エジンバラからスカイ島 第7号
1999年2月16日以来のメールになります。今日、川崎のヨドバシカメラでデジタル・カメラを買って来ました。今まではお試しに会社のカメラを借りていましたが、7号まで続けると今更やめるわけにもいかず、また、いつまでも借りるわけにもゆかないと思ったからです。
スカイ島の夕暮れ 油彩 30号
93年9月。お墓事件の翌日、昼過ぎにエジンバラのウェーバリー駅からネス湖で有名なインバネスに向かう。通路を挟んで右側の席に「ランボー」を演じたシルベスタ・スターローンに似たウォークマンを耳にしたやや態度の悪いお兄さん。その向かいにケントギルバートに似た品の良い30代後半の男性。列車はエジンバラを出てしばらくすると東から深く切れこんだ湾を鉄橋で渡る。もう一つのルートは鉄橋を渡らず、深く切れこんだ湾に沿って左から迂回しStirlingからPerthに向かうルートがある。私は鉄道地図を持っていたので鉄橋を渡ると知っていたが、ケント氏は知らないらしく前のスターローンに「Perthへはどう行くのだろう?」と尋ねている様子。聞かれたほうは『うるさいなー。せっかく音楽聴いているのに。』という表情ありありで、「知らないなー。車掌に聞いてくれ。」横で聞いていた私は親切心半分、しゃべり相手が欲しかったのが半分で、地図を見せながら「Perthへ行くのはこっちの鉄橋を渡って行くのです。」と教える。二人とも唖然として、『なんでこんなところで日本人に道を教えてもらわなければならないの?』という顔でした。

Perthに着くと大きな駅なので10分くらい停車。ビールを買いに下車。ケント氏も降りてくる。何となく眼を合わせて、無言じゃまずいと思い、”This is the first time for me to show the way to ・・・・・・・”で止まってしまった。

「スコットランドまで来て外人に道を教えたのははじめてだ。」といいたかったのだが、イングランドとスコットランドは別の国だ、ということが実感としてわかってきたので、『ケント氏はどっちかな?EnglishScottishか?・・・』と考えていたら、言葉が出なくなってしまった。「うーん。」と考えているとケント氏なんと”GAIJIN”とおっしゃった。これには二人で大笑い。

しかし、列車に乗ってからまた考えた。『ここはスコットランド。ここでは私が外人』さらに、『待てよ。外人という民族はいないはずだ。』 そう考えると普段何気なく使っている『外人』という言葉はなんと不正確で、なんと相手を無視した言葉ではないか。それを伝えたかったが、ケントギルバートはPerthで降りてしまった。

添付の絵はこの翌々日に見たスカイ島からの夕暮れ。先ほどまで雨が落ちていたが、やんだとたん虹が出てきたと思ったら、雲の隙間から夕日がスポットライトのようにあたっていた。
 
さらに続きます。

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