あとがき
どうも、「球状星団M13」をお読みくださってどうもありがとうございます。
この話は前編通して「関口仁」の視点から書かれているので、いろいろと裏側の設定を本編で消化出来なかったのが少し残念です。
これについてはあんまり続編を書く気も、番外編を書く気も今のところないので、あとがきにて少々語りたいと思います。
まず、なにはともあれ影山君ですよ、影山淳。
彼はですね、関口に遭遇する前に大東かの子に告白して、見事粉砕してるんです。
影山は大東のことをずっと見てたから、彼女がなんとなく関口に気があるのに気付いてたんです。そもそも大東は関口に対する想いを隠そうとか思ってないし。よく見ていたら、彼女が関口に対してだけ行動パターンが違うのが分かるはず。
影山にしてみれば、前々から気に入らなかった関口に、彼女まで奪われたのが癪だったんでしょう。
教師に告げ口してからふと我に返って罪悪感にさいなまれています。
まあそのせいで関口と大東が上手くいっちゃったりしてるんだから、可哀想の一言ですがね。もしくは自業自得。
彼が大東かの子に惹かれたのは、自分と同じ成績優秀者で品行方正できっと自分と同じで色々無理してるんだろうなあ……と思っていたら全然違ったって気付いたからです。
二人はクラス委員で、放課後雑用で残ることもしばしば。しかしある日、大東が「今日は早く帰る」と言い始める。塾か何かかな、と思って訊いたら堂々と「見たいテレビ番組がある」と言う。唖然とする影山を置いて大東はさっさと帰ったわけです。埋め合わせは別の日にしましたがね。
そんなこんなで、影山は大東に興味を持ち始めるんですが、その時既に彼女は関口に夢中(?)だったってことで。
この話はまず題名があってから出来ました。(本当は二年くらい前から書いていた。)
最後の会話の部分だけがあったんです。
「お前、どこの星の住人だよ」
「球状星団M13」
ここだけ決めてあったんです。
正反対に見えて実は結構似てる、クラスで浮いた存在の主人公たちを書きたいなあと思って書き始めました。
題名は100のお題からなんです。
悲恋書きさんへ、となってるんですが、全く悲恋ものにお題を使っていないという……。
関口仁と大東かの子は、私の中でも好きな奴らです。彼らの今後は私もよく知りませんが、きっと影山も含めて仲良くやってるんじゃないでしょうか。