ある神社に有った土俵の上で...<From ひろどんさん>


今から10数年前、夏休み中にボーイスカウトでキャンプへ行くことに成りました。

そのキャンプをした場所は、深い山の中に建っている神社の一角で、その場所の周りは岩が多く、何故か土俵が有り、平らな所はその土俵上しか無いので、此処にテントを張る事と成りました。(勿論、神主さんに了解は貰いました)

当時の気候は良く、風も全く無い状態で無事にテントを張り終わり、テントの中はランタン1つで明かりを取っただけでしたが、小さい時分と言う事も有り、他のボーイスカウトの仲間と一緒に夜遅くまで話をしたりゲームをしたりしていました。

そして大分遅い時間に成った辺り(多分、午前2時過ぎ)で...突然「ガタガタ...」とテントが揺れだしました。外は無風でしたので風で揺れた訳でも無く、まして地震でも有りません
テントの中の皆は固唾をのんで事の成り行きを見ていましたが...その揺れがおさまったと同時に...白い人影が...テントの横を通り過ぎて行くのが見えたのです。

前に話した通り、山の中で周りは岩場で真っ暗、光源は何も有りませんのでテントに外から影が映る訳が有りません。まして、テントの中はランタンで明るいのですから...

テントの中の皆は、言い知れぬ恐怖に怯えつつも、外を見る勇気も無かったので、そのまま時間の経過と共に寝ました...

翌日、神主さんにお礼を言いつつ昨晩の出来事を話すと、神妙な面もちで話し始めました
「昔、1件の民家が建っていて、ある夜にその家が火事になってしまったんだ。その家の主は火事の勢いで起きた落石で家ごと潰されて亡くなってしまった。
丁度、主の亡骸が見つかった場所が君たちがテントを張っていた土俵の所なんだよ...

その時に見た白い影...テントの揺れは誰の仕業かは今も謎のままである...



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