9月4日(月) 3日目

この日から韓国国内の移動を本格的にスタート。釜山を後にして、市外バスというバスで世界遺産に登録されている海印寺(ヘインサ)へ行き、その後、再びバスで韓国第3の都市、大邱(テグ)へ。そこで一泊しました。


  • タクシーに乗る
  • 市外バスにも乗る
  • 海印寺(ヘインサ)
  • 緊急事態発生!?
  • 大邱(テグ)でウロウロ

  • タクシーに乗る

     この日は、さっさと釜山をあとにして、市外バスに乗って海印寺(ヘインサ)へ向かった。海印寺に行くバスは、昨日買った時刻表によると、1日1本。出発するのは、西部バスターミナルらしい。このバスターミナルの位置は、昨日入手した地図に載ってるのでだいたい分かる。でも、結構遠い。地下鉄ではいけない。タクシーしかない。とほほほ。
     ホテルを出発して、ウロウロと街を歩く。タクシーに乗りたいが、タイミングが難しい。朝なので、結構交通量が多い。相乗りとかは、オイラには難しくてできないから、誰もお客さんの乗ってないゆっくり走ってるタクシーはないものかと、歩道を歩きながら探したが、なかなか見つからず。2〜30分ぐらい街を行ったり来たりしてしまった。で、ようやく捕まえる。

     ドアを自分で開けて、さぁ、乗車。例によって、とりあえず韓国語で行き先を行ってみて、そんで念のため、地図を指さして行き先を告げる。今日は結構あっさりと分かってくれたようだ。しかも今日の運転手さんはあまり話しかけてこない。(よかった)
     初めのうちは普通の道を走っていたが、途中で有料道路になった。やけに渋滞してると思ったらその先に料金所があってそこで料金を(運転手が)払う。料金の支払い方法がおもしろくって、大きな袋みたいなザルみたいな入れ物にお金を投げ入れるの。そうするとその中にちゃんと機械が入ってるらしく、ちゃんと金額を計算して、ゲートを通過できる。そんなわけで有料道路に入り、その直後、長い長い長い長いトンネル。こんな長いトンネルで何かあったら絶対生きて帰って来れない。このトンネルを抜け、高速道路のようなところをしばらく走り、高速を降りて、一般道を数分。ファーストフードとかが沢山建っているにぎやかなところに来たと思ったら、運転手さんに「ここ」みたいなことを言われ、料金の支払いとなった。

     実は、渋滞で予想していた時間より大幅に時間がかかり、結構高いんじゃないかと心配をした。なにしろ、距離的にも時間的にも日本でこんなにタクシー乗ったら5〜6千円はするでしょう。それに高速代も払わないといけない。
    でも大丈夫。こちらの交通費はとても安い。どこかの国の高速道路とは大違い。
     結局総額11600ウォンだったから千円弱でした。タクシーの運転手さん、とても良心的で、メーターの料金とか高速代(?)とか色々計算して、「12000ウォン」って言ったの。だからそれだけ払ったら、お釣りを400ウォンくれました。本当にこの金額が妥当なのかはわからないけど、でもメーターと料金所に書いてあった高速代は確認したから間違いないでしょう。

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    市外バスにも乗る

     で、「西部バスターミナル」に到着。ここで時計を見ると...げげっ、9時40分ぐらい。バスの発車時刻は9時50分だから、あぁ、急がなきゃ。
     当初の予定では、このターミナルで朝食を....。いや、バスに乗らないとこの先が大変....というわけで、朝食はあきらめました。前日の夕食も食べずに寝てしまったので、この時点でカナリ空腹。でも仕方ないので、急いでチケット売場に向かいました。2階が待合い所&チケット売場になってて、バス乗り場は放射状にいくつもあって、それぞれ階段を降りる仕組み。
     切符売り場には自動の券売機もあるんですが、これは便数の多い大都市行きのチケットしか扱ってない(ように見えた)ので、チケット売り場お姉さんに「ヘインサッカジ」(海印寺まで)と言うと、おおぉ、通じるではないですか!こんなことで嬉しくなってしまう。発車10分前のバスの行き先を言えばわかるのは当然か..。
     そんな感動の余韻に浸る暇もなく、次は乗り場探し。なんせ階段がたくさんあるので、ハングルを1つ1つ見て、おぉ、あった「ヘインサ」。なんせ1日1本のバスだからあまり目立たないですね。

    釜山西部市外バスターミナル 階段を下りるとそこには売店と検札所みたいなのがありました。売店でなにか買おうと思ったけど、バスのありかを先に確認したいので、検札にチケットを見せると、赤鉛筆でチケットにチェックされバス乗り場に通されました。するとすぐ目の前に海印寺行きのバスが止まってました。その時出発5分前ぐらい。乗客はそうですね、5〜6人はいたでしょうか、すいてたことだけ覚えています。で、間に合ったことに安心し、空腹を思い出す。
     ここから2時間40分のバスの旅。どうしよう、と思っていると、バスの近くにも売店がありました。よかった〜、というわけで覗いてみましたが、あいにくバスのなかで食べられるようなものは見あたらず、カップ麺とかばかりでした。しかたなく、水だけでもと思い、ミネラルウォーター700ウォン(70円)を買い、バスに乗り込み出発を待ちました。

     出発〜〜!!去年、韓国に行ったときにソウルから慶州(キョンジュ)にバスで行ったので、バスのなかのことはだいたい分かっています。席は自由で、運転手が勝手にラジオか何かを大きな音でかけるのです。で、バスってのは観光客はほとんど乗らないらしく、外国人観光客なんてめったに乗らないような雰囲気。のどかな現地の人の様子を見ることが出来ます。
     出発直後に高速道路に入り、そこからはしばらくスピードを上げてビュンビュンと北上しました。で、単調な高速の景色に飽き、寝てしまいました。
    (しばらくは爆睡のため、説明不能)
     目が覚めたのは、高速道路を出る直前。料金所を抜けると、そこはどこだったのでしょう?未だにわかりません。道路の案内をみてある程度の事は分かりましたが、はっきりとした位置は、わかりませんです、はい。
     途中で、へんなちっちゃいバスターミナルによってお客さんが1人降りました。で、そのあと、のどかに川沿いの道を行き、山道に入り、え?立体交差のところで高さがヤバイらしくストップ。バックして、遠回りして.....定期運行してるバスなのだろうか?このあたりで、再び眠気におそわれました。

     時間的にもそろそろかなぁ、と思っていると、やはりこの山は、海印寺のある山のようで、看板にも海印寺の文字が多くなってきました。すると道をふさぐようにゲートがあり、バスが止まりドアが開きました。男の人が乗ってきて、なにやらみんなに話しかけチケットを渡して、乗客がお金を払い始めました。ガイドブックに書いてあったので事前に知ってたのでよかったけど、知らなかったらバスジャックかと思ってしまいます(笑)。ガイドブックに書いてあった値段より高くなってました。ここで支払ったのは2800ウォン。金額だけは聞き取れるのです。それにチケットに書いてある値段も見せてくれたので、間違いないです。何の集金かというと、海印寺の入場料と(正式な名前はわかりませんが)自然公園みたいなものの管理料。バスのなかであらかじめ払ってしまうのです。入山する人からは取りっぱぐれのないように。
     そんなこんなで定刻通り、海印寺のバス乗り場(降り場っていうのかな)に到着しました。

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    海印寺(ヘインサ)

     バスを降りると、さっそくおばあさんが近づいてきました。なにやら謎のジェスチャーをこちらにしてきます。わかりません、これは関わらない方がと思って無視して逃げました。かなり一生懸命、「寝る」しぐさをしていたようです。「宿は決まってるのか?ここで泊まるんだろ」という意味だったのではないかと推測します。
     ここでは宿を探す必要はないので、さっさとお寺を目指して進むことにしました。なんせバスターミナルから海印寺までは、「徒歩30分」なのです。しかも、初めの10分ぐらいは、バスの走ってきた方向に進むの。なんでもっと近くにバスターミナルをつくらなかったのだろうか。
     途中で露店があり、空腹を思い出したものの、あまりお客がきてないようで、気持ち悪い「おでん」しかなかったので、やめました。で、重い荷物を抱えたまま、ひたすら歩き続けました。今考えると、どこかで荷物を置かせてもらえばよかったのに、なぜでしょう。旅行中は、そんなことは考えもせずに突進してしまうのです。まぁ、自分で持ってるのが一番安心なんです。

     海印寺に行ったのは、ここには世界遺産に登録されている「八万大蔵経」があるからなのです。それは何かって?よく分かりません。詳しくはガイドブックでも見て下さい。

     とにかくお寺の門の近くまでたどり着き、お店に目をやりました。
    「ふ〜ん、観光地だからレンズ付フィルム(使い捨てカメラ)売ってるんだ。でも、こんなところまで来て買う人いないよなぁ、普通持ってくるよなぁ〜〜。あ、あれ、カメラ。持ってない!.....え。なんで!?あ、バスの中!!」
    というわけで、観光どころではなくなりました。このあと、お寺の中をひととおり見て回りましたが、頭の中はカメラのことでいっぱいで、残念ながら上の空でした。ただ、目的の八万大蔵経はちゃんとこの目で見てきました。

     ってな感じで、海印寺の写真はないです。かわりにこの写真。あとで説明します。 海印寺のバス乗り場

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    緊急事態発生!?

     さてこの[カメラ忘れた事件]の続き。まず最初に考えたのは「使い捨てカメラを持っていってよかった〜」ということ。なにせ、デジカメを買おうと企んでいた(けど買えなかった)という経過もあるので、本当にそう思いました。使い捨てならこれまでに撮った写真さえ諦めればいいわけで、「まぁ、仕方ない」ですみそうな気がしたわけです。
     しか〜し、やっぱり諦められない。今までの写真がどう写ったか見てみたい。絶対取り返してやるーと本当は自分が忘れただけなのにまるで他人に盗られたみたいな気分になり、一人で勝手に意気込み、カメラを忘れたバスへ急いで戻ることを決意しました。そう、徒歩30分。

     こうなると旅の風情もへったくれもありゃしない。
    「オイラのカメラ!カメラ!、今朝乗ってきたバス!バス!」
    と呪文のように唱えながらひたすらもと来た道を戻っていきます。すれ違いざまに学生の集団みたいなのが大量に押し寄せてきましたが、そんなことに気を取られる暇はありませぬ。
     この時点で、バスがまだ停まってるかどうかはまったく分からなかったので、不安で不安で。

     しかし、これをご覧のみなさんは結果がどうなったかをすでに知ってるわけです。だって、今までの行程の写真がサイト上にあるんですから..。
    そう、あったのです。

     バスのターミナルに行くと、バスが2台。そのうちの向かって右側に見覚えのあるバスが...。そして、そのバスの停まってる駐車場の屋根には、「釜山」と書いてある。ということは、このバスが、オイラが乗ってきたバスに違いない。今思い出しても興奮を抑えられないですな。
     が、ここで難関が!!
    オイラが求めてるのは「バス」じゃなくって「カメラ」。でも、カメラをゲットするには、ここで誰かと会話が必要。どうしましょ。 さぁ、今まで勉強してきた韓国語をフルに発揮するチャンス(!?)。必要なのは文法じゃない、語彙じゃない。こういうところでどうにか解決するのはなんとなく自信があるので、ここは一つ、勇気を出して、このバスを掃除してる(たぶん、今朝運転してた)人に声をかけてみることに!!

     オイラ 「ヨボセヨ」(あのぅ)

     運転手 「ネー」(はい)

     オイラ 「イ ボスヌン オヌルン プサネソ カッソッソヨ?
          (このバスは、今日、釜山から行きましたか?

     運転手 「ウリマル×★……●△」(推測韓国語でしゃべらなきゃわかんねぇよ) 

     オイラ 「イ ボスヌン オヌルン プサネソ カッソッソヨ?
          (このバスは、今日、釜山から行きましたか?

     運転手 「カメラ?」(カメラ?)

     オイラ 「ネ〜!!」(は〜い!!)

     カメラが渡される。

     オイラ 「カサハムニダ!」(ありがとうございます!)

     恥ずかしいことに、「行く」と「来る」を間違えたので、変な文章になってしまいました。が!カメラを受け取ることが出来た以上、この会話は成功だったといえます。(「成功」だから何なんだという感じですが)
     まず、この質問でカメラのことに気付いてくれたこの運転手さんに大感謝です。もし、これ以上会話が続いたら何も言えなくなってしまうところでした。

     で、カメラを手にしたオイラは、喜びのあまり、そのバスの写真を撮ってしまいました。それが先ほどの写真なのだ。ちゃんちゃん。で、向かって左のバスに乗って、次の目的地、大邱(テグ)へ向かったのでありました。

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    大邱(テグ)でウロウロ

     海印寺から大邱(テグ)までは、再びバス。3600ウォンなので、約360円です。私、またしてもバスの中で爆睡してしまいまして、ほとんど何も覚えていません。残念ながら、今度は起きたのは大邱に到着したとき。

     なんとも困ったことには、大邱については全然情報を持ってない。地図もない、バスが着いたのはどこなのか?。本当に異国の地に来たって感じ。
     でもまぁ、旅行中っていうのは、偶然というか色々なことがあるんですねぇ、近くにいたおばさんが地元に人に「チハチョル○○○?」(地下鉄○○○?)と言っているのが聞こえました。「なるほど、ここは地下鉄の駅のそばなのかぁ」というわけで、まわりを見渡すと、あぁ、あるではないですか!!地下鉄の駅。さっそく駅へ行き、ここが西部バスターミナルであることを知りました。駅は聖堂池っていう名前。(読み方わすれました。)
     地下鉄は、どうやら出来たばかりのようで、新しい。料金はほとんどの区間が600ウォン(約60円)。で、地下鉄に乗って、とりあえず降りた駅は、大邱駅。釜山同様、国鉄の駅に隣接してます。ガイドブックでこの駅の近くに安いホテルがあるとの情報を見たので、とりあえず宿を確保するために降りました。

     駅前は、大規模な工事をしていて、ぐる〜と遠回りをして、国鉄大邱駅へ向かい、駅の構内を通って、線路の反対側へ行きました。宿は駅から3分ぐらいのところにあって、お腹が空いてるので、「とにかく宿を!!」って感じで駆け込みました。
     この日は予約してないので、その場で、手続きしなきゃならない。まぁ、これくらいの会話なら...。

     オイラ「パン イッソヨ?」(部屋ありますか?)

     ホテル「ネー イッソヨ」(はい、あります)

     オイラ「オルマエヨ?」(いくらですか?)

     と、ここぐらいまで韓国語で会話して、あとはなんだかよくわからない言葉でコミュニケーション。フロントには韓国語だけ分かる人がいて、ちかくに英語が出来る人がいた。フロントの人と話しが通じないときは、英語のできるひとが登場して、説明してくれる。英語もよくわからないけど、韓国語よりはわかったりする。

     しつこいようだけど、お腹が空いてる。なんせ、よく考えたら前日の昼からろくに食事をしていない。26〜7時間経ってる。そりゃ腹減るはずだ。
     このホテル一泊38000ウォン(約3800円)だから、日本に比べれば安いですね。でも、中級クラスのホテルらしく、テレビは、BS内蔵で日本のNHK衛星第1とか第2とかが見れるんですよ、日本では自分の家でも見れないのに..(^^ゞ。相撲やってたけど、それどころではないので、さっさと食事。
     あ、でも、このまわりのことがわからないから、フロントで地図をもらおう、って思って、フロントにいって、「マップ、テグ、マップ」と連呼したけど、通じなくって、ガイドブックに載ってる韓国の地図を見せたら、「ア〜 チド!」って。なるほど、チドっていうのね。一つ勉強になりました。そんで、ちゃんと日本語の書いてある大邱の地図を頂けました。嬉しい限り。

     その後、暗くなるまで、街をウロウロ歩きました。デパートに行ったり、CD屋に行ったり、本屋に行ったり、露店の怪しげな商品を見て楽しんだり。まぁ、なにも買わなかったけど、ショッピングですね。結局、マクドナルドで、ビックマックのセットなんぞを食ってしまいました。日本以外でマックに行くのは初めてだったので、ちょっとおもしろかった。この日は、よく分からないんだけど、サッカーの日本と韓国の試合がある日らしく、街の中でもあちこちでテレビでサッカー観戦してる人を見かけました。ひそやかに日本を応援しながら横目で見てました。
     昨日の反省として、翌日の朝食を準備することにした。デパ地下のパン屋で3個ほどパンを買って帰りました。値段は日本と同じぐらい。やはりデパートは高いです。

     ホテルに戻り、翌日の行動計画を練って、さっさと床につきました。


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