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内容紹介 |
1970年代、欧米に追いつき、追い越せを目指した日本の無線通信技術は世界市場に進出、アジア各地で活発な展開をはかった。本書は、その第一線SEとして活躍した著者の情熱的で真摯な奮闘記録。それは現在につながる20世紀ニッポン企業戦士の記録でもある。 |
(「あとがき」より) 二五年前の少し昔にさかのぼり、いつ頃どこに行き、どんな事があったかを思い出すのにやはり相当苦労したが、パスポートの入出国日付を手掛かりにし根気強く記憶をたどる内に、ひとつ思い出すとそれに前後した形で当時のことが点から線へとよみがえってきた。それを簡単なメモにし時系列に並べたまでは良かったが、文章をどのように書き始め、思い出したことをどのように挿入し組み立てたらよいのかイメージがまとまらず、腕組みをしたまま時には一〜二時間もパソコンの前で苛立った事もあった。書き出すと不思議と木の枝が伸びるように自然に当時の思い出がよみがえり、その時は何ともいえない快い気分になったものである。書いている時より、むしろ書き出す前が実に苦しいことが分かった。パソコンの前で自分の才能に自問自答しながら、翌日書いたものを読み返し全く面白くない時はがっくりしたものであるが、どうせ頑張っても自分なりのものしか書けないのであるからと開き直って書いている内に、何とかページ数が増えてくる事に一抹の満足感を覚え、徐々に書くことが楽しくなって来たような気がする。 プロローグ 無線通信の開発 そして海外への夢 9 第1章 熱帯の心優しい国 マレーシア 初めての海外マレーシア 15 僕の信条(誠意) 17 この人の国と戦争したくない 20 イエス、ノーをハッキリと 23 ファーストクラス搭乗事件 25 山賊は誰 28 一足のゴム草履 30 指からたれるカレーライス 32 いい加減にしろ! 裏工作 34 少し切ない気分 37 銃口の冷たさ 41 キングコブラ 45 ビア理髪店 48 マッサージファン 50 マンゴの味 53 第2章 アラーの神・油・熱砂の イスラム諸国 初めてのアラブ 59 酒をどうするか 62 カラチの酒親善 65 可哀相な布 68 世界をかける恋 71 アラブの礼拝 75 砂からの脱出 79 企業戦士だった 81 カモメよ許して 86 相手の立場を想う 90 アラブの結婚式 93 自信過剰の結果 97 滴の国カタール 101 男に追われる男 106 渚にて 109 第3章 変貌する中国と返還前の香港・マカオ 香港集団窃盗団 113 美味しいスープ 117 ワインの味 120 精華大学の思い出 124 変化する中国 129 中国の夜 133 環境美化 138 雲助タクシー 140 戦後五〇年だった 143 第4章 国民が愛する国王 王朝国家タイ 今日の事は未来のチャンス 151 仕事は楽しく 154 郷に入っては郷に従え 156 バンコックの夜 158 慈悲の心 164 ありの穴から…… 168 事故に注意 171 原因は自分 174 あとがき 178 |
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