ブック・レビュー
〜Book Review〜

『価格戦略論』

ヘルマン・サイモン/ロバート・J・ドーラン【著】 吉川 尚弘【監訳】
             エコノミクス・コンサルティング研究会【訳】
 出版社:ダイヤモンド社   価格:3,800円

 プライシングについて体系的にまとめられた唯一の理論書です。ただし、かなり実務家向けの記述が多いため、欧米では実践的教科書として評価が高いようです。

(ピーター・F・ドラッカーのコメント)
 利益を伸ばす要因は3つしかない。すなわち、販売量、コスト、価格である。伝統的に日本企業は、販売量とコストを重視した経営を行ってきた。卓越した製造力を持った彼らは、多くの場合、販売量と市場シェアの最大化を目指してきた。実際、20世紀後半、日本企業はその素晴らしい技術力によって世界有数の経済大国となることができた。
 しかし、世界の情勢は変わった。今日、市場において適切なプライシング(価格設定)を行う能力と価値を抽出する能力は、ビジネスで成功し続けるための必須条件となった。なぜなら、優れた顧客価値の創造と、高い収益性の維持が、世界規模での競争に勝ち残る企業のコア・コンピタンスとなってきたからだ。加えて、プライシング・プロセスは、企業の利益を確保し株主価値を高めていくうえで、ますます重要な役割を担うようになった。今後は、マーケティング、市場セグメンテーション、ブランド構築、確実にターゲットに届く流通システムの確立、機敏なプライシング戦略と戦術が企業に収穫をもたらすようになる。
『価格戦略論』は、プライシングに関わる意思決定の構造とプロセスについて、必要とされる未来志向の最新技術を提供してくれる。本書は、日本企業がグローバル市場において新たな試練に立ち向かっていく際に、大きな助けとなるだろう。

【目次】

 ●日本語版の刊行によせて −ピーター・F・ドラッカー

 第1部 基礎編
  第1章 プライシングの導入
  第2章 価格、コスト、利益:プライシングの経済学
  第3章 価格反応の推定
  第4章 プライシングと競争戦略

 第2部 応用編
  第5章 プライス・カスタマイゼーション
  第6章 インターナショナル・プライシング
  第7章 非線形プライシング
  第8章 製品ラインのプライシング
  第9章 プライス・ハンドリング
  第10章 時間軸を考慮したプライシング:短期的な場合
  第11章 時間軸を考慮したプライシング:長期的な場合

 第3部 実践編
  第12章 パワー・プライシングのための組織づくり
  第13章 パワー・プライサーになるには:あなたのプライシングIQをチ
      ェックする

 第4部 展開編
  第14章 プライシングとeビジネス(特別収録)
  第15章 21世紀の日本企業に求められるプライシング(特別収録)