活動その13--- 2003.1.25(神奈川県鎌倉市)

さて。この日は、よも・黒・あめ・とらむさんと一緒に鎌倉散策のついでというのか、一環として鶴岡八幡宮参拝と共にこの稲荷社へも参拝したわけです。
丸山稲荷社は、鶴岡八幡宮の本殿の左手奥に、あります。

御祭神は「倉稲魂神(うがのみたまのかみ)」 。この神は保食神(うけもちのかみ)・豊受姫神(とようけひめのかみ)・大宣都比売神(おおほげつひめのかみ=大気津比売神)と同神で、一般 に稲荷大神といい、衣食住の守り神として五穀、魚類、鳥獣、蚕糸、草木に至るまで、生活全般 をカバーする神として祀られている。稲荷信仰の祭神としてはいちばんメジャーな御祭神、でしょう。
さて朱色、というよりも赤い鳥居が立ち並ぶ曲がりくねった石段を登り、社へ。


社という割には非常に広く、清潔な境内。たぶん神格を与えられていないだけで、場所柄もあって参拝者の多い稲荷社なのでしょう。

一間社流れ造(正面一間・側面一間)、鳥居は神明鳥居。
どちらかというと珍しいことなのだが、社殿観察の際に気になる部分の内のいくつか、蟇股(かえるまた)、虹梁(こうりょう)などはそれ自体がなく、肘木も非常にシンプルな舟肘木だった。


命婦さまは4体あり、まず手前の左側。何も銜えず、何も手にしておらず、口も閉じている。体つきはやや細めですね。顔つきからは生命力をあまり感じない。目のせいだろうか、あまりに普通 すぎる仕草のせいか。


手前右側の命婦さまも左手と同じく前を向いているだけ。やはり何か足りないっちゃあなんだけど、足りない感がある。


そして社殿のすぐ脇、右側の命婦さま。
顔が半分無い。しかし作風が古典的な印象を受けた。左手の下には玉というのか、栗の実の形状のアレを持つ。


左側。こちらは子連れ。親子共に顔がない。なにか意図的に顔を削られてしまったかのような印象も受ける。だってしっぽの先端の風合いと頭部が随分違う。長い年月の間に、何があったのでしょう。顔がないと、なんだか、こう言ってしまうと身も蓋もないけれど、つまらん。


最後に破風まわりを見ておく。
これまで見てきた中では珍しい、黒い懸魚ですね。赤に黒は格好良い。この懸魚のカタチは、「猪目懸魚」というらしい。イノシシの鼻のようにハート型の懸魚で、ハート型の上の部分がイノシシのつり上がった目元に似ているせいだろう。
この稲荷は、中途半端な盛り上がりの中、日も暮れてきたので、立ち去りました。。

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