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何度も着用しているうちにできてしまうこのようなすり切れ。
ズボンの膝のあたりとか、いつもお財布を突っ込んでいるポケットのあたりとか…。
糸が弱ってしまっているので、傷は小さくてもそのままにしておくと、すぐに大きな傷になってしまいます。
できるだけ軽症のうちに、修理することをお勧めします。
裏側に、共布かなければ似たような素材・色の布を当てて、表側から細かな針目でミシンをかけて傷を塞ぎます。
実際の傷よりも若干広めにかけませんと、境目のあたりからまた切れてしまいます。でも、できればあまり目立たせたくないので、そのあたりの加減が非常に難しいところでもあります。
きれいに仕上げるコツは、ミシン糸の選び方と、ミシン目の大きさ(細かくかければいいってものでもありません)と、上下の糸調子などです。
これらが、バランスよくできないと、うまくいきません。
この方法は、ある程度コシのあるにウール製品(スーツやスラックスなど)に適しています。薄手の素材やニット製品などには向いていません。
また、色も黒や紺・ダークグレーなどが、目立ちにくく、明るい色やチェック柄などは、どうしても目立ってしまうことがあります。
すり切れ・破れのミシン補修1箇所 2,000円〜 |
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これくらい明るい色ですと、どうしてもミシン目が目立ってしまうのですが、このくらいでしたら、大丈夫でしょうか。
生地がすり切れて薄くなっているだけでしたら、裏側から当てる布は別の布でも大丈夫ですが、このように穴があききってしまっていたら、やはり共布が欲しいですね。
どうしても共布をお持ちでなければ、裏側の影響のない部分(例えば裾の縫い代とか)からカットして使用することもできます。
カットした後の部分は、別布を継ぎ足して、元のように作り直します。
その分、料金が加算されますが、できるだけそのような方法をおすすめいたします。
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これもすり切れの一例ですが、スラックスの内股のあたりのすり切れ、よくいう「股ズレ」というものです。
修理の仕方としては、やはり裏側から当て布をして、表側からミシンをかけて、すり切れの部分を埋めてしまいます。この場合、ミシンの針目は敢えて細かくしません。かける範囲も広いですし、あまり細かくしてしまうと、かえって表面が硬くなって穿きづらくなってしまいそうで。
お品物によって傷の具合もかなり違いますが、たいていの場合は、左右両方とも破れたり、薄くなったりしています。ですので、片方しか破れていないように見えても、私は必ず両方とも修理します。
先述しましたが、ミシンをかける範囲は、傷よりもかなり広めにしませんと、またすぐに破れてしまいます。
せっかく修理するのですから。
それと私は、当て布にも気を遣います。
ミシンをかける範囲と同じ形・大きさに裁断して、周囲にロック(ほつれ止め専用の端ミシン)をかけて、ほつれないようにします。そして、ミシンは当て布の端ぎりぎりまで必ずかけます。ミシン目がはみ出してもいけないし、逆に控え過ぎると当て布が裏側で余ってしまい、それが肌に触れると心地よくないと思うからです。
股ズレミシン 左右両方で、4,000円〜
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デニムの修理もたくさんご依頼があります。
こちらは、ジーパンのヒザのあたりが完全に穴があいてしまった場合の修理です。
基本的には、前述したようなやり方と同じです。
ただし、デニムの場合は、かなり穿きこんでこの状態になりますから、それだけ色落ちがしています。
共布は当然ありませんので、こちらで適当な布をご用意するのですが、キズの周辺と合う色合いの生地を探すのにまず一苦労します。
それと、やはり糸の選び方にも気を遣います。
ミシンの針目は、やや大きめにしたほうが自然でラフな感じに仕上がるようです。
また、お客様によっては、穴の部分にデザイン的に別布を当ててほしいという方もいらっしゃいます。その場合は、別布をご用意いただければ、ご希望の通りに仕上げます。
ヒザの穴あき 3,000円〜
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こちらもデニムの穴あきですが、縦糸のブルーの糸は完全に切れていて、横糸の白糸がかなり残っています。この状態になることもよくあります。
人によっては、この白糸を切り落として修理することもあるみたいですが、私の場合は、できるだけ糸を残して、ミシン目で押さえてしまいます。そのほうが、見た目もより自然に仕上がるからです。
当て布の素材は、やはり同じデニムのほうが色合いや風合いが近いので、適しています。
ただ、デニムを当ててミシン修理をすると、どうしても仕上りが分厚くなります。たとえばヒザなどより丈夫に仕上げたい場合はそれでいいのですが、内股とかモモの横とかごわつくのが嫌な場合は、ダンガリーとかスレキの生地を用います。
そのあたりは、お承りの際にご相談いたします。
料金は、キズの大きさによっても異なります。
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スラックスの脇ポケット口のすり切れ修理です。(左が修理前・右が修理後)
男性の場合は、よく脇ポケットに手を突っ込む方が多いので、修理も非常に多く出てきます。
ほとんどの場合は、ポケット口の縫い目のところを若干中に縫い込んでしまえば、きれいに直ります。
スラックスによって、ポケット口が斜めについているデザインや脇縫い目に沿ってついていることもありますが、どちらのタイプでも修理は可能です。
脇ポケット口すり切れ修理 片方 3,000円〜
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同じスラックスでもこちらは、お尻の辺り後ポケット口のすり切れ修理です。
お財布を突っ込んだりして、力のかかる部分ですので、破れたり切れたりが多くなります。
写真下の修理は、表側から細かくミシンをかけたもので、この部分は、丈夫に仕上げることが大事です。
少し破れただけで、あっという間におおきな破れになってしまうので、気がついたらすぐに修理されることをお勧めします。
また、キズによっては、違う方法もあります。
たとえばキズが、縦にほぼまっすぐ一直線に切れている場合、ダーツ状にキズを縫い込んでしまうこともできます。やり方次第で、不自然な感じもなくきれいに直ります。
実際にキズの状態を拝見して適した方法を判断しますので、ご相談ください。
左写真のようなミシン補修の場合 2,000円〜
キズの大きさや状態によって、方法・料金とも異なります。
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コートの袖口のすり切れ修理です。
こちらも非常にご依頼の多いアイテムです。
着用していると、腕時計などで袖口の先がどうしてもすり切れてしまいます。本体の身頃のほうは、まだまだ無傷できれいなので、処分するのはもったいないという方が多くいらっしゃいます。
ほんと、もったいないと思います。
写真のような薄手のコートやバーバリーのコートなどは、袖口で一周縫い込んでしまえば、きれいにできます。
真ん中の写真は、縫い込んだあと、更に押さえミシンをかけて、縫い目が外に出てこないように落ち着かせたものです。
ただどうしても、この方法ですと、袖口先の縫い代が重なるので、若干分厚くなってしまいますので、ご了承ください。
また、厚手のウールのコートなどですと、やはり分厚くなるこの方法は、あまりお勧めできません。
その場合は、ミシンタタキ修理をして、内側に折り込んで処理する方法で対処しています。
いずれの方法にしても、修理した分若干袖丈が短く仕上りますので、ご了承ください。
袖口すり切れ修理 左右両方で、5,000円〜
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ワイシャツの袖口カフスのすり切れ修理です。
やはり腕時計などで、すり切れてしまうことが多いようです。
こちらもいったんカフスの付け側をほどいて、カフス先の縫い目を若干縫い込むと、きれいになります。
ステッチもいったんほどいて、もちろん修理後元通りにかけ直します。
カフスのデザインによっては、ボタンホールが開いている関係上、一部ミシンが入らないため、手作業で処理する場合もあります。
修理するのは、左右両方でも、もちろんすり切れている方のみでも大丈夫です。
今までに、何枚もこちらと同じような修理をしてきましたが、幸い皆様の予想なさっていたよりきれいに仕上がったようで、お客様にたいへん喜ばれることがたびたびありました。
袖口カフスすり切れ修理 左右両方で、5,000円〜(片方で、3,000円〜)
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ニットの修理もできるかぎりいたします。
ただし、元の通りに完全に編み直すということはできませんので、ご了承ください。
糸の太さや編地によって、修理のしかたも異なりますが、それそれの状態を拝見して、最も良いと思われる方法をご案内しております。
写真は、やや粗めの編地でしたので、拾える目を拾ってその部分は編み直し、その他は手かがりでまとめたものです。
既製品では、まず共糸がありませんので、袖や身頃の脇など、影響の少ないはぎ目をほどいて糸を取り出して、修理に利用します。
ほどいた部分は、後ほど別の糸で元の通りに縫い合わせます。
小さな穴あきやもっと編み目の細かいニットの場合は、手で縫い絞ったり、ミシンをかけたりして、穴を塞ぐほうが仕上りが目立たず、きれいにできることもあります。
料金は、それぞれの状態と修理の方法によって異なりますので、個別にお見積りいたします。
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