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この問題に対処するために、デサルフェータと呼ばれるパルス発
生器が有
り、市販もされていますが、比較的単純な回路構成であるため、自作して他のバッテリーで試験してきました。このほど、上記のバッ
テリーの劣化が進んだた め、
デサルフェーターの回路を見直し、パルスを強力化したものをディープサイクルバッテリーに取り付けました。 |
上の写真はバッテリーに取り付ける直前のものですが、以下の点
で改良し ました。
@ インダクタ(220μH)の一端と接地(グラウンド)の間に挿入されるスイッチ素子(N−channel FET)を
2SK2231から 2SK2382(何れも東芝製)に変更。
2SK2231は入力容量が370pFと非常に低く、FETオフ時のスピードを早することを狙って選択したものですが、オン抵抗
が比較的高く(0.3
オーム)、インダクタへの電流が制限されていた可能性もあります。2SK2382は入力容量は大きく(2000pF)なります
が、オン抵抗は約半分(0. 13オーム)であり、下記Aのゲート駆動方式の変更により高速化が可能と思われます。
A これまで、FETのゲートのオフ時の速度は入力抵抗に並列にダイオードを挿入すること等により高速化をはかってきました。今
回、タイマー ICNE555
(CN)の出力とスイッチ用FETのゲートの間にPNPトランジスタ(2SA1015)を挿入して高速化する方式を採用しまし
た。
以上の結果、インダクタの電力をバッテリーターミナルに接続する高速ダイオード(31DF2を使用)の端子を挟む部分で測定した
パルス波高が2倍以上にな り、改善の効果が有ったと思われます。
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デサルフェータを自作される方へ
上記の自作デサルフェータ(パルサー)の回路は元々は米国のアラスタイアクーパー(Alastiar Couper)氏の
2000年6−7月の雑誌への投 稿記事を紹介した「DIYパル サー」さんのサイトの回路を
使わせて頂きました。上記のサイトは現在は存在しませんが、ここで謝意を表したいと思います。
尚、インダクタはサトー電気で購入した小鼓型コアボビンに0.4mm径のウレタン線を2m程巻いたものです。写真の下の基板では
TDKのコアに271とい
う表示が有りますが、リッツ線を使用して巻き直したもので何れも250μH程の容量です。サトー電気のコアは上記の線材を上記の
長さで巻けばおよそ 200μHを超える容量が得られると思います。
インダクタの容量の測定は誠文堂新光社の大人の工作読本No.7に有った簡易インダクタメータの記事の通りに作成したものを使用
しました。外形デザインは 変更し、抵抗のカラーコードで読むようにしたものです が、非常に使いでがあり、こ
れ無しには種々の工作を行うことはできませんでした。著者の松本悟氏に謝意を表したいと思います。
上記のようにFETの選択やその制御、やインダクタに接続するダイオードの特性などにより性能が大きく変わると思われます。
オシログラフで波形を観測して確認するのが良いと思いますが、屋外での簡易的な測定方法としてはダイオードと容量を組み合わせて
保持したピーク電位を測定 することでスイッチング回路以降の回路部分の動作状態を知ることも可能です。
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