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切らずに治療する子宮筋腫・子宮腺筋症の最新治療・子宮動脈塞栓術・血管内治療 Dr.TAKI UAE Center 保険適用

私とUAEHistory




子宮動脈への選択的カテーテル挿入に関する世界初の論文。1970年代に毛利先生がお書きになった。すばらしいアイディア!すべてはここから始まった。子宮動脈造影法だけでなくさまざまなカテーテル技術を毛利先生に直接指導いただけたことは幸運であった。
UAE手技のシェーマ。子宮動脈にカテーテルを挿入して塞栓物質を注入するだけである。シンプル!

1990年代。前傾姿勢、右肘は手術台に乗せ安定させている。左手はシース側のカテーテルを把持しているのだろう。モニターには骨盤が写っており、管球を左側に振っているので右子宮動脈の造影・塞栓。まだフラットパネル型のDSA装置がなかった頃でDSA撮影をするのにもテスト曝射を行っていた。川崎市立井田病院時代。全面改装され今はこの血管撮影室はない。奥にシャウカステンが見える。すべてフィルムの時代であった。右手奥には扉があって開けると中央手術室だった。あらゆるIVRがこの部屋で行われた。ポートの植え込みなどはカテ留置が終わったら外科医が扉を開けて入ってくれた。そのうち自分で植え込むようになった。ほぼ毎日のようにこの部屋で手技を行っていた。
1995年にLancetに発表されたUAE論文。UAEを開始した1998年にはこの論文を含めて数編しか発表されていなかった。論文にはカテーテル手技を行ったMerland医師の名前が見える。Merland医師は放射線科医。今では普通に行われているUAEだが当初は筋腫を壊死させるほど塞栓して子宮が壊死にならないかと懸念した。
UAEの縮小経過をグラフにしたもの。井田病院時代。
UAE後1年の切除標本。筋腫は筋層と明瞭な境界をもつ。中央部は瘢痕組織、周囲にはviableな平滑筋腫細胞。
血管内にPVAと思われる異物が認められる。当時は塞栓物質にPVAを使用していた。脳外科がPVAを保有していた。Ravinaの論文ではPVAが使用されており、他の塞栓物質を使用するわけにはいかなかった。UAEを行うにあたってPVAが必要と頼んだら快く分けてくれた。PVAはブロックで保有しておりカッターで切って分けてくれた。「瀧君、10年分はあるよ。」と脳外科の森井部長が言ってくれた言葉は忘れない。当時脳の血管造影は私が行っており、髄膜腫の塞栓なども依頼されて行った。科ごとの垣根がなく、どの科とも仲が良かった。PVAは鑢でおろしてふるいにかけて調節された大きさのものを使用していた。UAE後の病理標本は得にくいが、排泄された筋腫などで病理が得られた時には病理室へ行き、病理の先生にあれこれ伺った。井田病院時代。
卵巣動脈からも血流を受ける筋腫。卵巣動脈を塞栓しないと生き残っていしまうのは明らか。当時は卵巣動脈塞栓の報告がなく、塞栓することに勇気がいた。卵巣機能が落ちるのではないか?いや、反対側をしなければ大丈夫だろう?と議論した。100例行えば2-3例は遭遇する。今はこの問題は解決されている。
子宮腺筋症のUAE後。UAEでは子宮腺筋症を避けては通れない。一時的には虚血になっても長期的には再発する傾向がある。子宮筋腫と腺筋症に対するUAEを2000年にオランダのマーストリヒトで行われた国際学会に発表した。
葉山ハートセンターでのUAE。2003年から葉山ハートセンターでUAEセンターの名称を頂きUAEを行った。年間平均120例を行った。年間UAE以外に1000例以上の心臓カテーテル、400例のカテーテルアブレーションがこの部屋で行われた。つまり年間1500例以上のカテーテル手技がこの一台の装置で行われた。一度も装置の不具合がなかった。当時の病院長は心臓外科医の須磨久善先生。隣に手術室があり、バチスタ手術、ドール手術、SAVE手術が行われていた。
葉山ハートセンター正面。7年の在籍で840例のUAEを行った。岡山UAEの先生方とお会いしたのもここ。内地留学や見学の受け入れもした。いくつかの他の病院でのUAEも依頼されて行った。毎日が頭の中はUAEのことばかりだった。
アモルクリニックのカテ室にて。懐かしい先生の顔が見える。米国ではクリニックレベルでUAEが行われているが当初クリニックレベルUAEを行うことには抵抗があった。過去十年で一度のアクシデントもなかった。DSA装置などは私の意見が反映されており技量を十分に発揮できるようになっている。平均透視時間は8分台、手技そのものも30分程度である。スタッフも入れ替わることが少ないため最高のチーム医療である。半日で5症例行ったこともある。米国ではクリニックレベルでUAEが行われている。ここでは900症例ほどを経験させていただいた。UAEの安全性も証明した論文を児島先生が英文でお書きになった。



子宮腺筋症の累積症状コントロール率をグラフにしたもの。時間とともに再燃していくことがわかる。5年すると1/3は再燃する。腺筋症患者は40代が多く、他のホルモン療法を併用することで逃げ込みができうることを示唆する。
良好な塞栓効果を示したUAE後の子宮腺筋症。このように子宮腺筋症病変部が境界明瞭な非造影部として描出されれば長期効果が得られる。以前は60%程度がこのようになったが塞栓物質を細かくすること、塞栓を強くする−加圧注入−で80%近くにすることができた。
2014年に塞栓物質であるエンボスフィアが保険収載され事実上UAEが保険適応となった。


                              論文、学会発表

子宮筋腫に対する動脈塞栓療法                        医学のあゆみ Vol191 No4 1999.10.23

子宮動脈塞栓術による子宮筋腫の治療                    医薬の門 Vol14 No1

 「子宮動脈塞栓術」による子宮筋腫の新しい治療法の試み        日産婦神奈川会誌 第36巻 第2号

子宮筋腫に対するUAEの治療成績                       第1回子宮筋腫塞栓療法研究会

子宮動脈塞栓術は腺筋症にも有効か?                                       IVR会誌 Vol.15 No.4 2000

UAEによる子宮筋腫治療後に妊娠し、経膣分娩にて生児を得た症例   第1回子宮筋腫塞栓療法研究会2001

「子宮動脈塞栓術」 による子宮筋腫の縮小治療成績                     日本産科婦人科學會雜誌 53(2), 344,  20010201

 今月の臨床 UAE―子宮筋腫塞栓療法       適応と禁忌と限界              臨床婦人科産科 57巻7号(2003.07)

卵巣動脈付加塞栓UAE症例の検討                                          第3回子宮筋腫塞栓療法研究会2003

UAE用簡易カテーテルシステムの開発                    第2回子宮筋腫塞栓療法研究会2002

外来子宮動脈塞栓術(UAE)100例の検討                  第2回子宮筋腫塞栓療法研究会2003

子宮動脈塞栓術(UAE)後の卵巣機能の検討                第4回子宮筋腫塞栓療法研究会2004

子宮動脈塞栓術後5日目に筋腫分娩を来した粘膜下筋腫の一例   IVR会誌増刊号 Vol.15 Supple  第29回日本血管造影・IVR学会総会抄録集

外来治療としての子宮動脈塞栓術(UAE)                  第1回子宮筋腫塞栓療法研究会2001

子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術(UAE)の初期経験          第1回子宮筋腫塞栓療法研究会2001

今月の臨床 UAE―子宮筋腫塞栓療法 手技の実際と術中管理 1.カテーテルの選択と挿入手技 臨床婦人科産科 57巻7号(2003.07)

子宮筋腫の動脈塞栓療法 適応と合併症                               第8回国際IVR/血管造影シンポジウム・第31回日本血管造影・IVR学会総会 2002

子宮動脈塞栓術(UAE)  IVRの最新動向                          INNERVISION 2002年10月特集号Vol.17,No.10

UAE後妊娠例の検討                                                         第8回 子宮筋腫塞栓療法研究会2008

子宮腺筋症に対するポンピング法ゼルフォーム使用によるUAE       第8回 子宮筋腫塞栓療法研究会2008

子宮腺筋症に対するポンピング法ゼラチンスポンジによるUAE       第69回日本医学放射線学会総会 2010

子宮筋腫治療としての 「子宮動脈塞栓術」 の応用    日本産科婦人科學會雜誌 52(2), 324, 20000201

Uterine artery embolization for symptomatic uterine leiomyoma and adenomyosis uteri      CardioVascular&Interventional Radiolical Society of Europe 2000

 Endovascular embolotherapy of uterine leiomyoma    The 17th congress of pan-pacific surgical association 2000



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