人づきあいが9倍楽しくなる心理学
エニアグラムが解き明かした人生のドラマ
(吉田久夫 著 出版社:しょういん 価格:1,600円)
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目 次 |
◆まえがき ◆9タイプ、人びとの性格がこんなに違うのはどうして ◇まさかと思うでしょうが 意見は不一致/価値へのこだわり/分かり合えないこと ◇変わるの変わらないの 計り知れない心の力/苦しみの意味/人生の設計図 ◆理想主義は息苦しい −第1のタイプ− ◇強過ぎるセルフコントロール 強い自立心/もっと前へ/生かされた命 ◇リラックスを自分に赦す 正しさに命を賭けて/自責の苦しみ/委ねること ◆博愛主義はうっとおしい −第2のタイプ− ◇やき過ぎるおせっかい 感情を持て余す/好かれたい/本当のやさしさ ◇自分の欲求を認める 必要とされたい/与えて奪う/自分を大切に ◆成果主義は鼻につく −第3のタイプ− ◇こだわり過ぎる自己イメージ 目立つこと/おだてに乗る/自分をほめてあげたい ◇価値判断の軸を自分に置く 私を見て/失敗は死に等しい/無条件の愛 ◆ロマン主義は自己陶酔 −第4のタイプ− ◇おぼれ過ぎる激しい感情 気性の激しさ/突っ走る危険/今を生きる ◇感情と折り合いをつける のめりこむ/強い感情を味わう/自分の味方になる ◆合理主義は血が通わない −第5のタイプ− ◇割り切り過ぎるアタマ 醒めている自分/知的興味の誘惑/心の扉が開く ◇気持のままに動いて見る 切り離された気持/私は分かっている/心で味わう ◆安全主義は脅えの現われ −第6のタイプ− ◇いき過ぎた気づかい 自己不信のワナ/一歩踏み出す勇気/愛に恵まれて ◇自分の足で大地に立つ 不安に取りつかれる/私は守られている/天地は味方 ◆楽天主義は逃げ足が速い −第7のタイプ− ◇避け過ぎる嫌な体験 忘れる天才/思いつきで怪我/ひと呼吸の価値 ◇自分で責任を引き受ける 衝動に走る/楽しければOK/待てる余裕 ◆パワー主義は喧嘩のタネ −第8のタイプ− ◇ふるい過ぎる強い力 一宿一飯の恩義/我が道を行く/家族の支え ◇自分の弱さを認める 敵に後ろは見せない/お山の大将/肩の力を抜く ◆なあなあ主義は怠惰の現れ −第9のタイプ− ◇避け過ぎる心の葛藤 無気力の病い/ゆっくりゆったり/大器晩成 ◇自分の意志を明確に 事なかれ主義/平穏無事なら/血を流す覚悟 ◆性格の恵み ◇性格と気づき 守りたい価値観/命を生かすエネルギー/人を大切にすること ◇性格を超えて 一枚の皿/母の死と恵み/心の声に導かれて ◆あとがき |
まえがき |
◆まえがき 本書は、嫌だなと感じる人の性格が微笑ましいと思えるようになり、そういう性格をひそかに楽しむことができる自分に変えてくれます。 世の中は、嫌な性格の人で満ち溢れています。 がみがみあたり散らす人。やたら調子がいい人。長々と自慢話しをする人。お高くとまっている人。これみよがしに皮肉を言う人。他人の顔色をうかがう人。やりっぱなしで平気な人。大声で抑えつけようとする人。はっきり言わずにイライラさせる人。数え上げればいくらでも出てきそうです。 私は、人づきあいが下手でした。自分の気持を上手に隠して嫌な人とつきあうことは苦痛でした。今でもその本質は変わりませんが、変わったのは、嫌だと思う人が少なくなったことです。 人の性格について良く知らなかった頃は、苦手な人を、嫌な人だと思い込んでいました。しかし、性格が人間性の根源と結びついていることが分かってくるにつれて、苦手な人イコール嫌な人というパターンに陥ることもなくなりました。 きっかけは、エニアグラムという新しい心理学・人間学に出会ったことでした。エニアグラムを通して性格の根源を知ったことにより、苦手な人でも、その人の存在をそのまま認めることができるようになりました。 そういう人のすること、言うことが、はっきり予測でき、見え過ぎるくらいにはっきり見えるため、思わず笑いがこぼれそうになります。その人の反応に、なんとも言えない滑稽さを感じてしまうのです。嫌だと思っていた人が、微笑ましくなり、その人とのつきあいをひそかに楽しんでいる自分を発見するのは驚きです。 本書をお読みになる方が、そんな楽しみを見つけ出して下されば、著者として望外の喜びです。 |
あとがき |
◆あとがき エニアグラム勉強会はいつも笑いが絶えず、楽しく盛り上がります。それ以上に楽しいのは、勉強会の前後に行われる飲み会です。前夜祭と称して行われる飲み会、反省会と称して行われる飲み会のいずれも、異なるタイプの間に飛び交う会話は、タイプ固有の失敗談をツマミにして笑いの渦を作り出します。性格が違うからこそ生じる行き違いの滑稽さに笑い転げてつい時間を忘れ、飲み会は延々と続くことになります。苦手と感じるタイプほどお酒のツマミには格好のタネになり、苦手意識はジョークで浄化されてしまいます。人づきあいが苦手だったはずの人も自然に輪に加わり、エニアグラムの輪はどんどん広がっていきます。 勉強会では、たくさんのすばらしい人と出会いました。向上意欲を持ち続けるタイプ1、いつも喜びを分かち合ってくれるタイプ2、いつまでも輝きを失わないタイプ3、心に響き合う時間を共にできるタイプ4、静かに深い知恵を伝えてくれるタイプ5、細やかな心配りを欠かさないタイプ6、ウイットに富むジョークで楽しませてくれるタイプ7、いつまでもやんちゃなかわいさを失わないタイプ8、いつも気持をくつろがせてくれるタイプ9。それぞれが異なるものを持っているので、楽しさが倍加します。 日常の中で、怒ったり、笑ったり、悲しんだり、喜んだり、落ち込んだり、傷ついたりすること、心ならずも他の人を傷つけてしまうこと、また生きている喜びをしみじみと味わえる出会いがあること、これらすべてが、"ああ、いい人生だった"と締めくくる最後の一点に集約されているように思います。 シスター鈴木は、著書「神は人を何処(どこ)へ導くのか」(クレスト社)のあとがきで、次のように書いておられます。 「神はあなたをどこへ導くのでしょうか。 神はあなたを、今、あなたのいる場所へ導いています。今、あなたの置かれた場で、あなたは、かけがいのない存在として、目に見える世界を突き抜けて、真の現実を見、真の人間性を発揮するように導かれているのです。」 私は、これまでたくさんの人と出会い、多くのことを学びました。心から感謝の気持でいっぱいです。シスター鈴木との出会いは、私の人生の転機でした。貴重な学びを、数多く体験することができました。亡き母の導きによるものと思いますが、深く感謝を捧げます。 また、快くインタビューに応じて下さった9人の方の協力なしには、本稿を書き進めることはできませんでした。生々しいお話しですので、すべて仮名とさせていただきましたが、赤裸々に人生を語って下さったことを心より感謝申し上げます。 最後に、私の最も大きな成長の糧である妻と子供たちに、心を込めてありがとうを言います。長年にわたり負担をかけてきた妻には、私の感謝の気持が伝わることを祈りながら。 |