラテン語の由来

曜日

〜曜日に

月曜日

pondělí

v pondělí

Monday

Diēs Lunae

月の神様の日

火曜日

úterý

v úterý

Tuesday

Diēs Martis

火星の神様の日

水曜日

středa

v středu

Wednesday

Diēs Mercuriī

水星の神様の日

木曜日

čtvrtek

v čtvrtek

Thursday

Diēs Iovis

木星の神様の日

金曜日

pátek

v pátek

Friday

Diēs Veneris

金星の神様の日

土曜日

sobota

v sobotu

Saturday

Diēs Saturnī

土星の神様の日

日曜日

neděle

v neděli

Sunday

Diēs Sōlis

太陽の神様の日

週末

víkend

o víkendu

weekend

 

 

 


 

日本語

チェコ語

ポーランド語

ロシア語

月曜日

pondělí

poniedziałek

понедельник (ponjedjel'nik )

火曜日

úterý

wtorek

вторник (vtornik)

水曜日

středa

Środa

среда (srjeda)

木曜日

čtvrtek

czwartek

четверг (chjetvjerg)

金曜日

pátek

piątek

пятница (pyatnitsa)

土曜日

sobota

sobota

суббота (subbota)

日曜日

neděle

niedziela

воскресенье (voskrjesjen'je)

週末

víkend

weekend

уик-энд (uik-end)

 


同じスラヴ系のポーランド語・ロシア語と非常に近いことがわかります.

1週間を7日とするのは、古代バビロニアが起源で、エジプト・ギリシャで今日の形となりました.

 

古代、人類が肉眼で確認できた星は、見える角度が高い順で並べると 「月・水星・金星・太陽・火星・木星・土星」 だが、エジプト・ギリシャの占星術の教えに従い、「月 > 火星 > 水星 > 木星 > 金星 > 土星 > 太陽」 とふたつ飛ばしで遡っています.

 

日本では長い間、中国から伝わった 「六曜 (先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)」 が使われていましたが、明治以降、現在の曜日が使われるようになりました.

 

六曜は中国の占星術に基づいて決められているだけで科学的な根拠がないという主張がありますが、1週間を7日とするのも古代バビロニアで考えられエジプト・ギリシャで体系化されたものが旧約聖書の天地創造説と結びついているだけで、科学的だとは思えません.

1週間のはじまりは何曜日かという議論があったが、ISO8601 (JISX0301) では月曜日に1≠あて、日曜日に7≠当てると決めています.

 

飛行機の時刻表で 「曜日」 を 「1234567」 や 「− 2− − 5− 7」 と数字で書くのはISO8601 (JISX0301) に従っています.

どの日をどの曜日にするかの基準は、ISO8601 (JISX0301) で「2000年1月1日を土曜日とする」と決めています.

ユダヤ教を起源とする宗教では、労働を行わない日として 「安息日」 を設けています.

 

ユダヤ教では神が天地創造の7日目に仕事をしなかったことから 「土曜日」 を 「安息日」 としています.

 

キリスト教では 「磔になったキリストが復活した日曜日」 を 「安息日」 としています.

 

イスラム教では 「ムハンマドがメッカを脱出した金曜日」 を 「安息日」 としています.

最近は完全週休2日制が定着したので死語になりつつありますが、午前中だけ働いていた土曜日を 「半ドン」 というのは、オランダ語で日曜日を意味する 「zondag」が 「ドンターク」 に訛り、半分が日曜日だから 「半ドンターク > 半ドン」 となりました.
なお、空砲をならして正午を知らせていたことから、「ドン」 の後の半分を休むので 「半ドン」 となったという異説があります.

大阪では親の言いつけを聞きたくないときに 「今日、耳、日曜」 という言い方をするので、1年中日曜となります.


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