高校生時代(CDが発明されるずっと以前です)に、音楽聴きたさにオーディオ製作に没頭しました。

最初に製作した実用性の有る品物はオープンリール型のテープデッキで、父親が入手してきたスクラップ寸前のソニー製の
TC263D(型番は間違っているかも知れません)のメカ部に3石ほどのトランジスタ録音再生回路と高周波バイアス回路、
簡易VU計を付けたものでした。独立の記録ヘッドと再生ヘッドを使用しHi−Fiと呼べるようにチューン(バイアス電流を最適化)
しました。クラスの友人に音を聞かせたところ、是非貸してほしいと頼まれ、年の離れた弟ができた友人が乳母車を押して
はるばる家まで取りに来たのを懐かしく思い出します。

その後、大学受験を経てオーディオとは縁の無い学部に進んだものの、大学紛争の覚めやらぬ時代。
大学に行ってもタテカンやバリケードに囲まれ休講の連続。喫茶店で友人と時間をつぶす一方、音楽が聴きたくともLPを
購入するお金もなし。その結果、またしても自作することになり、今度はFMチューナーの製作。
IF段は、なんと彫刻刀でプリント基板の不要な銅箔部分を切り取るという気の遠くなるような作業を続け、程なく完成。
同調ツマミを回したときの手応えなどにも気を配ったものの、デザインは当時の花形機種のソニーST5000Fとトリオの
KT8000をミックスしたようなもの。その当時は気にいっていたものの、没個性の域から脱しないものでした。その後、
オープンリールからカセット全盛の時代になり、当時衝撃的に登場したNakamichi1000(当初はフィデラという商品名
の会社から突如27万円8千円もする3ヘッド機種が発売)のポータブル版であるNakamichi550を模したカセット
テープデッキの製作なども試みました。高級カセットデッキでもテープの振動を除くため、ダブルキャプスタン、クローズド
ループ(Double Capstan Closed Loop)方式というメカが開発されていた時代で、日立製の高価な複合ヘッドを購入しました。
その一方、ロジックコントロールという、それまで考えことも無いような機構や信号の制御方式が登場するに至って、
力の限界を感じました。

曲はジャンルにこだわらず、種々のものを聴いていましたが、気に入っていたのが服部幸三さんの『バッロク音楽の
たのしみ』や葦原英了(画家のレオナール藤田の甥)さんの『午後のシャンソン』(ともにNHK−FM)だったりして友人
たち(第2外国語が仏語の仲間)にもあまり理解されませんでした。(その一因は当時FM放送聴取可能な地域がごく限
られていたことであると後で気がつきました。)

時が移って、好きなことばかりもしておられず、自立することを最優先する期間が続きました。製作からは遠のきましたが、
ソニーとフィリップスによるCDの発明(1981年)の前後、仕事で関連した技術を習得する必要が生じ、ディジタル音響
信号処理の技術を理解する機会を得ました。

そうしている内に突如人々を襲ったのが阪神淡路大震災(1995年1月17日)。 目を疑うような映像や種々の情報の
なかで、目に付いたのが地震直前のFMなどの電波の異常。弘原海清先生の「前兆証言1519」や参考文献のページで
述べた「地震予知研究の新展開」などを通勤時を含め繰り返し読みました。 串田嘉男氏の見通し外FM電波による
地震予知は最も有名でしたが、有料会員にのみファックスで情報が通知されるというシステム、受信信号の処理方法にも
疑問を感じました。

このため、装置を自作して自ら情報を発信することを考え、試行錯誤の結果2002年10月にHP開設に漕ぎつけました。
その当時から変わらない方式がFMチューナーのS(電界強度)メータの出力をそのまま電圧に変換してグラフに表示する
方法です。FMチューナーの場合、IF段でリミッタ (上述のST5000F等では順方向電圧以下に信号振幅を抑えるダイオード
リミッタが多段で用いられていました) によりIF信号の大振幅をカットし、周波数変調成分のみを取り出します。
このため、IF段の出力の検波回路に近い部分では信号強度を正確に取り出すことはできません。

北海道大学の森谷先生も書かれていたように思いますが、「参考文献」の欄に記述したように、同調周波数を100kHz離調
させることは本来受信しようとしている局の電波を弱め、イメージ周波数信号(雑音電波)を受信する可能性が高まります。
また、Sメータの出力ではなく、検波回路のセンターメータの出力信号を用いることは上述のIF回路の性格から、受信電波
の強度をリニアー(比例的)に反映していない可能性が大です。 このようなことは、電気通信分野の専門家であれば常識
的なことであると思われますが、数年前の串田氏による大地震の予知の会見の際にそのような技術的な質問は出なかった
のではないかと思います(この点は充分確認した訳ではありません)。

そのようなことで、2002年から2008年6月まで6年半の間「ソーラとFM」の名称でFM放送電波の受信レベルを公開しま
した。しかしながら、長期間の使用などで装置の状態が維持できず、特にフロントエンド部を利用していたパイオニア製の
ディジタルチューナーF120が使用できなくなったことなどで、前回のホームページはやむなく閉鎖致しました。その間、延べ
50万人程の方々に参照して頂きましたことにお礼申し上げたいと思います。また、筆者は現役のサラリーマンで、電波観測
は全くのボランティアで作業させて頂いておりましたので、HPは「ロビン」の名前でコメントを述べさせていただいておりました。
(問い合わせなどで職場にコンタクトが入ると、HPの維持ができなくなります。)

今回(2011年8月31日〜)各種装置を1から作り直し、再び「ソーラーとFM」としてホームページを開設させて頂きました。
また、ボランティアでのデータの公開という状況には全く変わりが有りませんので、ハンドル名のみの公開とさせて頂きたい
と思います。

「最新受信レベル」の欄にも記述させて頂きましたが、今回のシステムではソーラー発電システムの起動と停止に伴うノイズが
朝夕に発生することが前回は無かった問題点で、該当の時間帯の受信レベルは無視して頂きますようお願いします。
特に雨天の場合は朝から夕方まで大きなノイズが発生し続けることが有ります。

公開している内容は、一般の住居で受信したFM放送電波の受信レベルという以上のものではなく、近い時点で大きな地震
が発生するか否かは現時点では断定できるレベルに達しておりません。
くれぐれもその点を考慮のうえ判断して頂きたいと思います。

ページ管理人の名前について
前回の「ロビン」(或る児童文学から借りた名前で日本語では「かっこう仙翁」が最も近いものです)は、東京ロンビさんなどの
似た名前もみられましたので、今回は「RAY」(Robin At Yokohama)という名前を使いたいと思います。

技術的なご質問などが有りましたら、できる範囲内でお答えしたいと思います。

メール: toshi@66.netyou.jp @以降を半角に変えて記入して下さい。

仕事の都合上、長期間お答えできない可能性が有ります。また、地震の発生の可能性についてはお答えできません。
科学的なデータに基づいて詳しく分析されているサイトが存在すると思いますので、そのようなサイトをご訪問下さい。

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