雑記帖(エッセイや思いつきなど)

車の話(1) 千円カー

1990年に車を手放してから10年経ちますが、19日の土曜日に中古車を見 に行って、買うことにしました。 「手放した経緯」と同時に、「なぜ買うことになったか」もテーマとして取り上げた いのですが、今日は最近体験した中古車事情について書いてみました。  

車を買うことになって、みなとみらい21にある大きな中古車センターに行きました。 http://www.jacnet.co.jp/index.html 
常時在庫は1千台あるそうです。大量仕入れ。大量販売です。 予めインターネットで息子が検索し、何台か候補車をリストアップしておきました。 従来ですと、幹線道路沿いの中古車センターをいくつか回って買う、ということが 一般的だったのだろうと思います。電車の中で良く見かける光景で、若者が中古車 雑誌を熱心に読んでいる、というのがありますがリクルートあたりが始めたもので しょう。衛星放送を使ったオークションがありますが、これは業者間の取引らしいです。

さて、会場に行くとさすがに車が大量に並んでいました。立体駐車場にもぎっしり。 その中で、千円の値札が着いた車がありました。走行距離9万キロ。多少ボディー はへこんでいましたが、どうせ娘が運転するうちにへこますだろうと思っていました から、かえって安心してぶっつけられるからいいのではないかと、千円カーに決め かかっていました。 プレハブの比較的大きな事務所に行くと、既に何組も商談中。大量販売・大量仕入れ。 パソコン画面を見ながら商談を進めています。 3台くらい候補を選んでいると、そのうちの気に入った車は、5分ほど前に決まったとか。 また、タイムセールとかいうのがあり、15分ごとに3千円ずつ値段が下がってゆき、 タイミングを見て買うと欲しい車が買える、ただし、もっと下がるのを待っていると、 他に人に買われてしまう。オークションもやっていました。 しばらく観察していると、事務所の中ではスタッフが走っていました。これも、「これだけ忙しい。」 「これだけ売れている。」「早く決めないといい車がなくなってしまう。」という心理状態を作り出す ための演出に見えました。スタッフはほとんど20代。 これが彼らのビジネスモデルだな、と見ました。

つまり、こんなビジネスモデルです。 @大量仕入れ・大量在庫・大量販売 A多分、車の販売マージンはそう多くない。利益の源泉は販売差益でなく、回転率か、  ローン金利、または登録手数料など。 B車好きの若いスタッフ C客の前では走る(佐川急便もよく走ります。年寄りには走れない。走れなくなったら辞めてゆく。) 結局、千円カーは決定寸前でやめました。 千円は確かに安いし、どうせぶっつけても全然惜しくない。第一、見積もりの時に「消費税50円」 と言われた時には思わず嬉しくなりました。それだけに、登録費用や車検の価格が「相対的に」 高く感じられ、「タイヤも替えたほうが良い。」「9万キロ走っているから、タイミングベルトも替えよう。」 となったら、何の事は無い、もっと良い車を買ったほうが安くなってしまう、と思いました。 タイヤが2本で2万円で、本体が千円では、「タイヤを買ったら車体とエンジンが千円で着いてきた。」 のと変わらなくなってしまうからです。

作成日:2000年4月11日火曜日 22:08

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