SE/30 貧乏グレースケール計画


SE/30貧乏グレースケール化計画(その1)

中間報告として、今の所良好な結果を得ました。
完全ではないですが、一応グレースケールで画面を出すことができました。

1段目はNJM2267ビデオアンプICを1個(0.7V to 2.8V)
2段目は2SC1627でカスコード接続です。(3V to 27V  注:電圧は約です)
(2SC1627:fT=150MHz, Cob=6pF, Pc=600mW, たまたま手元にあっただけ)

特別な小細工はしてません。簡単な回路です。今後も実験を続ける予定です。


足取り
1.SE/30オリジナル回路の読取り図面化
実際のSE/30CRTビデオボードを取り外しパターンを追っかけました。
Tr1石のスイッチング回路でした。エミッタ抵抗が
無い回路でリニア特性無しですね。

2.参考回路の入手
MZ2000のCRT回路の読取り図面化
Tr2石のカスコード接続でした。
入力エミッタ接地側2SC1213(AF用, Re=120と560の並列=98.8オーム)
出力ベース接地側2SC1514(fT80MHz, Cob4pF, Pc1.25W, Vcc電圧不明 
Rc=1.2Kオーム, ベースバイアス12Vを15K/15Kオームでの分圧で6V)
--->カスコードの参考にしました。

古いグリーンモニタの回路図入手
2N5380単独ドライブ回路(Re=100, Rc=820オーム, Vcc=34V)
--->Vcc電圧近似の為、抵抗定数を参考にしました。

3.トランジスタ回路定数検討
詳しい人に聞いたら、基本は教えてもらえましたが、詳しくは
負荷の詳細が不明なのと、時間の関係&仕事に関係ないで教えてもらえず独学。
で、理屈でわかったこと。
a.リニア増幅する為にはエミッタ抵抗が必要で、そのエミッタ抵抗の
せいで30Vフルスイングできない。27Vくらいが限界。(パスコン無しで)
ダイナミックレンジ狭くなることで、どの程度見た目に影響がでるか心配。
b.ゲインを下げるとスイング電圧が小さくなる(Reでの電圧降下割合が増える)
c.ゲインを上げると高域F特が悪くなる。(カスコードでない場合)
d.ベース接地バイアス値がよくわからない(^_^;)
e.ビデオ用トランジスタは、fT, Cob が大きく性能に関係する。 Pcも注意。
 
4.SE/30純正回路の測定
Trコレクタ出力電圧測定:ほぼ0〜30Vまでスイングしている。
但し、背景の白黒交互パターン=最高ドットクロックでは、スイングが
80%位しか出てない。スルーレート悪し正弦波形状。
アナログボード出力部位で同波形確認した。=入力ですでに悪い。
アナログボードからの入力信号2.?V〜3V位だった。TTL出力に抵抗入れてある。

5.エミッタ接地のみで実験開始
純正ボードのドライブTrを取り外し、そこへジャンパ線で引き出して、
外部基板へ回路を組む。負荷抵抗は純正ボードの回路(R1=1K,L1=?)を使用。
Tr=2SC1627, Re=110オーム, input BIAS=VR, バイアス電源は純正ボードの12Vを
利用した。結果良好でほぼ理論どおり。出力30V〜3VDC (Vo=27V)位迄スイング
VR可変でリニア輝度変化確認した。出力0V=白,30V=黒, 下を0V迄スイング
出来ないので少し画面暗い。バイアスかけすぎると黒レベル飽和し、
(30Vが25V位にあがる)隣の黒がつぶれる。
背景の最高ドットクロックで、50%位にスイング落ち込む。高域F特悪し。
(注:この時は負荷に直列にL1が入っていたことを忘れている。)
この時入力3V必要。バイアスはVbe分約0.7V別に必要。
見た目70%位のスイングで、ダイナミックレンジは充分な感じです。
私の目には輝度の差が区別がつかない感じです。
この回路にSE/30アナログボードからのビデオ信号つっこみ、2値で正常に
表示できる=置き換え可能なことを確認。

6.カスコード接続へ変更
同じTr2個でカスコード接続実施。ベース接地側BIAS 12Vを10K/10Kオーム
で分圧し、6Vとする。ベース接地パスコンは3.3uF位とした(適当)。
特性変わらず。見た感じ心なしか白くなった。楽にドライブしてる感じ。

7.入力アンプ入れる
新日本無線のビデオアンプICのNJM2267採用する。
理由は、手元にあった&使用実績あり&秋月電子で通販で手に入るので。
入力一般ビデオ入力(コンポジット, 0.7Vでいいと思う)で6dbアンプ
&出力75オームドライブというICです。
負荷オープン状態で、入力0.7V ×4 =2.8Vでそうですのでちょうどいい位。
結果いい感じ。すこしゲイン不足。出力フル27Vの所、25V位のスイング幅。
バイアス誤差に余裕があっていいかなって感じ。
バイアスかけすぎて飽和させると白がかさなって見にくい画面になる感じ。
入出力のカップリングは3.3uFの電解コンデンサです。値は適当に選んだ。

8.他の信号入れてグレースケール再現確認
上記の状態へ外部からの信号を入れて確認した。まあまあのようだ。
まず、スーパーファミコンコンポジットビデオ信号を入れる。同期信号は
SE/30のまま。で、画面は当然同期できないが、グレースケール表示している。
次に、IIciへ接続。同期信号もロジックボード出力コネクタ部のピンを
抜いてそこにぶち込む。表示できなかった。黒のまま。(考察参照)
次に、IIciへSuperMAC Color Boardを入れてトライ。画面表示出現成功。
ただ、同期がとれたが水平周波数が35KHzと高い為ダブっておかしな表示。
だが、確かにグレースケールで表示している。見た目コントラストが淡い感じ。
たぶん、高域F特が悪い為&同期周波数が高すぎる為だろう。

9.考察
・始めはDCアンプで、DCカップリングしなきゃいけないと思ってた。
・IIciで12インチモードは、H/V同期信号は出てなく、複合同期のみ出てた!
・SuperMAC Color Boardは同期信号が、Appleのものと違うピンに出ていた!
・負荷抵抗にL1が入ってたのを忘れてた!多分これが高域周波数特性を悪く
してたのでしょう。

今後の予定
1.負荷抵抗に直列のL1をショートさせ、高域周波数特性を観察する。
2.シンクセパレータLM1881を使い、12インチモードの画面の複合同期を
分離し、SE/30上に完全再現させる。(入力はIIciノーマルビデオ出力から)
3.13インチモードでの同期追従できるかを確認する。
4.回路を固め、公開する。

以上(その1)。

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