スケートに縁がない人のためのアイス・スケート・ガイド

アイススケートは、比較的手軽なレジャー・スポーツです。
多くの人は、レジャーとして、スケートを楽しむ訳ですが、
スケート場がない地域の人や、田舎から上京した人は、
スケート場がどういう仕組みになっているのか、まるで
分からないでしょう。

出かける前の準備

先ず、スケート場に出かける前に準備するものがあります。
スケート場では、危険防止のため手袋を着用することを
義務づけているのが普通です。軍手でも何でもいいですから
手袋を用意します。服装は、動き易い服装なら何でもいいでしょう。
運動すると薄着でもいいくらいですが、普通に考えると寒い所なので
暖かい上着は用意しておきましょう。

スケート場に着いたら

まず入り口で券を買います。券には、貸し靴付きの滑走券と
靴を持っている人のための貸し靴なしの滑走券とがあります。
場所にもよりますが、時間制限なし(営業時間内)の当日券靴付きで
大人1,700円前後の値段です。(内貸し靴代が500円くらい)
子供、学生などはもう少し安くなります。
貸し靴付き滑走券を買って中に入ったら、まず靴を借ります。
貸し靴の窓口は、リンク周辺の床にゴムが張ってある領域にあります。
靴には、フィギュア、ホッケー、セミ・スピードがあります。
サイズは、自分が普段履いているサイズを指定します。
一般的に、スケート靴は自分の足の大きさと同じか、多少窮屈でも
それ以下のものを選ぶというのが定説です。
各靴の特徴は、以下の通り。



【フィギュア】
 レジャーで楽しむのであれば一番のお勧め。
 つま先のトウ・ピックでつまづくから嫌いという人がるが、
 それは踵乗りが出来ていないせいで正しくない。
 ブーツ型の靴なので足首が保護される形になっている。
【ホッケー】
 ブレードの特性はフィギュア靴と違うが、これを好む人も多い。
 大抵貸し靴はシューズ型なので足首の支えがない。
 足首が鍛えられていない人には厳しいかもしれない。
【セミ・スピード】
 刃の曲率が高くないので曲がりにくい。
 底面を平砥石で磨いだエッジなので、正しい乗り方をしないとエッジを
 立てて滑ることがやや難しい。指導者がいて正しい基礎を身につける
 のであれば、セミ・スピード靴がお勧め。
 スピード靴も足首の支えはないシューズ型になっている。

靴を履く

靴を借りたらベンチに腰掛けて履きます。
靴を履く前には、準備運動をしておいた方がいいでしょう。
普段使わない筋肉を使うので、十分に筋肉を暖めておかないと
足が吊ることがあります。また、普段から柔軟運動をしておくと
その他のスポーツと同様安全性も増します。
スケート靴を履く時は、ヒモを十分緩めて履かないと、靴下が引っ張られて
足が靴の中で偏った形に押し込まれて良くありません。靴のベロを引っぱり
出していいですから、十分に緩めて履きましょう。
ヒモは、絞めると言うより完全にたるみを取るという感じに結びます。
氷の上で立つ場合、体重は垂直に立てた刃の上にきちんと乗せます。
きちんと刃に乗らないまま刃が傾き、足が靴の中で回って、靴底でなく靴の内縁に
体重を乗せるのは最悪で、靴も傷みます。
靴の履き方が悪いと上達しません。
よって、下図右のような履き方は厳禁です。



※注:上図は説明の為両足をに平行にしていますが、氷の上で立つ場合にも、
   つま先を開いた「気をつけ」の際の足の配置が理想です。

足首グラグラ問題のレポート

エッジで滑る

スケートは、エッジ(縁)で滑ります。これはとても重要な概念です。
エッジは、刃の底面と側面の境界の縁のことで、片足に内側、外側1つずつあります。
一般滑走では、その内側のエッジを使用することになります。
体を支える場合は、氷に爪を立てるみたいにエッジを使うことです。
エッジを使うには、やや体を傾けて内側の場合、足の親指側に力を入れて氷を押します。
この時も刃の上に体重を乗せるようにしなければなりません。
靴底と足の裏が離れて片方が浮いたような乗り方では駄目です。
足裏全体を靴底に密着させたまま、エッジと氷の接点を支点にして傾ける方を更に
強く押す感じにします。



ローラー・スケート(2列輪)をやっていた人が、初めてアイス・スケートをやると
グラグラするといいますが、体重を刃に乗せようとしていないのですね。
歩く際に同様の癖がある人は、やはりグラグラします。
バランスを取る時に、足首の調整でバランスを取ろうとすると同様にグラグラするようです。
足首は自然にして、肩を左右に移動する様にしてバランスを取るべきです。

その他

貸し靴の場合は、悪い癖がついて足首のところがグニャグニャになっている
ことがあります。こういう場合は足首の部分のヒモをきつく絞めることでかなり
改善しますが、滑っているとヒモも弛んできますし、完全には安定しません。
上達しようと思ったら、やはりマイ・シューズですね。
滑っていると靴の中で足が締め付けられる様に痛くなることがあります。
これは、血行が悪い状態で筋肉を使うせいです。特に足が冷えていると
なりやすいのですが、慣れや体調で同じくらいの強さでヒモを絞めても
痛くなったりならなかったりします。
痛くなったら一旦、靴を脱いでしばらく休ませるのもいいでしょう。
靴を履く前に、足をマッサージしておくといいかもしれません。
我慢出来る程度ならそのまま滑っていればそのうち解消します。

スケート場にはコインロッカーがありますので、脱いだ靴と荷物は
コインロッカーに入れます。
ほとんどのスケート場は反時計回りに回る約束になっています。
具体的な滑り方は、スケート教室で学ぶか、参考文献を参照して下さい。
目標を持ってコツコツと練習することが上達の秘訣です。
あくまでも、練習するのは自分ですし、何事も努力は必要です。

滑る前に

初心者には足首が弱い人がいます。
ブーツ型のフィギュア靴は、足首をしっかりとガードしてくれますが、
古い貸し靴の場合は、それも期待出来ないこともあります。
スケートの教本にはゴム床歩行を重視しているものがあります。
つま先を少し開いて気をつけの姿勢で歩くのです。
これでフラつくなら氷の上でも安定しません。
私の場合、初めてスケート靴を履いて、こんな薄い刃の上に立っても
結構安定するものだという印象でした。
氷の上に降りても、最初は歩くことが基本になります。

滑り方のコツ

日常生活で、歩く、走るという動作と似ているようで違うのがスケーティングです。
この違いをしっかり認識して、滑るという動作を自分の中に作らなければなりません。
スケートの刃が向いた方向には抵抗がありませんから、踏ん張るには刃と垂直方向に
踏ん張るしかありません。そのため真直ぐには進めずやや斜滑走になるのです。



進みたい方向(イメージ)が適切でないことは大きな障害となります。
上手い人の滑走を注意深く見てみましょう。
また、歩く場合はつま先で地面を後ろに蹴って進みますが、初心者のスケートでは
踵に重点を置いて氷を押して進みます。足を氷から離す場合には、つま先と踵を
同時に氷から離すような感じになります。



最初は、軽く体を傾けた重心移動で滑るといいでしょう。
私は、氷を押す足と反対側の肩を前に出す感じで上手く滑れた経験があります。
これがある程度出来る様になったら正しいV字ストロークを身につけましょう。
この滑走になるとスケーティング・レッグ(乗り足)とスラスティング・レッグ
(押し足)が明確に区別されます。乗り足が他の多くのスポーツで基礎とされる
軸足に相当します。V字ストロークでは、乗り足がそのまま押し足に移行するため
いつ乗り足が押し足に変わったか区別がありません。
乗り足に重心が移って氷を受け止め踏ん張り始めたときからその足が乗り足になり、
押し足が氷を押し終わって空中で引き寄せる辺りから乗り足が押し足になります。
私の経験では、乗り足というより押し足に乗って滑走する感じの方が加速します。
氷を押す(蹴る)動作で体が回ってしまう場合は、乗り足の軸と押す方向が
一致していないとか、肩で回転を打ち消すことが出来ていないということです。

以下に私の滑走を示します。

 V字ストーク前進滑走 (AVI 203x194 pixels 95 frames 648K bytes)

 これは、セミ・スピード靴で滑走したものです。
 氷を押す感じとタイミング、左右への重心の移動とエッジでの受けをよく観察して下さい。
ただ、最初の頃は、前傾の深いフォームを目指しても筋力が伴わないので、ほとんどの
場合は直立に近い姿勢で滑れる様になるのが普通です。
私の場合は、少し滑れる様になってからは、乗り足は若干アウトサイドエッジぎみで
身を翻す感じに滑っていました。あまり強くはないですが、体の捻りを利用して
合理的に氷を押していたということです。多かれ少なかれ、捻りと振り込みの動作は
V字ストロークにも含まれる要素です。これらの動きもすべてエッジが受け止める
ことになるので、しっかりエッジに乗れて、満足に氷を押して加速する感覚が得られるまで
工夫してみることです。

間違ったイメージ

多くの人は、氷が張った地面やツルツルの廊下をソックスで滑る感じで、
つま先の方向にツーーッと滑りたいという欲求を持ちますが、アイス・スケートでは
残念ながら間違ったイメージになってしまいます。
足だけ出しても仕方ないのです。肩も一緒に出しましょう。
肩を被せる様にして完全に踏み出した足に乗り切るのです。
そこが一つの怖さでもあるのですが、滑り始めたら抵抗せずにそのままどこまでも
その方向に自分が進んで行けばいいのです。

開き腰とその直し方

開き腰とは、一言でいうと下図の様に重心を両足の真ん中に置いたままの滑り方です。



つま先は左右斜方向に向いていて、適度に斜に進むのですが、基本的に
胸が斜ではなく目先の進みたい方向である正面を向いて重心を両足の中央に置いた
歩くには非常に安定した安易なフォームです。
従って、初心者の多くがこの形で満足してしまうハマりどころなのです。
開き腰の欠点は、ちょっと力を入れて氷を押そうとしても不安定で、氷を押そうとしても
うまく押せないことにあります。
氷を押そうとすると、どんどん足を開いてしまい不安定になって行くのです。
開き腰フォーム自体が、氷を押し切った時の状態にあると考えられます。
よって、押す前の準備状態として、片足にきちんと乗って腰を閉じることを考えましょう。



開き腰を直す方法としては、第一段階として、踏み出した足の方に踏み出した側の肩を
前に出してみる方法があります。
ヤクザが肩で風を切ると言いますが、私は、正にそんな感じでやっていました。
これがエッジの進むトレスに背を添わせて進める良い滑り方で、フィギュアスケートの
コンパルソリーでサークルを滑る時のような趣があります。
次の段階として、V字ストロークの直線イメージをラッパ形に開く様に曲線にイメージして、
取り敢えず、スケーティングレッグをアウトサイドエッジで滑る様にします。
本来は、インサイドなのですが、左足は右に追いやらないと重心がエッジに乗らないし、
右足も同様に左に追いやらなければなりません。このとき自然にエッジを構えるとしたら
アウトサイド・エッジ(普段使わない外側のエッジ)を使うことになります。
取り敢えず、私はそうやってアウトサイドに乗って背中を滑走する円弧の内側を向け
身を翻すようなイメージで滑っていました。これによって次第に氷を思った様に
押すが出来る様になってきたのです。
教本には、胸はスケーティングレッグの方向を向くのが正しいと書いてありましたが、
この方法で滑っていた時の私は、とてもその方向を向けることは出来ませんでした。
それは、アウトサイドエッジで滑っていたのが原因だったようです。
インサイドエッジで受けると、確かにスケーティングレッグの方向に胸を向けるのが
正しいと納得出来ました。これはずっと後になって分かったことです。

氷を押す原理

氷を押そうとすると下手なフォームでは、体が浮いてしまいます。
押そうとしても、力が逃げてしまうのです。
重心の浮きの原理は以下の通り。



上図左は、重心点がエッジの左側にあり右に進もうとしています。
この場合、重心は上に持ち上げられる様に力が働きます。
一方、上図右側は、重心点が右側にあり右に進もうとしています。
右に進む程重心は下に引き下げられることになります。
上図のうちどちらのエッジが緩むでしょうか。
エッジが緩むと重心が空中に取り残されて浮いてしまいます。
左図は、重心が上に持ち上げられるから浮くと考えるかもしれませんが、重心点には
腰から上の全体重が乗っている訳ですから持ち上げるとすれば、相当の力がかかり
浮くのではなくて逆にエッジに荷重をかけることになるのです。
この原理にかなった押し方をしないとスケートで氷を押すことは出来ません。
当然、フィギュアスケートのジャンプでもスピンでも然りです。

姿勢

初心者は、踵に乗って滑るのが良いのですが、後ろに転んで後頭部を打ったりしない様に
背筋を伸ばした前傾姿勢を保つのが良いでしょう。速く進むためには、
重心を進みたい方に先行させなければなりません。
アイスダンスの上級者は、まるでキリンのようなフォームで滑ります。



抑揚をつけた深いフォームになる前進のクロスオーバーなどで顕著です。
余談ですが、長野オリンピックのフィギュア・スケート男子フリーの金メダリスト
イリア・クーリック選手の衣装もキリンの模様でした。
そこまで極端にする必要はないと思いますが、乗り足の臑に肩を被いかぶせる感じに
することはいいと思います。
背筋を伸ばすためには、胸を張ります。
お尻は、膝を曲げると同時に後ろに突き出す感じでいいと思います。
正しい姿勢を保つためには、腹筋をつっかえ棒代わりにして支える感じになります。

私の記録

初めて滑った日の記録を日記から抜粋して掲載します。
大体、毎週滑るとその日にやったことを事細かに書いて、それを4年以上続けています。
果たして参考になるかどうか。

1997年12月6日の記録

バック

最初は怖くて少しも後ろに進みません。
前進でもそうですが、進みたい方向に重心が先行していないとエッジで氷を
押そうとしても上半身が取り残されてバランスを崩すため進めないのです。
その怖さから踏ん張って後ろに進まなくなっているのです。
一般的には、真後ろに進むひょうたんバックから入るのが簡単なようですが、
私はなぜか波バックの方を先に習得しました。
バックの法則として、「お尻を向けた方向に進む」というのがあります。
真後ろ直進しようとすると踏ん張れなくて進めません。
お尻を突き出してプリプリする感じで左右に進路を振って、斜後ろ方向に
タイミングよく氷を押すような感じで次第に進む様になったりします。
V字ストロークが出来る人は、それをバックに置き換えてイメージして下さい。
タイミング良く肩を捻るといった辺りにコツがあります。
進める様になっても、重心を後ろに先行させることができないと、肩が取り残されて
前につんのめったような感じの滑走になります。
習得に時間がかかりますが、氷を押すのに合わせて重心を先行させることかが必要です。

止り方

滑れる様になったら止まれる様になりたいのですが、止り方を身につけるには
重心が浮かない様に、しっかり腰を入れて滑るような基礎が必要です。
恐らく、片足滑走が出来るくらいでないと難しいでしょう。
自己流でやっている人は、うまく急カーブしてスピードを殺して止まったり、
カーブ中にスリップして止まったり、腕を伸ばして手摺で受け手める
という止り方をしています。
ストップは、初心者にはいずれも難しい。
腰の構えが出来ていないとカーブして難しいですが、一番簡単なのが
T字ストップだと思います。
ハの字ストップは、内腿などの筋肉が必要です。
出来れば、イの字ストップを身につけたいものです。
片足滑走しながら、斜にフリーレッグを出してインサイドエッジで氷を削って
止まるのですが、片足になってフリーレッグを前に出すだけで難しい。
左足で滑走して右足で氷を削って止まる場合、まず右足を右前に出しますが、
バランスを取るために、左足はアウトサイドエッジに乗ってはいけません。
あくまでも左足は、インサイドエッジに乗ったまま右足を右前に出した分
腰掛ける様にお尻を左後ろに構えてバランスを取ります。
このとき、肩はかなり前に先行させる感じになります。
次に左足から右足に踏み替える様に体重を右に少し移す訳ですが、
十分に左足のインサイドエッジで踏ん張れないと支えられません。
重心を前に移しながら左足のインサイドエッジの前の方で体を支えて
またぐように右足に半分体重を移します。
このとき、エッジを均等に氷に押し付けて氷を削らなければなりませんが
最初は足首の力も弱く、エッジにかかる体重のコントロールも出来ないため
最初はどうしても引っ掛かってしまいます。
左足のスケーティングレッグが、反動をしっかりインサイドエッジで受けていれば、
多少引っ掛かってもそれによって致命的な転び方をすることはないと思います。



整氷(製氷)作業

スケートリンクでの退屈な待ち時間。早く滑りたいのに〜。
 とその間、仕方がないのでその作業を眺める。
変わった車が出てくるが、これがザンボニというやつです。
ザンボニは、ジープとかユンボなどと同じ様に会社の名前で、ザンボニは
整氷車の代名詞になっています。
荒れた氷を削ってから、表面に水を塗って新しく氷を作る作業を行います。
リンクから出て行くとダンプカーみたいに中に溜めた氷をドサッと
捨てるのですが、普段は見ることが出来ません。

ザンボニのホームページ:http://www.zamboni.com/

整氷車の解説ページ:http://www.zamboni.com/trivia/how.html
 削った氷を螺旋状に持ち上げているとは思いませんでした。

リンクの整備が終わってすぐは、氷はツルツルで滑り易く、
転ぶと濡れてしまうので注意しましょう。

氷に関連してちょっと余談・・・
私は、明治神宮スケート場、神奈川スケートリンク、新横浜スケートセンターの
3ヶ所しか知りませんが、神宮と新横浜の氷の質はよく似ています。
とらちらも、氷が白っぽくてスカスカな感じなのですが、平面性はよくて
エッジのグリップも良いです。
神奈川スケートリンクは、素人荒れが目立ちますが、最も氷らしいのです。
恐らく、リンクが古いため表面に水を塗ったとき、元の氷の表面が完全に
融けてから水が氷るため一体化するようです。
神宮と新横浜は、表面の氷が完全に融け切る前に氷るためパイ生地のように
氷が多層に形成され、スカスカに感じられる様です。
その方がエッジが氷を圧迫したとき融け易いですから、スカスカなのに
グリップ力は妙に強いということになるのです。(多分)
神奈川スケートリンク創立50周年のとき荒川選手と村主選手が
演技したのをウォーミング・アップから見ていたのですが、
なぜか荒川選手だけループ・ジャンプで転倒するのです。
氷の質かと思っていましたが、やはりそのようです。
まあ、レジャーで滑りに行く分には関係ない話ですが。
その後、神奈川スケートリンク改築署名運動はどうなったのでしょうか。

一般的なスケートリンクでのマナー

時計回り走行や立ち止まることなど流れを乱す行為は危険です
3人以上の手つなぎ(横並び)は遠慮しましょう
暴走行為や、制御能力を越えたスピードの出し過ぎは控えましょう
わざと氷を傷つけたり、氷に穴を開けたりしないこと
 ストップの動作で表面を薄く削ることは問題ありません
フィギュア靴のつま先のギザギザは、ブレーキ用ではありません
手袋は、転んだ時の手の保護のために必ず着用しましょう
スケートリンクに唾を吐かないようにしましょう
 汚いだけでなく、それが氷って盛り上がりが出来て困ります
一般に、スピード・スケート靴(ロング)で滑ることは禁止されています
ポケットの中にペン、鍵束などを入れていると転倒した時危険です

スケート用語
用語 スペル 意味
プレーン・スケーティング plain skating 各競技に共通した基礎になる滑走。
前進、バック、クロスオーバースケーティングなど。
ブレード blade 刃。
トウ toe つま先。
トウ・ピック toe pick フィギュア用の靴のブレードの
つま先についたギザギザ。
エッジ edge ブレードの氷に接する縁のこと。
イン・サイド・エッジ inside edge 略してイン・エッジ。
左足のブレードの右側エッジと
右足のブレードの左側エッジ。
アウト・サイド・エッジ outside edge 略してアウト・エッジ。
左足のブレードの左側エッジと
右足のブレードの右側エッジ。
初心者は恐くてなかなかアウト・エッジに乗れない。
フラット・エッジ flat edge ブレードを氷に垂直に立てた状態で、
両方のエッジが氷に着いている。
トレース trace 氷上についたエッジの跡のこと。
トレースを伸ばすとは一蹴りで進む距離を伸ばすこと。
トレースが狭いというのはV字に開く角度が浅いこと。
ストローク stroke 片足での1回の滑りのこと。
歩数と同様nストロークと数える。
ロングストロークで滑るとトレースが長くなる。
スラスト thrust, sculling 一般にエッジで氷を押して推進力を得る動作。
スケーティング・レッグ skating leg 氷上を滑っている足。通常、体重を乗せている。
フリー・レッグ free leg 氷から離れている足。
スラスティング・レッグ thrusting leg エッジで氷を押している足。
フォーワード・
 スケーティング
forward skating 前進滑走のこと。
バックワード・
 スケーティング
backward skating 通称バック。後方滑走のこと。
両足カーブ(キャーリング) curves on two feet 氷に両足のブレードをつけたまま体を傾けるだけで
曲がるテクニック。自転車と同じ様な感覚。
クロス・オーバー・
 スケーティング
crossover skating 通称、クロッシング (crossing)
カーブで加速しなが滑ることができる方法。
足を交差させることからその名がつけられている。
キャーリングするとスピードが落ちるため
直線性を保ったままカーブし、両足とも円周の
外側方向にスラストし加速する。
乗り位置 --- フィギュア、ホッケーのスケート靴の刃は
湾曲しているので大きく分けて前後に2ヶ所の
乗り位置がある。一般に、前進ではカカトに、
バックでは、つま先寄りに乗ることになる。
乗り位置が正しくないと、体を傾けて自然に
カーブすることを困難にする。
ひょうたんバック --- バック滑走の初心者向けの滑り方。
足をハの字型に構えて開きながら後ろに加速し
余力で足を閉じて、それを繰り返す。
ターン turn 前進とバックの切り替えを行なう半回転技。
モホーク Mohawk エッジ・チェンジ (in-out) を伴う踏み替えのターン。
チョクトー Choctaw エッジ・チェンジを伴わない踏み替えのターン。
スリー・ターン three-turn 片足だけで行うターンで、フィギュアスケートの基本的な技。
スピン spin ジャンプしないでくるくる回転。普通は反時計回り。
ストップ stop ストッピングともいう。ブレーキをかけること。
イの字、
ハの字(スノー・プロー)、
ニの字(ホッケー)、
T字(フィギュア)などがある。
これらがきちんと出来ると結構カッコイイ。
どのストップ動作もエッジで氷を削って止まる。
前進滑走ができる様になって最初に身につけたい技
だが、どれも片足で直進滑走できるくらい安定して
滑れないとなかなか難しい。
エッジの当て方を把握するには、手摺につかまり
片足で立ち、もう片方の足で氷を削ってみるのが有効。
縦蹴り --- 初心者のがよくやる、正しくない滑り方。
正しいスラスティング動作を身に付け美しく
合理的に滑ろう。
左右交互に斜め前に向かって進むのが正しい。
開き腰 open hips 初心者の良くない滑り方で、本来ハサミの様に縦に
足を開くべきが、左右に開いている正面を向いた
滑り方。女性に多いそうだ。
重心を乗り足やや外側に置き、スケーティング・
レッグを僅かにアウト・エッジ側に傾けて上体が
きちんとスケーティング・レッグの方向を
向く様に滑るのが正しい
バタ足滑走 --- 初心者の良くない滑り方で、これも正面を向いて
インエッジだけで滑る滑り方。
詳しくは知らないが、男性、特に子供に多いそうだ。
インに乗る --- 初心者の良くない滑り方で、両足のフラットな滑走に
於いて内股になり本来フラットエッジに乗る所を
インサイド・エッジに乗ってしまう滑り方。
プロ・ショップ pro shop スケート用品専門店のことをそう呼ぶことがある。
インライン・スケート in-line skate 幅の狭いローラーを縦一列に並べて
アイススケートに似せたローラー・スケート。



スピード・スケートの考証

フィギュア・スケート

二の字ストップの練習方法


 Ice Ninja 自己流スケート理論と実践

タイトルの映像について

ホッケー・ストップ(ニの字ストップ)のイメージをコンピュータグラフィックスで表現しました。
ただし、片足だけなので、「一文字ストップ」とでも名付けましょう。
自作モデリングTOOLと、知人のプログラムを元にした自作レンダラーで作成しました。
削れた氷の破片は、C言語で簡単な運動計算をして求めています。
氷の破片を単にシェーディングをかけるのではなく、明るさを色相に置き換えた「虹色の氷片」版
も作りましたが、思った程綺麗ではありませんでした。
元々は、動画です。
よろしかったら、下リンクのムービーを御覧下さい。

一文字ストップ・ムービー (Quicktime 320x224 pixels 664K bytes)

参考文献

[1] 大修館書店 スケート教室
三野勉著
ISBN4-469-16110-1 C0375 P1133E

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