色いろ話13 虹色

     

  

いよいよアテネオリンピック。(2004年8月)
先日ある新聞に、女子バレーのキャプテン吉原知子さんの記事が載っていました。
今までに出場したオリンピックを色に例えると、初めて出場したバルセロナは「ばら色」。次のアトランタは「灰色」。
そして、今回のアテネについては、「虹色です。いろんな色で光輝かせたいんです。そこにメダルをかけるんです。」
とのこと。
色は、人の気持ちをうまく表すことが出来ると思います。色彩心理は非常に豊かで複雑である反面、誰しもその色から、共通の感覚を感じとることが出来ますよね。
上記の吉原さんの「ばら色」は、初めてオリンピックに出られた嬉しさ、夢がかなったという気持ちの表れ、
そして、灰色は、中心選手として戦ったけれど、史上最低の9位に終わった、悔しさ、晴れない重苦しい気持ちの
表れです。そして「虹色」は、全ての色を含んでいる、集大成とでも言うべき強力な色。すべてのパワーを出し切って
最高の気持ち(金メダル)を手に入れたいという強い思いが感じられます。
吉原さんの場合、97年以降、実力があるにもかかわらず、若手育成をお題目に、協会がとった理不尽な年齢制限のため、
代表に呼ばれなくなる経緯があり、(また、その新聞記事を読んでみて)他の選手よりも、より複雑な気持ち、そして、
金メダルに対する想いの強さが違うと感じます。
一つ一つの色には、プラスの意味もあればマイナスの意味もある。そして、虹色には、その全てが込められている
というわけで、私は、吉原さんの虹色に込められた、深い意味まで思いを馳せてしまいます。
是非、今回のアテネで、虹色を実現して欲しいと思います。

虹は、物理学的には、光を分光してできるもの。いつもは、透明無色に
感じる太陽の光が、いろんな色をもっていることが解る瞬間です。だからこそ、すべての色を集めると、光輝く道に
向かうという解釈もできるわけですし、虹のふもとには、黄金郷があると言われるように、何かいいことがあるような
嬉しい気持ちになったりもするんですよね。
先日、友達が、丸い虹を見たのだそう。いつもは、半円で見える虹が、太陽のまわりに、円になって見えるなんて
素敵ですよね。厳密には、回折(コロナ)というものかもしれませんが、一度は見てみたいなぁと思います。
後、虹の珍しい現象としては、色の並び順が逆になることもあるそう。いつもは、光の性質のため、外側から赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の順に並びますが、虹ができるための光の屈折が二重におこると、内側が赤、外側が紫というふうに
逆転するのです。それも、まだ私は見たことがないけれど、みつけた人はラッキーかもしれませんね。

今回のオリンピック選手の中で、個人的には、私は、佐々木みきさんと、柔ちゃんのファンですが、
テレビを見ていると、どの選手にも感動を覚えます。それは、どの選手にも、血のにじむような努力や、強い信念、
栄光と挫折や葛藤といったような、いろんな色の様々思いが見え隠れしているから。
オリンピック選手にとっても、
他の皆さんにとってもそれぞれの虹色が実現しますように。