スコットランドからの手紙

1999.11.25

昨日(1999.11.24)スコットランドより手紙が届きました。
1998年9月20日。Scotrail の Musselburgh駅で会ったWilliam からです。             ***************************************

Musselburgh GC 素描 同 油彩15号(現在所蔵家の手に)
 1998年9月20日18時20分頃、毎年行く Musselburgh のGolf Courseでプレイ後、Peterの甥のJohnにMusselburgh(マセッバラ)駅まで送ってもらう。 駅員はいない。乗客もいない。駅舎も無い。 時刻表を見ると、日曜日は1日に10本だけ。次の列車まで1時間40分以上もある。 絵にはなりそうもないが他に何もないのでスケッチを始める。描き終わった頃、Peterの娘のJacquelineが車で来た。私がPeterの家にサイフを忘れたのを知らせに来たという。時間はたっぷりあるので一緒に取りに戻る。

駅に戻ると、少女3人少年2人の12〜14才の不良っぽい子供がいる。 タバコは吸う、やたら唾は吐く。どう見ても不良。Donna, Candie, William, Dwayne。スケッチの続きを描きはじめると、全員集まってきて質問攻めに合う。Post Cardをあげると、サインしろ、漢字で書け、住所を書け、自分の名前は漢字でどう書くか教えろ、お前はカンフーが出来るか・・・・。そして・・・。

放送禁止用語で、とても文章には出来ないのですが、”F・・k Me。”を日本語でなんと言うか教えろという始末。「そんなことは教えられない。」「頼むから、記念に教えろ。」というやりとりの後、やむを得ず教えると、大きな声で教わったばかりの言葉をわめく。他に誰もいないし、まして日本語のわかる人はいないが、大声でわめくような言葉ではないので焦ってしまう。

そのうち一番若い女の子 Candie(お菓子と名づけた)がゴルフ場の絵がどうしても欲しいと言い出した。「これは日本に帰ってから油絵にするのであげられない。「それではコピーをくれ。」「それでは日本に帰ってから新しいのを描いて送る。」「それならここでもう1枚描いてくれ。」というやりとりがあって、時計を見ると15分あるので描き始める。 他の子が私に質問をすると、「描き終らないから静かにしろ。」と怒る。

列車が来て乗り込むと、絵をせがんだ子以外は見送り。列車が動き始めると彼女は全く口をきかなくなってしまった。私とふたりっきりになったので警戒しているのか、エジンバラに着いたら一人でさっさと行ってしまった。

帰国してから、Williamに電話をしたら、”Jun!”と言って覚えていてくれた。

一月くらいたって彼から手紙が来て、スコットランドの国旗と日本の国旗が描かれ、My Friend Junと結んであった。結構純粋な子なのかもしれない。  

1993年グラスゴー駅前のジェームス・ワットの銅像のある広場で描いていた時も、ヨークでも、そしてウェールズのカナーヴォン城でも、何故か私がスケッチしていると不良っぽい少年少女が集まってくる。でも、別れ際がいつも爽やかで、「あいつら本当に不良なのかな?」といつも考えさせられてしまう。  

その後私が、「未来は君たち少年少女のもの。しっかり勉強するように、そして、あの言 葉は決して口に出してはいけない。」と手紙に書いた。約1年前のこと。

そして、昨日 William から手紙が届いた。


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