流派事典  
 




筧流針術
小姫筧流 布衣術
村雨流掌術
風鳥院流絃術
『裏』風鳥院流絃術



毒香水




流派


筧流針術
(かけいりゅうしんじゅつ)


針を使った医術として発展した古流術派。
その秘術は薬物を決して用いず、ただ針を以て経絡(けいらく)を正確に貫き、ある時は傷を癒し、またある時は肉体を滅ぼす。
風鳥院流(ふうちょういんりゅう)と筧流の、互いの術派の創始より伝わる『針絃一体(しんげんいったい)』の言葉に従って、代々主治医として五百年間、風鳥院宗家を守ってきた。
(いわ)く、針を以て絃(いと)を形作れば柔にして剛、何者も破るを能(あた)わず。
有事の際には、治療具でもある飛針という長い針を投げて敵を攻撃する。
また、同じ筧流に布を使った術派『小姫筧流 布衣術(しょうきかけいりゅう ふいじゅつ)の存在がある。

この流派の伝承者は筧 十兵衛



●中伝心得

心眼(しんがん)
心を研ぎ澄ますことによって、物事の真実の姿を見抜く。


●攻撃技

飛燕(ひえん)
腕の一振りで複数の飛針を同時に放つ。

毒蛾(どくが)
毒蛾の鱗粉で痺れるが如く、相手の孔(こう)を貫いて身体の自由を奪う。

鉤十文字(かぎじゅうもんじ)
四方の敵を同時に貫く。


●防御技

孔針剛(こうしんごう)
針を以て自ら『孔(こう)』を打ち、皮膚を鋼と化す。


●針絃一体の技

針絃(しんげん)の曲(きょく)
絃を飛針に絡めて一瞬で楯を縫い上げ、敵の攻撃を防ぐ。


●秘奥義『黒磁操針(こくじそうしん)の法(ほう)

霊峰富士の地下より掘り出した黒磁鉱から叩き出した黒針を用い、太極石を以て自在に操る技。
ただし、磁気嵐を引き起こすほどの強大な磁力を操るため、生身の人間では全身の内臓機能に変調をきたし、失明するなどの弊害が起こる可能性がある。

鳳仙花(ほうせんか)
太極石(たいきょくせき)に集まった黒針(こくしん)を放射状に放つ。

群蜂(ぐんほう)
蜂が群を成して襲うかのように、分散していた黒針を集め敵を粉砕する。

山彦(やまびこ)
一度相手めがけて放った黒針を、太極石で操って背後から攻撃する。

土蜘蛛(つちぐも)
地中に潜り込ませた黒針で、敵の足元から攻撃する。

地雷震(じらいしん)


小姫筧流 布衣術
(しょうきかけいりゅう ふいじゅつ)


布を使った古流術派で、代々風鳥院流絃術(ふうちょういんりゅうげんじゅつ)の宗家を守ってきた筧家に伝わるもう一つの術派。
同じ筧流に、針を使う術派の『筧流針術』がある。

この術派の使い手は筧 朔羅で、おそらく彼女が伝承者。


●布衣術

孔雀(くじゃく)
相手を布で縛り上げ、動きを封じる。


村雨流掌術
(むらさめりゅうしょうじゅつ)


気を操る、合気道の源流といわれる古流術派。
伝承者には『秘奥義の書』が受け継がれる。
広く知られている『遠当て』は隙を作り出すための初動技に過ぎず、本当の威力は接触技にこそ発揮される。

雨流俊樹がこの流派の継承者。


●初動技

遠当(とおあ)
一瞬の隙を作り出すための技。


●接触技

旋風掌(せんぷうしょう)
激しく回転しながら掌打を叩き込み、相手を吹き飛ばす。

流撃波(破)(りゅうげきは)
まともに受ければ骨が砕け、肉は裂ける。
また、例え武具を以て受け止めても、破壊的な気の流れが掌から武具を伝い内蔵までダメージを与える。

陣太鼓(じんだいこ)


●秘奥義

練空玉砕掌(れんくうぎょくさいしょう)
内気を用いて無限の外気を掌(しょう)に集め、気玉を練り上げて敵を撃破する。


風鳥院流絃術
(ふうちょういんりゅうげんじゅつ)


琴を用いる古流術派で、有事の際には琴の絃(いと)を用いて戦い、自然万象(じねんばんしょう)を技と成す。
そして、琴絃を巧みに操りその絃に波動を伝えることで、絃自体に鋼の強さや刃のような鋭さを与える。

(いわ)く、何人(なんびと)も風に揺られ、霧に迷い、陽に眩(くら)み、水に濡れる事からは逃れられぬ。

また、風鳥院流と筧流は表裏一体を成し、互いの術派の創始より伝わる『針絃一体(しんげんいったい)の言葉により、代々主治医も務める筧家に五百年間守られてきた。
己の身に危険が迫った時には、“紅(あか)い絃(いと)”を仲間へ向けて風に流す事で危機を知らせる。

宗家・伝承者は風鳥院花月


●針絃一体

針を以て絃(いと)を形作れば柔にして剛、何者も破るを能(あた)わず。


●初伝

絃呪縛(げんじゅばく)
絃を張り巡らし、相手の動きを封じる。


●初伝または中伝

絃結界(げんけっかい)
対象を結界で保護し、近づく者には弾けた絃が容赦なく襲う。

暗禁閉(アギト)の戒(かい)
目、耳、口を縫い合わせ、見ざる聞かざる言わざるをして己の罪を悔い改めさせる。

編曲(へんきょく)の法(ほう)
絃を用いて顔面の皮膚や筋肉を操り、顔つきを自在に変化させる。


●中伝心得

心眼(しんがん)
心を研ぎ澄ますことによって、物事の真実の姿を見抜くこと。


●奥義 (自然万象の様(さま)を技と成す)

・『攻(こう)の巻』

第弐拾七番の壱 『流水(りゅうすい)の刃(じん)

鉄砲水(てっぽうみず)
(無数の絃が束となり、敵に襲いかかる)

濁流(だくりゅう)
(雨後に増水した川の流れの如く、荒れ狂った琴絃が敵に襲いかかる)

渦巻(うずま)
(敵を中心として渦を巻き、やがて岩をも砕く力で相手に襲いかかる)

(しずく)
川を泳げば如何(いか)に拭おうとも幾ばくかの水滴(しずく)までは拭いきれぬ様(さま)
(身体にまとわりつく雫の如く、逃れる事が出来ない無数の絃が頭上から襲いかかる)

第弐拾七番の弐 『降雨(こうう)の槍(そう)

時雨(しぐれ)
晩秋に降る時雨(しぐれ)は雨宿りをすれば止み、また道を行けば降り出し躯(からだ)を濡らす様(さま)
(無数の絃が不規則に頭上から襲いかかり、広範囲に強力なダメージをもたらす)

霧雨(きりさめ)
霧のように細かい雨の中を行けば、傘を差して歩いても風に舞う雨雫(あましずく)が次第に体にまとわりつき、永い間には全身を濡らして体温を奪う様(さま)
(威力は小さいが、まとわりつく霧雨の如く無数の絃がじわじわと体力を減らしていく)

第参拾六章の伍 『流星(りゅうせい)

光と共に天から降る流星は、地に達すれば一筋でも数多(あまた)の雹(ひょう)を遥かに凌ぐ威力を持つ様(さま)
(無数の絃が束となって相手に激突し、一撃必殺の圧倒的なダメージを与える)


・『守(しゅ)の巻』

第拾五番の参『繭玉(けんぎょく)の楯(たて)
絃を張り巡らし、相手の攻撃を受ける。

第拾六番の弐『渦潮(うずしお)の陣(じん)
渦を巻いた無数の絃が、相手の攻撃を無効化する。


・『拘(こう)の巻』

第拾七番の弐『繭玉(けんぎょく)の檻(おり)
相手を絃で絡め取り拘束する。


『裏』風鳥院流絃術
(『うら』ふうちょういんりゅうげんじゅつ)


琴を用いる古流術派、風鳥院流絃術(ふうちょういんりゅうげんじゅつ)の裏流派。
謎に包まれており、表・風鳥院流を滅ぼした事と、黒い琴絃(こといと)を用いる事以外に詳しい事は何もわかっていない。


●秘奥義

秘呶(ひどら)の禁(きん)

特定の言葉を禁じ、それを口にしようとした瞬間に絃(いと)が締まり殺傷する。




その他


毒香水
(ポイズンパフューム)


香りを吸い込むことでさまざまな症状を引き起こすことが出来る香水。千数百もの種類がある。

主な使用者は『レディーポイズン』工藤卑弥呼『ポイズン・マスター』工藤邪馬人


●種類

火炎香(かえんこう)

空気に触れると劇的な燃焼作用を起こし、体内から発火する。
また、使用者が適度に吸い込み火炎を吐くという方法もあるが、やはり喉などがやける。









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