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1.エニアグラム(価値観の心理学)とは何か
2.答えはすべてあなたの内にある
3.エニアグラムを学ぶ真の価値
4.自分を生かすということ
5.エニアグラムとインナーパワー
6.エニアグラムと癒し
7.人間のかなしさ
8.SQとエニアグラム





1.エニアグラム(価値観の心理学)とは何か



 2000年以上の長い歴史を持ち、"人を育てる秘伝"として伝承されてきた「エニアグラム」は、人間の価値観の違いに着目した心理学ですが、その学問の根底となっている人間観は、人間の心の奥底に、すなわち無意識の深いところに、「命を生かし続ける源」があるという仮説を立てています。

 そして、その「命の源」の働き方は、人によって異なり、9つに分かれていると説いています。すなわち、「9つの異なる根源的な命のエネルギー」が無意識の深みから湧き上がり、そのエネルギーの力が、異なる価値観や異なる長所・短所を生み出すことを明らかにしています。

 このエネルギーは、「命そのものの力」、その人を活かし続ける根源的な力ですので、このエネルギーの働きによって形成される価値観は、誰にとってもかけがえのない大切なものになります。

 この価値観が見つかると、自分が本当にしたいことは何なのか、自分は何に向いているのか、自分の可能性をどこで花開かせることができるのか、自分はどういう面に強みを持っているのかなどを知ることができます。
 また、この価値観の違いをわきまえていないと、コミュニケーション・ギャップを体験し、人間関係のトラブルに巻き込まれたときに、悩みを抱えて苦しむことになります。

 キャリア・カウンセラー大国のアメリカでは、9つのの異なる価値観と性格との相関、9つのの異なる価値観と人間関係のトラブルとの相関が高いことが検証されて、エニアグラムはまたたくまに広がり、スタンフォード大学MBAコースに採用されたのを始め、多くのビッグビジネスで活用されています。

 自分がどういう根源的な価値観を持っているかが分かると、自分の行動や言葉の背景を良く理解できますので、自分にOKを出せる力がついてきます。また、他者がどういう根源的な価値観を持っているかが分かると、他者の行動や言葉を良く理解できますので、その人の価値観に沿った対応ができます。その人が何を求めているのかが分かりますので、その人に合った接し方ができます。

 価値観、長所・短所の違いを、エニアグラムではタイプの違いと呼びます。タイプとは個性です。タイプ1からタイプ9まで、9つの異なる個性があります。それぞれのタイプは、固有の価値観、長所・短所をもっており、最終的には、誰でも、いずれか一つに収束されます。およその人物像は次のように記述でます。

タイプ1「細部にこだわる。公平で自制心が強い。」

タイプ2「良く世話をやく。心が温かくてやさしい。」

タイプ3「何事も手際が良い。挑戦意欲が強い。」

タイプ4「独創的なアイデアに富む。繊細で傷つきやすい。」

タイプ5「冷静で分析力に富む。論理的に考える。」

タイプ6「誠実な人柄。慎重で節度をわきまえている。」

タイプ7「明るい社交家。陽気で楽天的。」

タイプ8「決断力あるリーダー。度胸があり大胆に行動できる。」

タイプ9「包容力のある人柄。おっとりとして穏やか。」

 以上は、大まかな傾向ですが、タイプ、すなわち個性には優劣はありません。また、エニアグラムは性格を分類し、枠にはめ、決めつけるためのものではありません。一人一人の本質を発見し、一人一人の良さを活かすことができる実用的な知恵です。


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2.答えはすべてあなたの内にある



 エニアグラムを学び始めると、まわりの人が良く見えるようになり、楽しくなってきます。しかし、エニアグラムがこの段階で止まっていると、エニアグラムの本当の価値に気づくことができません。

 エニアグラムは、自分の内なる声に耳を傾け、内なる声を聴くことができるように自分自身を成長させてくれる知恵の結晶です。

 人間が大自然の恵みを受けて、大自然と調和しながら生きていた時代には、そういう知恵を学び、身につけて生きてゆくことは、あたりまえのこととされていたようですが、自然から切り離された生活が続く間に、それを忘れ去ってしまいました。

 エニアグラムは、あなたを成長させ、そういう生き方を取り戻すための大切なメッセージです。

 シンセサイザー作曲家の細野晴臣さんが、アメリカインディアンの音を訪ねる旅を、NHK教育TVの特別番組で見たとき、そのことを強く感じました。その番組の中で、アメリカインディアンの古老が語る言葉から、印象に残っているものをご紹介します。

 「何千年も前の人たちの魂はいつでもこの土地にある。それは、君の髪をなでる風かもしれない。だから静かに聴いて欲しい。聴く勉強を始めて欲しい」

 「一生は短くて早い。忙しく生きすぎていると、大地の優しさを感じることはできない」

 「太鼓の音を聴くことは、自分たちが誰で、どこから来たのかを考えさせる。子供の頃、黙って座ってじっと聴け、と教えられる。話す必要はない。我々の文化では、黙って聴くことがなにより大事だ」

 「太鼓の音は、地球の鼓動だ。地球から生まれたもの、母の胎内から生まれたもの、全ての命の鼓動が、この宇宙に響いている。太鼓を叩くと、我々が大地とつながっていることを実感できる」

 「僕はひたすら聴く。僕の耳に聴こえてくるものは、全て自分の魂からわいてくるものだ」

 「聴くことが教えの全てだ。なぜなら、何のために生きているのかの答えは、自分の中にあるからだ。どこかへ探しにゆく必要はない。心の中にあるのだから。人間はすぐ迷って、自分の外に答えを求めてさまよう。心の中のものは、見ることはできない。でも、耳を傾ければ何なのか解るようになる」

 「フィジカル(肉体)、メンタル(精神・思考)、エモーショナルの3つのビーイングはひとつにならなければならない」

 エニアグラムで目指すところ、大自然、大宇宙との一体感を感じながら生きる生き方が、アメリカインディアンの伝統の中に息づいていることが分かります。

 私たちは、エニアグラムを学び続けることによって、こういう生き方に近づこうとしているわけです。


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3.エニアグラムを学ぶ真の価値



 「究極のエニアグラム」という本の著者、竜頭万里子さんは、本の冒頭で、エニアグラムは性格類型論であると断言していますが、私は、この言葉に強い違和感を持ちました。

 竜頭さんが指摘している通り、エニアグラムには、人間を9つの異なる性格に分類し、それぞれの特徴を浮き彫りにさせてくれる面がありますが、それは、生きる意味や人間性の本質に焦点を当てているエニアグラムの偉大な知恵の一部にすぎません。

 エニアグラムの本質は、一人一人、内なる声を感じることができる力を自分で育てていくために、長い歴史を生き延び、私たちの恵みとしてもたらされたものだと思います。

 今、教育の現場では、考える力と感じる力のアンバランスが問題にされています。このことについて、晴佐久昌英さんというカトリックの神父さんが、示唆に富んだことを書いておられます。

 すなわち、考える力だけが育ってしまうと、

@ 一般化する頭だけが鍛えられて、自分らしさを出せなくなってしまう。
A 心の深いところで人と通じ合えないので、孤独になる。
B 他人との共感が希薄なので、真の生きる喜びを持つことができない。

 自分がどう感じたか、それをどう表現するかが、その人らしさになるわけですが、その力を殺されたのでは、本当の感動を味わうことはできません。

 エニアグラム・ワークショップでは、他人がどうこうという前に、自分はどう感じるかを問われます。感じ方に、良い、悪い、あるいは正しい、間違いということはありません。正しい、間違いを言い始めるのは頭のほうですが、子育ての場では、感じたことを頭で裁くような間違いがあまりにも多かったと思います。

 エニアグラムは、人の感じ方に9つの違いがあることを教えてくれます。自分と違う感じ方をする人を、頭で裁くことは危険であると教えてくれます。

 自由に感じ、感じたことを自分の頭で抑えようとせず、素直に表現できる力を育てること。ここに私たちがエニアグラムを学ぶ真の価値があるのではないでしょうか。


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4.自分を生かすということ



 「心がやすらぐ魔法の言葉」(PHP文庫)というすてきな本があります。著者の山ア房一さんが、長い苦しみの末にたどり着いた生きる術を、やさしい言葉で綴ったものです。

 その本の中に、「自分を生かす3原則」が紹介されています。

【原則1】そのままの自分で百点満点を生きる。

【原則2】自分は、徹底して自分の味方をする。

【原則3】あるがままの自分を好きになる。

 この3原則が意味するところは、今の自分でOKだという感覚を持ちなさい、そうすれば自分に与えられたものを100%生かすことができます、と解釈できます。

 この3原則を参考にして、その反対の「自分を殺す3原則」を考えてみましょう。

【原則1】そのままの自分は50点、そのままの自分を認めない。

【原則2】自分は、徹底して自分の敵になる。自分を責める。

【原則3】あるがままの自分を嫌う。

 この3原則が意味するところは、あなたが、今、どんな状況にあろうと、今のあなたを肯定しないと、自分自身を精神的に抹殺し続けることになる、と解釈できます。

 エニアグラムを学ぶと、9つの異なるエネルギーのいずれを持ち合わせていても、すなわちどのタイプでも、長所(プラスの面)と短所(マイナスの面)を同時に持っており、マイナスの面も自分の一部として認めざるを得ないことを体験します。マイナスの面だけに目を向けて、自分に鞭打つことがいかに無駄なことかを心から納得します。

 私たちは、そのことに気づかないために、自分を叱咤激励し、他人に厳し過ぎる目を向けてきました。それによって、自分自身や家族、特に子供たちをどれだけ傷つけてきたか、計り知れません。

 エニアグラムは、「人を殺す生き方」から、「人を生かす生き方」に転換するための大きな役割を担っているように思います。新しい世紀を人にやさしい時代にするためにも、エニアグラムの輪を広げていくことは、意味のあることではないでしょうか。

 21世紀に向けて、この輪を大きく花開かせることは、大きな計らいにかなう大切な役割だと強く感じています。

 大輪が花咲く日を夢みながら、地道に歩みましょう。

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5.エニアグラムとインナーパワー



 企業による不祥事が後を絶ちません。
なぜこのような事件が起きたのかということもさることながら、社長をはじめ幹部の事件後の対応にはいろいろ考えさせられるものがあります。

 優れたリーダーとは、業績達成意欲が強く(Pが高い)、同時に部下への心配りができる(Mが高い)人だといわれてきました。PもMも高いリーダーは、成果を上げることができ、また部下から尊敬される理想的なリーダー像とされてきたのです。そして、Pが高く、Mも高いリーダーシップ行動は、スキルとして、つまりテクニックとして身につけることができると考えられてきました。

 しかし、不祥事への対応を見ていると、PとMをスキルとして身につけただけのリーダーは本物ではないということを感じます。事態を真正面から受け止め、逃げずにすべての責任を引き受け、隠し立てせず、正直であろうとする姿勢がなによりも大事だということを教えられます。

 リーダーには、PとM以外に、もうひとつの軸が必要だということは分かりましたが、その軸(能力)とは何でしょうか。人間力、あるいは人間の内的な力(インナーパワー)とでも呼ぶべきものではないでしょうか。

 インナーパワーが十分でないと、恐れから心を閉ざし、自己防衛的な姿勢になってしまいます。企業不祥事が明らかにしているのは、この点ではないでしょうか。

 西欧にエニアグラムを初めて紹介したグルジェフの原点も、インナーパワーでした。グルジェフは、自己の内面を良く観察し、何に脅え、何に傷つくのかを知り、それを受け入れる力を育てていく必要があることを強調しています。

 自分自身を良く知ること、自分自身で感じている否定的な傾向に目を向け、そこから目を背けず、その傾向をも肯定できる心の広さを育てていくことこそ、エニアグラムが目指しているものです。

 エニアグラムを、単に人間関係スキルの改善に役立つノウハウだけに終わらせず、インナーパワーを深めていくための知恵として一生の伴侶にしたいものです。

 エニアグラムは、生涯続く学びです。


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6.エニアグラムと癒し



 癒しという言葉が日常的に使われています。バブルがはじけた後、1990年代、マスコミにも頻繁に登場するようになりました。

 癒しとは何を意味するか漠然としているところがありますが、身にまとっている鎧を脱ぎ捨ててゆくプロセスだという説明が分かりやすそうです。別の言い方をすると、役割という仮面をつけて生きている自分から、仮面をとりはずし、本当の姿で生きることができる自分に立ち返るプロセスです。

 ところで、エニアグラムを学ぶセミナーを毎年行っているコンサルタント集団があります。コンサルタントは、企業が抱えている問題を解決してあげること、経営者の抱えている悩みを取り除いてあげることを仕事にしていますが、そういうグループでエニアグラムを取り上げているのには、理由があります。

 このセミナーを主催しているリーダーAさんは、ご自身の体験から、自分自身が癒されていないのに、お客様を癒してあげる(悩みを解決してあげる)ことなど、決してできないという信念を持っています。

 Aさんは、ある時期、心身症に陥ってしまいました。自分が一所懸命になればなるほど、お客様は言うことを聞いてくれなくなり、家族にはそっぽを向かれ、八方塞りになってしまったのです。

 その苦しさがAさんを書店の心理学コーナーに足を運ばせ、目に飛び込んできた一冊の本が、エニアグラムについて書かれた日本で最初の本「自分探しの本」でした。それを読んで感じるところがあったAさんは、早速エニアグラム・ワークショップに参加しました。そして、Aさんの無意識の思い込みが、鋭い棘となって突き刺さるため、お客様や家族は、Aさんから身を守ろうとして、Aさんに向き合ってくれなかったということに気づきました。無意識の思い込みは、Aさんの思いも及ばぬ強い力で、Aさんをがんじがらめにしていたのです。

 エニアグラムは、Aさんが無意識に良かれと思ってやってきたことにこそ問題が潜んでいると気づかせてくれました。Aさんは、人生を振り返って、自分が同じパターンで人と衝突し、他人を傷つけ、自分自身も苦しむことを繰り返してきたことに気づきました。目の前の霧が晴れ、肩から力が抜け、身にまとっていたAさんの重い鎧が脱ぎ捨てられた瞬間でした。Aさんが癒された瞬間でした。それ以降のAさんは、お客様との仕事も順調に運び、家族との関係も好転して、人生が一変しました。仕事のかたわら、奥様とイタリー旅行をされたり、音楽会にいらしたりと、人生を楽しめる時間を作り出しています。

 Aさんの体験は、エニアグラムが人を癒し、人間関係を好転させる力を持っていることを改めて教えてくれました。


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7.人間のかなしさ



 筆者のエニアグラム体験は、人間の自分自身を知る大きなきっかけでした。以下は、筆者の体験です。

 すべてを頭でかたづけようとするエニアグラム・タイプ5の私は、相手の気持を思いやる大切さを想像すらできませんでした。

 私のスタイルは、妻との間でトラブルを起こします。"今度の日曜日は美術館に行こう"と約束し、当日になって"今日は天気がいいから鎌倉にしようか"と持ちかけると、美術館という予定で一日の行動をしっかり頭に思い描いていた妻は混乱します。そして、突然の予定変更にイライラを募らせます。

 それほど深い思慮もなく変更を提案した私は、妻の反応に驚き、"分かった。予定通りにしよう"と、すぐ鉾を収めます。しかし、妻のイライラはしばらく収まりません。私はと言えば、元の案に戻したのにどうして尾を引くのかと不思議でなりませんでした。これがアタマ人間の情けないところです。気持を置き去りにして、頭のスイッチの切り換えで対応する私には、一度気持が波立つと、すぐには収まりがつかないということを理解できませんでした。

 エニアグラムに出会ったことで、内面で起きる反応は人によって異なることが分かってきましたので、妻を怒らせてしまう私のやり方の問題点も理解できました。しかし、理解できたことと、実際に気持の交流ができること、相手の気持を思いやることができることは別です。意識して注意したり、心掛けたりするときはできるのですが、無意識に、何気なくやるときには、どうしても頭で対応してしまいます。私には悪意がなくても、相手を傷つけてしまいます。

 エニアグラムは、命の根源のエネルギーが、抑えがたい力で一人一人をつき動かし、それが時には他の人を傷つける刃になることを教えています。この力は、人間の"いのち"そのもの、生きている限り働き続けるものであることを明らかにしています。
その事実を自覚するにつれ、"人間はかなしい存在だ"としみじみ感じます。心ならずも他の人を傷つけてしまいます。

 エニアグラムは、私たち一人一人にこのような不完全さを自覚させ、謙虚な生き方を促すメッセージに思えてなりません。"人はかなしい"という自覚こそ、やさしさを育んでくれるのではないでしょうか。


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8.SQとエニアグラム



 SQとは聞きなれない名前ですが、ゾーハー&マーシャル著「魂の知能指数」の中に出てきます。著者は次のように区分けしています。

IQ:頭の知能指数

EQ:感情の知能指数

SQ:魂の知能指数

 この3つについて、大上和博氏が分かりやすい説明をしています。IQは、現実を知識として理解する能力。EQはその現実から影響を受ける感情をコントロールする能力。SQはその現実の意味や価値を考える能力。

 例えば、バイクの交通事故で怪我をし、後遺症が残ったケースを考えてみましょう。なぜ事故が起きたのか、どちらの責任だったのかなどを考えるのはIQです。事故による落ち込みの感情、怒りの感情などをコントロールするのはEQです。そして、"無茶な乗り方をしていたから、あの事故は、このままでは命を落とすぞ、というメッセージだったかもしれない"と、体験の意味を考えたり、気づかせたりするのはSQです。

 鈴木秀子先生は、"生起する事実はすべて中立です。良いも悪いもありません。それをどう受けとめるかの違いがあるだけです"と言われていますが、SQ能力の高い人は、ひとつの見方に囚われず、違った角度から、体験したことの意味や価値を考えることができます。すべての体験に意味や価値を見出そうとするわけです。こういう人の人生は、何か深みがあり、安定した穏やかさを感じさせます。

 さて、私たちがエニアグラムを学び、深めようとすることは、SQ能力アップと密接に関わっています。エニアグラムのタイプとは、心の働きの偏りです。9つのタイプは、それぞれに偏りを持っています。心のエネルギーは、タイプに沿って、特定の方向だけに働く傾向を持っています。この傾向が強すぎると囚われてしまい、"これしかない"と思い込み、柔軟性を欠くことになります。他の見方をすることができなくなるのです。

 エニアグラムは、タイプ別に囚われてしまう傾向を教えてくれます。そして、囚われに気づくことができる自分へと変容を促します。囚われに気づくと、囚われを和らげることができます。囚われが和らげば、思考の柔軟性が高まり、SQ能力が高くなります。

 筆者は、拙著「人づきあいが9倍楽しくなる心理学」(出版社:しょういん)の中で、4歳の時に亡くなった母のことを書きました。「4歳の時に母が死んだ」というのは事実です。その事実に対して、ある時期までは、恨みがましい気持を抱いていました。しかし、その事実の違う意味に気づいたとき、母の死は、筆者にとって価値ある恵みに変わりました。それは、人生を一変させる程の衝撃的な気づきでした。この気づきは、エニアグラムが筆者の人生にもたらしてくれた大きな宝でした。

 エニアグラムは、SQという最も人間らしい能力を高めてくれる助けになることを実感しています。


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