活動その8--- 2003.1.10 (神奈川県横浜市鶴見区駒岡4丁目内)

さてさて。活動7の社を後にして自転車で走って3分も経たないうちに、表通りから裏に入った裏道で脇を見ていたら路地の奥に、朱色の社が見えるではないですか!「ええー!またですかぁー!?」と心の中で叫び、自転車を路地の入り口に置き、歩いて近寄ります。

ででーん。となかなかに高低差のせいか、威厳も感じられる佇まい。
まわりは概ね古い民家が占め、その中に新しいアパートなどが建ち並ぶ住宅街。ここはどの電車の駅からも遠い場所です。しめ縄についている稲妻?っぽい紙もちゃんとついていて、よい感じ?鳥居は明神(明治神宮形式)形式ですね。



階段を登った所に霊狐が。左耳は折れています。そしてそのうしろには、役目を終えた?うつむき加減の石像が、ひっそり置いてありました。この後ろのやつをもっと見ておけば良かった。。

注目して欲したいのは、お腹に「おっぱい」があるということ。
これは子宝に恵まれますようにという願掛けなのでしょう。直接的に子供を彫ったものはよくありますが、子供を彫らずに乳房を彫る、というのはなんだかおもしろいとおもいました。なんというか、「恐れ多いけれどお願いします」という気分が伝わってくるような気分。

姿自体は、なんだかほとんど犬の姿に思えます。玉も巻物も鍵もなく、おっぱいだけがついているのです。控えめでおもしろい。表情は歯をむき出して恐ろしいというか、少し凶暴な印象を受ける。全体的にディティールが丸いせいか、頭が大きいせいか、土着的=身近な、神の側の使いというよりかは、民衆側のイメージなのです。ただどっしりとしたつよさを感じます。隣のもう一つの狐と併せて見ると、のんびりして笑っているような雰囲気の相棒を威嚇しているようです。が、真相はわかんないです。



右側の霊狐。後ろ右足で肩の後ろを掻いています。この形はどこかでも見た気がします。何らかの意味があるような気もします。もうこっちも僕が見ると犬の彫像に見えてしまいます。鼻のあたりがもっと尖っているのが狐のだという僕の中でのイメージがあるせいかもしれません。
そして二体の身体は前方を向いていますが、顔だけはお互いに向かい合っています。

こっちの狐はニヤニヤしているようにも見えて、気楽な雰囲気です。

 

「テレビカメラがのぞいてる」という紙が格子の中の足下に貼ってあります。ちょっとゾクゾクしました。

けど、ああ、きっといたずらが多いのかもしれない。しかしそう書かれるとカメラがどこにあるのか、気になって探したけれどやはり、無いようです。カメラ。

賽銭箱もない。小さい社では賽銭箱を置くと盗難が多いのかもしれませんね。
このような社についている鈴は小さくてかわいい。鈴につながる紅白の綱も細いし。ちいさく綱を揺すり、小さい鈴を鳴らして、自転車の場所へと戻りました。またもや御神体は確認せず。というか御神体についての興味はこの日の時点では、僕の中に全くなかったのです。どちらかというと眷属への興味がほとんど占めていました。

関係ないけれど眷属信仰、というのもあるみたいです。


そもそも、なぜ狐が神の使いになったのでしょう。先日購入した書籍を読んでみると、書いてありました。

・弘法大師の弟子、真雅僧正という人が書いた「稲荷流記」の中に、以下のような記述があったということ。

--以下、かなり勝手に略しながら引用--

「ある記によると、昔洛陽城の北、船岡山のあたりに老夫婦があった。

夫は身の毛白くして、銀の針を並べ立てるが如し。
尾の端あがりて、秘密の五鈷をさしはさめたるに似たり。
婦は鹿の首、狐の身なり。また、五匹の子を手引く。 各々異形せり。

弘仁年、中頃に両狐(いつのまにか狐ということになっている)五つ子を伴って稲荷さんに参って、

「我々は畜類の姿といえども、先天的に霊知を備えています。どうか、当社の御眷属となって世を守り、世のために働きたいのです」

というと明神は感動し、「今より長く当社の使者となりて参詣の人、信仰の輩(ともがら)を扶け、憐むべし」と言った

--以上、意訳・略しながら引用--

以上は「稲荷流記」に記されている由来ですが、
これに加えて、狐に乗った姿の豊川稲荷の本尊である荼吉尼真天(だきにしんてん)のこと、さらに

倉稲魂神(うかのみたまのみこと)を御食津神、御饌神とも称し、「みけつかみ」とも訓読みで読み、万葉仮名では三狐神と書いてあることから、狐を眷属にしたという説もある、ということ。

ミケツ神は他説ではキツネ、カラス、イタチの二獣一禽を称すともいうらしいです。

柳田国男は、「古い時代にあって狐は良い動物で、霊力を備えた信頼すべき動物だった」としている。そして九州から秋田に至る「狐塚」のそばには田んぼがあったことから、田の神、稲の神が関わった可能性も指摘しているのです。うう。狐塚?羽田にもあるみたいですね。。

・狐は稲荷大神の眷属になっている。眷属とは家族、それに準ずる格を意味し、大神の霊徳を分かつもの、ということ。

・「眷属」は雌雄の別無くして、霊狐に対する称号だということ。

・「命婦」に関することも書いてありますが、これはまだ探偵の途上で出てこないことなのでいいとします。

ということで、この稲荷を後にして、チャリチャリっと目的の稲荷神社方面へ。

Topへもどる