Scottish ? or British ?
 
Heathrow Airport の女性入国審査官
 
(オリンピック女子マラソンを見ながら)  

2000年9月15日。79年1月末に家内と一緒にパリ、ロンドン旅行をしたのがはじめての渡英。当時は労働党政権の末期で、ストライキの為 London市内はゴミの山。その後サッチャー政権に。
それから93年、94年、95年と3年連続で敬老の日から秋分の日にかけてのこの時期に。96年は父の具合が悪いため自粛。97年は息子(当時小5)を無理矢理連れて7月末に(その時の息子の日記)、98年はいつもの時期に一人で、99年は再び息子とアメリカ西部に行った為渡英せず、そしてまたこの時期にまた渡英。イギリスは都合7回目なる。
「なぜ?」とあらためて自問すると、「???」と考え込んでしまうが一つ一つ列挙してみる。
@比較的安全なこと。特に田舎はいい。A英語が通じる。特に思いつきの jokeが通じるのがうれしい。
BEdinburghとMusselburghは欠かせないが、その都度初めての土地を入れるが小さい国ながら、それぞれ違う趣を感じさせる。C毎回新しい出逢いと再会があり、待っていてくれる人がいる。それ故D横浜育ちの自分には田舎というものがないが、ここに来ると故郷を感じることが出来る。Eどこに行っても歴史を感じさせる奥深さがある。Fこれだけ続くと行かないと気持ちの整理がつかない。GHome Pageネタ探しと、絵の制作の取材。
そして、HEdinburghのOld Cemetryのお墓参り。
こんなところでしょうか。
今、高橋尚子がスタジアムに入ってきて。・・・ゴールイン。


 今回の機内は例年に較べて日本人が少ない。特に団体客が少ない。それでも私の周りは若い女性が多く、90%は女性。ひところの、大挙して押しかけるという雰囲気はなくなって、本当に旅を楽しむという方が目立つような気がする。
Heathrow Airportには空港混雑の為30分遅れて着陸。入国審査の列は例年改善されてさらに短くなった。並んでいると、すぐ後ろの女の子二人連れのうちの一人がしゃがみこんでいる。気圧の変化のせいか気分が悪いらしい。列が動く度に移動してまたしゃがみこんでいるが、入国早々これでは先が思いやられるだろうと声をかけると、「大丈夫です。」と言いながらも元気が無い。列を離れて審査官の一人に事情を話す。友達ということにして一緒に審査を受ける。二人は先に終わったが、ついでに私もチェックインとパスポートを出す。
「3人一緒か?」と女性審査官に聞かれ、「Yes」。「あんただけScotlandへ行く訳?」「ええ。まあ。」ちょっとマズイ雰囲気。「で、Scotlandへは何しに行くの?あんただけ(とは言わなかった)。」「友達に会いに」「友達はBritish?」
待ってましたとばかりに。「No.Scottish」と力を込めて答えると、彼女があきれたという顔をして「Same」と言うので、「No.They are another country.」と答える。
歴史的には別の国だが、スコットランドの国民投票で決着がついたので、彼女の方が正しいのかもしれないし、ここであまり逆らって気分を害させても何の得にもならない、まして二人連れの女の子にあやかって審査を早めてもらった弱みもあるので、適当なところで引き下がる。
英国内でももうどうでも良いことなのかもしれない。スコットランド内でも若い世代はあまりこだわっていないようだ。この後、Edinburghの Waverley station の上の Information Centerで Edinburghと描いてある帽子を買いLondonの地下鉄で切符を買おうとしたら駅員が自分もScotland出身だと懐かしそうに声をかけてきた。何年か前やはりLondon市内のパブで飲んでいて、「ラフォレイグ」とか「マッカラン」とかScotlandのWhiskyばかりオーダーしていたら隣の上品だが頑固そうなおじいさんが声をかけてきたことがあった。そこで、Old Cemetryでの話や、Brave Heartの映画の話をしたり、Sketchを見せて、仕上げにPost Cardをあげると、もう二人は友達ということになる。
1年のうち数時間だけ過ごす人とは簡単に仲良く慣れる。そのなかから気が合えば、さらに続くことになり、やがて貴重な友達になってゆく事もある。気が合わなければ付き合わなくて済むし、難しい言葉もいらない。ただ、少し相手のことや歴史を勉強しておくと大変役立つ。絵は言葉以上の効果をもたらすこともある。
このことは、”Post Card Effect”としてまた別の機会に書きたい。

2000年UKシリーズの始まりです。

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