色いろ話9 青の洞窟

     

  初めて海外旅行をしたのは20歳の頃だったかな。それ以来、1年に1度ぐらいのペースでそれなりにいろいろ行ったけれど、2年前のイタリアを最後に行ってないなー。
でも、最後に行ったイタリア、特に、「青の洞窟」は、すっごく思い出深い場所。つい最近、授業で民族の色をテーマに話しているうちに、あの青の洞窟の輝くばかりのブルーがまざまざと思い出され、つい話したくなっちゃいました。
 青の洞窟は、ナポリからカプリ島へわたって、そこから小船にのって、20〜30分行ったところ。行けば必ず見れると思っていた安易な私でしたが、何と同乗した人の話によれば、その時6回目にしてやっと見ることができたとのこと。それもそのはず、青の洞窟への入り口は、4人乗りの船がやっと入れるぐらいの小さな穴でちょっと波がたつと、すぐに入り口が閉まってしまうんです。私が行った時は、やっと入り口が開いて、みんな船に折り重なるように横になって背を低くし、船頭さんが波の揺れを計算して一気に入るという感じ。
だから何の知識もなく、1度目で入れたのは、とってもラッキーだったんです。
そのラッキーさもさることながら、洞窟の中のそのブルーの神秘的な美しさといったら、超感動もの。海の澄んだブルーもきれいだったけれど、その光が洞窟の天井にも反射して全体が青くきらめいていました。その色は、初め瑠璃色を想像していたんだけれど、思った以上に透明感のある明るいブルーで、セルリアンブルーと言った感じ。
人工的に思えるほど、明るく輝いているんだけど、人工のものとは違う柔らかい美しさもあって何とも言えない美しさなのです。よく、写真とか、あのパスタソースのパッケージとかで見たことはあるけれど、実物の美しさがこれほど違うと思ったのは、ここが一番かな。
 どうして洞窟が青いのか?これは、色を勉強している人でないと、ここで簡単には説明できないけれど、色って光であって、波動なんです。太陽の光の中の青の波長だけが、この稀な立地ゆえに、きれいに反射しているんです。
だから、その純粋な波長の光だから、こんなにも美しいんだぁ・・・と私は一人で納得しちゃったりして。
(この青の見える物理的なメカニズムをお知りになりたい方は、是非、遊びにきて聞いてくださいね。)
 というわけで、私の海外旅行1番のおすすめスポットなので、皆さんも機会があったら是非行って見てきてくださいね。万一洞窟に入れなかったとしても、カプリ島も、とーっても素敵な美しい所だったので、行って損はないはず。よく、「ナポリを見て死ね」って言ったりするけれど、私は、ナポリにはそんなに感動しなかったけれどナポリまで行ったなら、カプリ島まで行くべき。そして、是非青の洞窟へ。