Uluru 物語 

(26)2008年11月6日 アリススプリングス⇒ウルル


昨日の残りの中華料理をレンジで暖めて朝食。8時出発。Alice Springsは人口2万5千の大きい町で、信号やラウンダバウトの数が多い。

町を抜けるといつものように大平原。

Uluru に近づくにつれて赤土の比率が高まり、景色は広大な赤い平原の中に草むらや低い潅木がちらほら散らばる、と言うように変わる。

これを例えるならば、「地の海」である。「血の海」ではない。オレンジに近い赤であり、血液の赤とはまったく異なる。
360度見渡す限りの赤土は海であり、地平線は水平線、転々と散在する草むらは小波、低い潅木はやや大きな波だ。その海の水面を飛ぶがごとく2台のランドクルーザーは進む。

 絵画の遠近法で消点という言葉を使う。道路が遙か視界の遙か遠くまで一直線で続き、そのまま空と地平線に溶け込む一点で収束する。その収束点を「消点及び消失点」と呼ぶ。
ところが、そのあたりには逃げ水があって、どこまで行っても消点にはたどり着けない。
(終点のない線路。だんだんイライラして焦ってくるから焦点。)

 

12時ちょっと前、はるか左前方に大きくそびえたつ帽子のような形をした長方形の山を発見し、我々2号車の3人はてっきりUluruと思って写真を撮り、私は揺れる車中から急いでスケッチもした。

長方形の両端はほとんど90度で急だが短い。「上辺は真平ら。これなら登るのは簡単だ。」などと言い合っていた。

ドライバーチェンジ(ドラチェン)のために前の車が止まり、スケッチを見せると「良く描いたねえ。でもあれはUluruではなくMtCONNARだよ。」と言われてしまった。


続く
目次 トップ