朝月夜




 銀の器につぼみを並べ
 小さなたらいに浮かべたら
 月の光が降ってきて
 魔法をかける ひとしずく


 白い花弁をたおやかにほぐし
 その吐息を少しだけわけてたもれ
 湿った風に撫でられて
 溶けてゆく 静寂の中


 夜が明ける前にすくい取ろう
 盥に満ちるジャスミンの水
 星の光に見守られ
 口をゆすぐ 祈りつつ


 愛されるために私は
 花の香りで身を清め
 あたらしい露に踏み出して
 駆けてゆく あなたのもとへ







 20050825




 ジャスミンのつぼみを小さい器に入れて、器ごと一晩湯冷ましに浮かべる。
  ↓
 朝、湯冷ましには開花したジャスミンの芳香が移っている。
  ↓
 この水をお菓子づくりに使う。お菓子にはほんのり花の香りがつく。


 こういう優しい文化を持つ国があるという話を聞きました。なんだか素敵。ポワ〜ン。


 で、それを元に、「紫龍がムウ様に会いに行く前の身支度」みたいな妄想とくっつけて書きました。
 私の紫龍は普段中国茶を飲んでおり、ジャスミン茶も飲むので、そんな感じの香りがする…
 という勝手な思い込みともくっつけています。ホントいろいろ無理っぽいです…。


 ご来訪者数延べ10,000人突破記念作品。ご自由にお持ち下さい。
 ムウ×紫龍以外のカップリングにもご利用可能な、多目的な仕上がりだと自負しております。(笑)


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