子宮筋腫とは子宮を構成する平滑筋が異常に増殖する良性腫瘍で、女性に認められる最も多い腫瘍の一つです。30歳以上であれば3〜4人に一人はあるといわれます。発生原因は不詳ですが遺伝子が関与していると推測されています。子宮筋腫自体は良性の腫瘍なのでまったく症状がなければ治療の必要はなく経過観察されることが普通です。
子宮筋腫による症状−月経異常(月経困難症、月経痛、過多月経、過長月経)、不正子宮出血、貧血、圧迫症状(腹部のしこり、頻尿等)−が認められ、日常生活に支障を来たす様であれば治療の必要が生じてきます。
子宮筋腫はエストロゲンという女性ホルモンに依存しているので、閉経後には増大することはまれと考えられています。
submucosal fibroid
粘膜下筋腫
intramural fibroid
筋層内筋腫
subserosal fibroid
奬膜下筋腫
pedunculated
有茎性 子宮筋腫は組織学的に、腫瘍細胞、膠原線維、変性組織、血管をおもな構成成分としており、ほとんどの筋腫でさまざまな程度の変性を伴っているのが普通である。子宮筋腫は正常子宮筋層が圧迫されて形成された偽被膜によって取り囲まれる。筋腫内部には血管は比較的乏しく、子宮筋層から数本の血管が偽被膜に分布する。約3分の2の患者で多発し、同一患者でも筋腫間の変性の程度は異なることが多い。90%以上の筋腫は子宮体部に発生するが、5%ほどが頚部に発生する。まれではあるが、広靭帯、後腹膜に発生することもある。子宮筋腫はその発生する部位によって粘膜下、筋層内、漿膜下の三型に分けられ、筋層内筋腫の頻度が最も高い。症状は筋腫の大きさ、発生部位によって異なる。漿膜下筋腫では無症状のことが多いが、粘膜下筋腫、一部の筋層内筋腫では、過多月経、月経痛を訴えることが多い。筋腫はエストロゲンレセプターを有しているため閉経後には縮小することが多い。 |