Uluru 物語
(24)2008年11月4日 キャサリン⇒テナントクリーク
今日は南北につながる幹線のスチュワート・ハイウェイをひたすら走った。
だんだんこちらの景色にも慣れて、飽きてきたとは言わないが見るものに対する表現がマンネリになってきた。その中で今日印象に残ったことの第一は火事、つまりブッシュ・ファイアのことだ。
T君が例によって早速調べたところでは、油分を含んだユーカリの葉が落ちて、それに外気温40度、50度の熱によって自然発火するが、木自体は燃え尽きることなく2mくらいの高さまでを焦がす程度で生き残るそうだ。燃えた葉やブッシュは肥料となる。ユーカリはおりこうさんだ。大自然の知恵は素晴らしい。
自然発火の跡はいたるところにあるが、今日は燃えたばかりで白い煙がくすぶっている所や、竜巻と間違えたほどののろしのように空高く上がる二筋の黒いものを見た。
第二はハイウェイの死体に群がる鳥である。彼らのおかげで運転者達は遠くから何かがあることを発見することが出来る。時速100キロから130キロで走っている時に早期発見は大変ありがたい。さらに、彼らのおかげで死体をきれいに片付けてもらうことが出来る。
途中にワラビーの他に黒い子牛の死体があった。遠目には、「またタイヤの破片かな?それにしても大きいなあ?」と思っていたが。
第三は、1日ごとに増してくるアボリジニーの数、比率である。町の木の下やスーパーマーケット、ポストオフィスなど、二三人であるいは一人で所在なげに座っていたり、あてもなく歩き回っていたり。
こちらが6人あるいは二三人ということもあるが、危険を感じることはまったくない。
いろいろな保護政策が果たして効果があるのかどうか、どうしたら良いのか、というのは大きな問題で、その後旅の間中折に触れ話題となり、大きなテーマの一つになった。
第四は植物の変化だ。高い木が少なくなり、午後になると平原が多く見られるようになった。それも360度、見える範囲はすべて。相変わらず山はまったくない。
今日は8時出発で3時40分着。700kmという初めての長丁場だったが、途中観光はなくほとんど予定通り到着。渋滞どころか対向車も少なく、信号も我々が宿泊するような町に一つあるくらいで、所要時間はほぼ正確に読める。
夜になっても熱いおかげで洗濯物が良く乾き、夕食後にズボンを洗ったら夜明けまでにすっかり乾いた。
続く
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