唐突ではありますが、当ホームページについてかねてから、硬派なページの印象と実際の主宰者の印象が違いすぎる!?というご指摘を受けておりました。そこで、主宰者のキャラは変えるのが困難なのでウェブ製作のP.P.Designに御願いして、若干の変更作業をすすめております。
その一端として、これから、作品だけだと伝えられないメッセージを思いつくままに書いてみようかと思います。建ものの写真や図面というのは形とか仕上げだけしかみえない限界があります。でも実際に設計するときは、生活全般でいろいろ考えているソフトの蓄積があってこそですから、そのあたりを楽しく伝えられればよいかなと思います。また、活動の報告等も含めて掲載いたします。御感想等メールいただければ併せて御紹介したいと思います。今後共よろしくお願いします。

 

連載コラム
第1回 情報メディアいろいろありますが、、、。

 昨年竣工した住宅 GAPにて3月中旬にTVのロケがおこなわれました。渡辺篤史の「建もの探訪」です。台本通りにやらせるのかな?という興味もあり、建主さんにいろいろ聞いてみました。(製作担当の方から「設計者は来なくてよいです。」といわれ寂しく欠席)下打ち合わせは数日前にディレクターさんとしたそうです。こんなこと聞くと思いますとか、そんな程度。で、当日は朝9時から11時まで2時間ドウラン塗りの渡辺さんが訪問して、夕方まで個別の撮影というスケジュール。ということは、ほとんど一発撮りだということですね。さすがベテラン俳優。で、建主さんのほうはというと、いままで雑誌の取材で話しなれていたためか、緊張せずにお話できたとのこと。ただ、建主にドウランは塗ってくれないそうです。最初の玄関扉を開けるシーンでは、下町だけあって、カメラの後ろに黒山の人だかりでびっくり。いつもさわやかな朝というイメージですが、どうも実体は、「毒蝮三太夫」状態だったようですね。ともかく、4月17日9時30分から放映の予定です。

 現在は、住宅を紹介するメディアというのは、テレビ、雑誌、インターネットと多岐にわたります。しかしながら、メディアを通じて見えるのは基本的にいいところだけということがあります。専門誌では、批評的な目で取捨選択している部分はあるにしても、なかなか全てを伝えることはできないわけです。たとえば、映像では床の歩いた感じというのは絶対にわかりませんね。しっかりした歩行感をつくるためにフローリングの下地を鉄筋コンクリートにすると値段が上がりますし、少しでも高い天井にするために肉厚のある鉄骨で構造体を薄くすれば高い技術がいるわけです。こういうところが一番大事だと常々思っているのですが、なかなかメディアでは伝えられません。決められた予算のなかで、メディアでの紹介だけを目的にすれば、みえないところは安くして、お洒落な設備や仕上げの豪華さにつかってしまえばいいのです。

 最近は高気密・高断熱のブームで、外断熱やペアガラスが絶対条件のような脅迫観念があるようです。予算のバランスから必ずしもそうではないという場合もあるのではないでしょうか。結露することが事故だと騒ぐメディアもありますが、結露受けをつけて換気をきちんと計画すれば済むところに、過大なコストをかけてしまい、壁はビニルクロス、風呂はユニットバス、床はべこべこというのではなんの為の新築?と思う場合もあります。
これはひとによっていろいろ考え方があると思いますが、少なくともがっちりした骨格とか自由度のある間取りに金をつかいたいと思っています。

 はじめてのラーメン屋さんでは、まず、基本のラーメンを注文すべきとどこかにかいてありましたが、家づくりも同じようなことかなとも思います。(笑)

 

<<back next>>

このページのTOPへ戻る