”乳癌ケアと治療の臨床ガイドライン” 本文へ
患者さん向けの勉強会用にに和訳抄訳したものです。いずれ正式な和訳がされるまで、ご参考までに使用ください。
誤り等の問題は、下記までご連絡ください。
http://homepage2.nifty.com/newnewp/
訳語は、できうる限り下記のように統一。日本とカナダの医療システム上の違いを考慮して読んでください。
地の文に省略が多く、婉曲な表現をしている為に、訳文に誤解を生じやすい場合には、括弧つきで言葉をはさんで読みやすくしてあります。いいまわしには統計に特有の癖があるので、よく読んで慣れてください。
abnormal 異常 正常、anormaly, normal variation以外。
absolute 絶対 proportionalの対。率であって、率間の比でない。
adjuvant 補助 手術を「補助する」の意
adhere, adhesion 固定 粘着、固執は日本語語感が否定的
approved 承認された 「試験として適正と審査機関が認めた」の意
assessment 診断 値踏み、評価だけど
associate 関連が強い 統計学は帰納論なので、本質的に因果律がダメ。
axillary 腋下リンパ節 リンパ節は省略される
axillary dissection 腋下リンパ節切除
benefits 利得 介入が対照に優越(価値観)する数値
breast 乳房 乳腺でも同じ
breast conserving surgery 温存手術 クリヌキと拡大局所切除を含む
clear margin 断端陰性 手術で切り取った断面に腫瘍が存在しないこと
clinician 各科医師 内科医、外科医、家庭医、放射線医、放射線治療医を含む。
clinical, clinically 診察上 ”視診、触診だけで”
治療上 上記と区別!
control コントロール ”不都合なものが、出てこないように”で、制御は変
対照 一因子のみ介入と異なる(都合の良い)存在
cytologist 細胞診断医
ductal carcinoma in situ 乳管上皮内癌
ER エストロゲン受容体
fine needle biopsy 針生検 細い針で、穿刺吸い上げて、ばらばらになった細胞で診断。
intervention 介入 対照=コントロールの対になる言葉。
involve 転移 文字通り、巻き込む。
local 局所 腋下リンパ節、乳房内と置き換えが、可能な場合が多い。
local therapy 局所療法 事実上、全身療法はホルモン療法、化学療法しかないので、それ以外。
logistic ロジ 人、物の移動の手配、費用
lump シコリ 悪性、良性、変性、囊胞を含む。正常組織には言わない。
lumpectomy クリヌキ 文字どうり、シコリ切除。
lymphatic invasion リンパ浸潤 リンパ組織浸潤のこと
malignancy 悪性疾患 癌(上皮腺由来)のほか、肉腫(中胚葉由来)などを含む。
mammogram マンモグラフィー 乳腺のレントゲン写真の画像
mammography マンモグラフィー 乳腺のレントゲン撮影
management 治療管理 診断、検査、治療のマネージメント。
margin width 断端幅 切除標本の、腫瘍のない正常組織のカフの厚さ
mass 塊 病変に正常組織まで含めて、
nodular lesion 結節 変性、囊胞、癌を含む。
nuclear grade (細胞)核悪性度
oncologist 癌専門医 手術、放射線以外の癌治療全体の管理を受け持つ。主に化学療法の専門家
oral CMF 経口CMF cyclophosphamideは経口。methotrexate, 5-FUは静注。
overall survival 全生存率 有病、無病再発率を含める
overview 概括 多数の試験をながめて結論するとの意
perioperative 周術 手術に被せた期間
physician 内科医 乳腺疾患を扱う、手術しない医師。
physical therapy 身体療法 物療、理学療法と言うこともある。physicが身体、物理学の両意のため、混乱あり。
placibo 偽薬 抗癌剤に偽薬がないので、偽薬効果を否定できない。
pleomorphysm 核多形性 細胞核の大小変形の多様 悪性度の尺度
PR 黄体ホルモン受容体
primary 原発 はじめてできた癌
prediction 予測 生存率の予測
prognostic index 予後予測指数 生存率の予測
proportional 比 率同士の比。absoluteの対。
prospective 前向き 統計用語 介入より未来に結果を生じるの意
QL, quality of life 生活の質 苦痛、寝たきり、入院生活ではない、普通の生活
quadrant 四分区 乳腺の区域
radiologist 放射線医 レントゲン診断を専門とする医師。
regimens レジメ 薬物投与のプラン
selected 選択された 暗に”無作為でない”の意。
significantly 有意に 暗に統計処理の結果確実といいたいときに使う。
stage II 2期 腋下リンパ節陽性乳癌患者と同じ
systemic therapy 全身療法 実質的に、ホルモン療法、化学療法
titration 滴定 同一の効果を得るための薬量、またはこれを定める操作
trial 試験 確率統計学用語では、試行が普通。
tumor bed 腫瘍床 腫瘍を切り出した凹み
women 女性患者 乳腺を扱う科の患者さん
work-up 見直し 身体的、精神的な努力で、ことをハッキリさせること。
統計学は現実に応用するときでも、”他に方法がないので、とりあえず合意”とはハッキリ無縁です。コンセンサスは、政治的圧力で反対者が生じないという意味ではありません。症例シリーズでも、レベル5に甘んじることは、”きびしい”のではなく、レベル3とするのがクレージーだからです。そこまでしても、統計学にとって真実は、逃げ水のごし。”異論を許さないというほどの厳密性”が確かに否定できる厳密な証明があります。
統計学を現実のモデルに当てはめて、結果を出すことは、なにもあらかじめ神が定めておいた魔法の数を卑小な人間が探り出す作業ではありません。そのような数が安定しているかどうかについては、何の保証もなくむしろ繰り返し出現するので(帰納的に)、安定しているのではないか考えているのが実態です。レベル2,3でも、試験結果の不安定が現実にあります。治療のパラダイムが変化する速度に、この統計手法のRedundancyは、果たして追いつけるのでしょうか?