今だから書ける、この本のウラ話 

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現役を終わった年の冬、ショーンコネリーを目指して髭を伸ばし、パソコンに向かっていると作家の気分になってきた。
原稿は書き上がったが書名がなかなか決まらない、妻は私があれやこれやと難しい題を考えているのを見かね、最初の十ページほど読んで笑いながら「これは僕の出張だわね」と囁いてくれた。私は「え!何」と思わず唸ってしまった。
妻に言われたことを娘に話すと「その題なら本屋で手にとってみたくなる」と言われその気になり、書名を『僕の出張』として出版した。

 数ヵ月後、通信関係の本を技術解説ではなく「読み物風」に書いて欲しいという感動的な一通のメールを東京文献センターから貰い、心のときめきとファイトが沸いてきた。チャレンジ精神で半分ほど書き上げた頃、以前の会社から、「海外工事の現地管理者として一年間渡航して欲しい」との要請がきたが、これからは「あまりがんばらない」をキーワードと決めていたので思案の結果お断りした。        
もし渡航していたら『移動通信半代記』は存在しなかっただろう。

 自分の本が書店に並んだ日に娘が撮って
 来てくれた一枚・・うれしかった。
         (横浜西口有隣堂)
          


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