1997年8月24日
会場:渋谷On Air West
極東最前線14
〜男子畢生危機一髪〜
出演:MOGA THE \5、fOUL、eastern youth
ああ、遂に、遂にeastern youthを見ることができる。リットーミュージックの「Indies Magazine」創刊号で出会って以来ぴあをひっくり返してギグのスケジュールをチェックしていたのだけれど、平日が多くていかにもままならなかったのではあるけれど、ようやくです。ようやく、見れました。じーん。
写真は写ってたら現像できしだい掲載します。言い訳しますが会場のいっちゃん後ろから撮ってたんで甚だ自信ないです。小川美潮さんの二の舞にならないことを祈っています。
わっはっは、やっぱり情けな系仕上がりになってしまったんだが、まあ見ようによっちゃーアートとも思えるので顔の造作すらわからんが掲載しちゃおう。熱気、を感じてくれい。
最初のMOGAは、うーん、どこといって特色のないストリートなパンクっ子さんにんぐみ。ドラムはパワフル。演奏時間約20分。

fOULはゆったり50分くらいやってましたが、どう形容すればいいんだ。哲学パンクです。これも3人。10月にフルアルバム出すそうです、題して「ドストエフスキー・グルーブ」。まあ推して知るべしなんですけれども、いい唄多かったです。ここも坂本商会なんですね。間口の広いこと。MOGAがストリートならこっちはアートスクール系といっておけばあってるかな。真実を唄おうとして凡庸な歌詞(哲学的凡庸っちゅうか、クリシェってあるじゃないすか)に陥っている気がした(よく聞き取れもしなかったわりにね)。これはeastern youthと対極かなとも。ライブバンドとして見た場合、曲間にただなにもせず休んでいるだけというのは大きなマイナスだと思いました。アルバムではヘンなことせずにストレートに曲を入れてくれるのなら買い、ですね。

さて、eastern youthです。eastern youthは、MOGAがストリートでfOULがアートスクール哲学ッカーだとすれば、これはもう文学です。なんか聞いた通りのこと描いてるけどさ。
eastern youthはカポをつけて演奏する唯一のパンクバンドだと思います。
うーん、とにかく見れて嬉しいというのと、期待と空想にそぐわないめちゃくちゃかっこいいステージだったんで言葉を喪くしていますがね。
とはいえ、ちょっと思う所。eastern youthって、非パンクの人にとっては単にうるさくて小難しい歌詞のついた音楽なんだろうけど、パンクを聞いてきた人間にとっては、久々にこの日本の地に生まれたリアルパンクなバンドなわけです。70年代後半、アメリカに生まれたパンクというスタイルは従来あった音楽シーンの状況に対するアンチだったわけだけど、これがイギリスに渡って多分に政治的な意味合いを持つようになったわけだわな。実際には知らんけど、イギリスでは政治とか経済システムとか社会とかが文句を言うに値する代物だったってこった。しかしてeastern youthは政治や経済の歌は唄わなくって、もっぱら人の心の在り方を唄い上げておるのですよ。彼等は(きっと)政治とか諸々の自分の外にあるシステムには絶望しているんだと思う。大事なのは自分の心の在り方、もっと言っちゃうと自分が強くあることだ、と唄っているわけです。もちろん国によるシステムの相違ということもあるのでしょうが、敵対すべきは外部ではなく内にある弱さだ、と言い切ったところが、この今の時代における本当にリアルなパンクの姿だと、こう思うんですね、儂は。
3人組です。演奏時間アンコールも含めて約1時間。セカンドを中心に全12曲。CD通りのこれでもかって唄い上げです。メインの最後の方では既に声が出なくなってました。「たとえば...」とか普通に唄えばいいのに。それでもアンコールで「月影」と「裸足で行かざるを得ない」を唄ってくれました。

叫び上げる吉野寿氏
eastern youthは、まあ聞くとOi!なわけで、全体の印象は(無理にこじつけると)昔のCOBRAに近いかなあなんて思ってます。で、一般にOi!というと右翼なわけで、これはもしかしたら単に双方ともにスキンヘッドが多いという単なる適応放散の誤読という感じもするわけですが、ひとのこころの根源的な部分を大切にしていくという意味でいうと右翼的なのかもしれません。もちろん、このライブの始まる1時間くらい前に宇田川交番の前でごたくを並べてたような人たちとは右翼の意味が違いますけどね。彼等は偶像崇拝ですから。危ないこと書いてるかね。要するにeastern youthは人間の魂の普遍的な部分を気付かせるような唄をうたっているってことがいいたかったわけです。松尾スズキさんへの回答。そこから聞こえる唄は彼等のだったんですよ。
会場全体はこんな感じ

この会場に集まった人達はだいたい300人ちょっとで、日本人でみても残り1億2千万人くらいの人はそれぞれの幸せを探していたんですね。見つかるといいと思います。
eastern youthは9月、新しいシングルの録音に入るそうです。次回極東最前線は下北沢SHELTERで10月25日。fOULも出ます。今度はMOSHの中に飛び込んでみようか。