スノードン山頂   
No.3 ウェールズ   1998年
 

Wales の良さはやはりMt. Snowdon です。
海辺の絵が続きましたがWalesの特徴は高原です

スノードン山頂 素描(山頂でのスケッチ) スノードン山頂 素描(左のスケッチを元に色を付けたもの)
 おもちゃのような、蒸気機関車(ヂィーゼルもある)登山鉄道でゆっくりゆっくり登って行くと、360度+上下の雄大な景色が広がり、とても二つの眼だけでは足りません。人間にはなぜ後ろを見られる眼がないのだろうか、と疑問に思ったりしますが、隣の人が”Look over there."とか言って教えてくれたり、言葉を交わすきっかけになるのであながち不便ばかりともいえないようです。
途中、断崖絶壁のぎりぎりのところに羊が悠然と立っていたりするのをみると、羊は臆病な動物の代名詞のように思われていますが、本当はとても勇気のある動物なのかなと思ったり、いや、あれは外敵から身を守るための背水の陣だ、などと想像を働かせていました。
向かい合って座っているおじさんが、「あの羊はこれからジャンプするから見ていろ。」というような冗談を言うので、先ほどの仮説をもっともらしく披露してお互いに他愛もない話をしていました。
頂上に着くと車掌が「頂上にいられるのは30分だけ。30分後にこの車両に乗るように。」と言って全員を降ろす。
さらにてっぺんへ登って、景色を見て、思いっきり希薄になっている空気を吸って、写真を撮って時計を見ると15分ほど残っている。
車両に戻る時間を逆算してしばらく逡巡した後、スケッチをはじめる。
描き終えてみるとむしろ時間がないほうが集中して描けることに気がつく。線を引くことにためらいがなくなる。(ためらっている時間がない。)
上の絵は鉛筆でスケッチしたものをもとに、もう1枚描いて色をつけたもの。(何時の間にか文体が「ですます調」から変わっているのは自分の世界に没頭してきているのでしょうか。)
前の二人は崖の先に座っているので身動きしないため、とりわけ人物を描くのが下手な私にとっては描きやすく助かりました。


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