送受信アンテナの位置関係



FM放送局の送信アンテナと受信アンテナの位置関係

 フリーの白地図で、太平 洋側からの視点で日本列島を厚みの有る形で表現したものを見つけました。アンテナのシンボルは地図と重ならない位置に移動 しています。
 放送局から受信アンテナを結ぶ赤と青のライン付近に電波伝搬の状態の変化が生じて放送波が受信されたとき、或いは受信アンテナ の近くで雷などのノイズが生じたときに受信レベルの変化が記録されます。 

 当サイトの受信システムは、通常はサービスエリア外となる遠方のFM放送局からの電波が到来したときに受信するように設計され ています。
 FM受信機(チューナー)は2つ有り、異なる周波数(86.7MHzと88.1MHz)の電波をそれぞれ受け持っていますが、 アンテナは共通です。

 受信アンテナはブースター付きのロッドアンテナで、8の字型(投影面上で)の広い指向特性をもつダイポールアンテナに属するも のです。
 指向性が広いことにより、種々の方向から到来する電波を逃さずに受信することができます。

 逆に素子数が多く指向性が鋭いアンテナ(導波器、反射器という素子がアンテナ素子の前後に設けられています)は感度は高いもの の、受信アンテナの方向がずれると感度が急に低下します。これでは電離層から反射(屈折)して到来する電波の角度(仰角)が変 化した場合(例えば、反射位置が変わった場合)に対応できません。  
 上記の周波数を選択した理由は、関東地方ではNHKーFMの浦和放送局(85.1MHz)より高い周 波数での主要な放送局が無いことから、見通し外の電波の受信に適していることが第1にあげられます。また二つのFM受信機の内部 の発振回路(*一般的なスーパーヘデロダイン方式では局部発振器を用いて中間周波数を作ります)の周波数(*受信周波数より 10.7MHz低いか或いは高い周波数)による干渉が生じないことも考慮しています。

 88.1MHzの電波に関してはNHK-FM大阪放送局(10Kw)とNHK-FM沖縄放送局(1Kw)の2つの局から送信さ れており、FM受信機の特性では通常は弱い方の電波は抑圧されてしまい受信できません。(*キャプチャーレシオという性能で表現 されます。)
 しかしながら、見通し外の電波の受信では同時に2つの局からの電波が到来する可能性は低いと考えられます。
 例えば、NHK-FM沖縄放送局からの電波は九州地方のニュース番組の音声を確認済で、条件次第で明瞭に受信できます。

 この受信システムを作り始めてから15年近くになりますが、当初はスポラディックE層と呼ばれる一時的に発生する電離層(*夏 期に多く発生します)による遠方の放送局の音声が明瞭に受信できることに驚き、興奮しました。(アマチュア無線や短波放送の受信 では当たり前ですね)
 また、頭上を飛行する旅客機の機体による反射でも、やや遠方の放送局(*例えば88.8MHzのNHK-FM静岡放送局)から の電波も頻繁に受信されますが、これでは航空機の飛行をモニターしている状態になるため、その周波数は採用していません。


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