Hawaii

2001年12月4日(火)〜8日(土)

ドルフィン・ウォッチング

これが生いるか 生ドルフィン 船のすぐそばまで


 「ドルフィン・ウォッチングをしたい。お父さんいい?」
もちろん悪い訳がない。そもそもこの旅行の目的自体、娘のため80%、安いから5%、テロにつぶされないようハワイの観光産業を支援するため5%、自分も楽しむため10%だから(パーセンテージはその時々で変わることも有る)、娘が一番やりたいと思う事を選択するのがベストウェイなのだ。だから行くと決まったら現地の計画は全部任せてしまった。調べる手段はいくらでもあるし、選択肢は限りなく多い。
本音は『いるかぐらい水族館に行けばいくらでも見られるし、何回も連れていったのに。』という気持ちも少しあったが、『まあいいか』程度の気持ちで参加することにした。

 昨日よりは多少朝はゆっくり目。昨日と同じ場所で迎えのバスを待つ。「いるかさんが見られると良いですね。運が良いとクジラが見られるかもしれませんよ。」というツアーデスクの女性。バスは20人乗りくらいだが、2人ほど先客がいた。例によって何箇所か回って高速道路に入り西(多分)に向かう。途中、ガイドさん(日経の男性)が英語と日本語の両方で案内してくれたバスのスピードに合わせるためどうしても早口になる。ヒアリングの練習に良い。ハワイ大学、パールハーバーが見られた。後者はほんの一瞬だったが。そう言えば明日7日(日本時間では12月8日)は真珠湾攻撃の日だ。
別の軍港も見えてくる。『やたら軍事施設が多いなあ?』と気になりだし、徐々に空港での警戒の厳しさ、迷彩服、マシンガンが結びついていった。『これだけ軍事施設が密集しているとジャンボ機でなくともセスナ機で相当の被害を加られるのではないだろうか?』という仮説が生まれた。この仮説はやがて船に乗り、空港、軍港だけでなく、通信施設、ミサイル基地の存在を知った時、確信に変わる。「そうか。空港の警備があれほど厳重なのは、乗客を守るのが第一なのではなく、軍事施設を破壊されないようにするためだったのか。」

 さらにバスは進み右手の小高い丘の大きな建物をガイドが指差す。「あれはハワイの幽霊屋敷です。日本の某財閥がゴルフ場つきのリゾートを開発しようとしたが途中で挫折しました。夜になると怪しいものが出るそうです。」
 やがてバスは高速道路を離れ、白い高級ホテルへと向かう。ここはヒルトン・ハワイアン・ビレッジの後プレスリーの定宿になったところで、市街から離れているので警備場の理由からクリントンやブッシュなどのVIPが泊まるという。そのホテルにバスは止まり、7〜8人のアメリカ人風の客を乗せた。ホテルに併設してゴルフ場。ここから桟橋はすぐそば。
我々の乗るのはプレスリー主演の映画「ブルーハワイ」の撮影に使った船である。


乗ったのは左後方の白い船


 順番に名前を呼ばれて、船長と船をバックに記念撮影。どうせ後で売りに来るのだろう。
波は比較的静か。天気は快晴。とてもとても気持ちが良い。沖に出てまず船内でいるか講座。講義が終わって船長が、「そろそろいるかのいる海域だからよく探すように。どこから現れかわからないので、見つけたら大きな声で知らせるように。」とアナウンス。
しばらく見ているが全然現れない。途中娘と交代して見張る。
そのうち、「他の船がクジラを見つけたので、ホエール・ウォッチングに切りかえ、そちらに急行する。」とのアナウンス。にわかに甲板がにぎやかになってきた。そのうち前方でクジラの潮吹きが。甲板にどよめき。見た。娘も見た。「クジラは一旦浮きあがって潮を吹くと50分くらい潜っているが、また浮きあがってくるので良く見ているように。」というアナウンスが。『そんなに待つの?』と思っていたらやがてまた潮吹きが何度か。そして前方に三角の尾ひれがしっかりと見えた。急いでシャッターを押すがうまくタイミングが合わない。
みんなクジラに夢中になっている時に娘が「いるかいるか!」と大きな声。第一発見者だ。船のすぐ下にくっきりと。「クジラといるかとどっちを見ればいいの?」と叫ぶ。下を見て前を見て、忙しい。結構興奮する。皆大喜び。

前方正面に二つ潮を吹いている クジラの親子か

徐々に興奮もおさまって来て、皆ほっとしたような満たされた空気が漂う。キャビンに入ってバドワイザーを買う。甲板でミシガンから来たという夫婦の奥さんの方が話しかけてきた。「英語話します?」「ええ。まあ。」そのうち「お嬢さんですか?」と聞くので「No.She is my wife.
」と冗談を言ったら、横にいた娘が慌てて「No.ワイフじゃなーい!」と大きな声。みんなで大笑い。とても品の良い、気さくな人だったが帰りのバスではあの超高級ホテルで下りた。どうりで。

キャビンから食事の用意が出来たとのアナウンス。取りに行くと、今度は右舷にクジラが並走?並泳? 潜らずに泳いでいるのでしっかり見える。甲板い戻って食事をする。食べ終わると、余りに気持ちが良いので眠ってしまった。ドルフィンだけでなくクジラのおまけまでついてきたので目的を果たした安堵から、実に満足。
でも帰りはちょっと波が大きくなってきたような気がして、娘は気持ち悪くなったらしい。あんなに騒いでいたのに。

 ガイドさんがアナウンスで、この辺りは武蔵丸、この辺りは小錦の故郷と紹介していた。また、この辺りに通信施設があって、とかミサイルの基地があってとか言っていたが、ハワイ全体の軍事的重要性と空港の警備の厳重さの関係がはっきりと確信できた。

 さと、ドルフィン・ウォッチングを終わって再びバスでワイキキに戻る。一旦ホテルに帰り一休みして、今度はサンセット・ディナー・クルーズ。どうも娘は気乗りがしないらしい。まだ気持ちが悪いと言う。とりあえず、港まで行ってみることにする。
 結構大きな船だったが、それでも繋留されている間大きく揺れていた。この揺れに怖気づいて結局乗船しなかった。

夕陽が沈み行く中、船を見送る。

船を見送って、トロリーに乗って市内を回り、アラモアナ・ショッピングセンターに行く。
再びワイキキに戻り、サントリビール経営のお店で和風ステーキを食べる。さっぱりした味で量も多くなくおいしかった。そろそろドルがなくなってきたのでクレジットカードで支払う。明日は帰国。

 続く


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