Uluru 物語 
(10)日程を1日早める

 
 こうして我々とPiperさんとのコンタクトが取れ、40年ぶりにメールのやり取りが始まった。いや当時はメールなどというものはなかった。Webによる検索なども考えられなかった。
私も彼にメールを出した。半分本気で、半分は『無理かな?』と思いつつ、「良かったら一緒に車で縦断しませんか?」と誘ってみた。返事はなかった。
その2〜3日後に富岡君から「彼、ダーウィンからウルルまで、もし車に余裕があれば我々と一緒に走りたいと言って来たよ。あなたのお誘いの効果じゃないの?」というメールをもらった。
さらに、「自分はオーストラリアの北部に行った事がないので是非カカドゥー国立公園に寄りたい。ダーウィンにいとこがいるので、彼の紹介で現地のアボリジニー(先住民)のガイドもつけられる。」と連絡があったという。
 とてもありがたい魅力的な話だが、さて困った。何せ1日900Kmも砂漠を走る日があるほどの強行日程。浅井君、藤井君がスケジュール調整を試みてくれたが、カカドゥー国立公園に寄る時間をひねり出すのはとても容易ではない。公園といってもスケールがまるで違う。なにせ四国全体が入るくらいの広さだ。
この際、思い切って1日出発を早めたらどうだろうという事になった。日程が変わるのは先発隊のみだし、カカドゥー以降は日程変更不要だし、せっかくだからこの際・・・という事になり、急遽7月15日にいつもの会合場所の如水会館に集まって出発を1日早め10月31日とすると決めた。
もっとも、その会合は日程変更よりも国光君自身が作成してくれたロゴの入ったユニフォームの件が中心であった。日程変更は、もうそれしか選択の余地はなかったし、皆それを望んでいた。

 さらにPiperさんとの何回かのやり取りの後、彼の奥さんより彼の写真を送ってもらった。
何と若い!  もう1枚の写真は、筆で半紙に見事な(少なくとも私よりも上手な)漢字が書かれていた。
しかも、よく見ると左手で筆を持っているではないか。
また、送ってくれた奥さんの名前を見ると Masako となっているのでもしかしたら日本人?

続く
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