連載コラム
第2回 食洗機で"エコ"はじめよう!
日本の大手メーカーのカタログにかいてありました。少しの水で洗うから、下水に流す水が少なくて環境にやさしい。湯沸しにかかるエネルギーをおさえることで二酸化炭素排出量を削減し、地球温暖化の防止に役立つ。毎日あなたが食洗機を使うだけで、環境のために大きな貢献ができるのです。
反面、アジアの工場でガンガン二酸化炭素を撒き散らして大量生産、数年後に廃棄物として打ち捨てられ、決して土に戻ることのない産廃の山をつくりますとは書いてありません。思うに、食洗機のよさは、洗う手間としまう手間が省けて楽チンということですから、皆さんどんどん使えばいいと思いますが、環境に貢献しているとエクスキューズするのはどうでしょうか。しばらくすると、少し性能のいい新製品をつくって、買い換えたほうがエコ(=人間性が高い)ですよという売り文句が用意されていることは明らかです。
最近は、エコで売るのが常套手段のようですが、どうも胡散臭い広告が鼻につきます。行政から消費者まで環境への影響を考慮する努力は必要ですが、便利な生活をして環境に貢献しているわけがないですよね。
私の車は1リットルで6キロしか走りません。1994年登録のボルボワゴンですが、あと10年乗れたらなと思っています。ボルボの平均寿命は21年だそうです。エコを売りにした低燃費、高価格の車もありますが、それなら電車とバスでいけばいいかなというのが正直なところです。排ガスを撒き散らしていることを充分認識しながら、その利便性や簡素なデザインをとても気に入っています。
先日、結婚を機に買った炊飯器を13年ぶりに買い換えました。最近の炊飯器のカタチってなんか妙だよなあと蓋の壊れたまましばらく使っていたら、モノマガジンの神成さんから象印のZUTTOという商品を教えてもらいました。炊飯器ってみんながえげつないと感じているのに、なんだかおざなりになっているような気がしませんか。えげつなさが、おいしさの証しみたいな。。。一方で、高級レストランみたいに、見栄えがいいと値段が高くてまずいんじゃないかと言う感覚がどこかにあって。。。5.5合焚きIH炊飯ジャー機能付、アマゾン・ドット・コムで¥17,000くらいでした。ずいぶん安いので怪しいかなと若干の不安を抱きながらも、早速焚いてみました。古い炊飯器のご飯と比べたら当然かもしれませんが、どうして、とてもおいしく焚けました。これは機能も必要充分にシンプルで大正解です。デザイン家電と言うと高価な割りに、無理やり人目を引くためにやりすぎているものが多くどうもしっくりきませんでした。だけれども、これは象印の技術とデザイナー柴田文江さんの見事なコラボレーションではないかと思います。ちょっとおおげさか?
なにやら取り留めの無いコラムになってしまいました。ただ、スペックにおどらされて買い替え続けるより、よく考えられたデザイン(=設計)を長く楽しんでつかうことが、ひいては(貢献とは言わないまでも)環境に対する影響を小さくするのではないかなと思います。メーカーの営業の方、お気を悪くされないでね。